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2024年11月14日

転職面接の交通費の補助が受けられる?!広域求職活動費・移転費とは

転職面接の交通費の補助が受けられる?!広域求職活動費・移転費とは

公開日:2022/4/22 最終更新日:2024/11/14

転職活動を始める時には、自分にあった転職先を探すために地域に縛られない転職活動が必要になることがありますよね。住んでいる地域だけではなく離れた地域にも魅力的な求人があれば応募するのも1つのチャンスです。

しかし、遠い場所まで面接に行ったり、転職後の引っ越しを考えると経済的に負担になります。

遠隔地への転職・就職を目指すときに活用したい雇用保険の給付金制度をご紹介します! 

広域求職活動費とは

広域求職活動費とは「広域求職活動費」とは、離れた地域の企業などへの転職活動・就職活動時に、面接や訪問するための交通費や宿泊費を雇用保険から支援してもらえる制度です。また、転職後に遠い地域に引っ越して新しい生活のためのお金がかかる時には「移転費」を利用することで経済的な負担を小さくできます。

近年では働き方が多様化しています。生まれ育った地域とは違う地域に就職する「Iターン」や、一度都会に就職してから再び地元に戻る「Uターン」、都会に就職してから近隣の都市に戻る「Jターン」といった言葉もあるように、環境の変化や魅力的な企業を求めて遠距離にある企業も転職活動の対象にすることも増えています。

広域求職活動費は、そのような転職活動や転職後の生活にかかる経済的負担を小さくする制度です。

広域求職活動費支給の条件

広域求職活動費支給の条件厚生労働省の「広域求職活動費と移転費のご案内」によると、広域求職活動費の支給の条件はこのようになっています。

① 雇用保険の受給資格者であること
② ハローワークに紹介された求人が、その受給資格者の方に適当と認められる管轄区域外に所在する事業所のもので、その事業所の常用求人であること
③ 雇用保険の受給手続を行っているハローワークから、訪問する求人事業所の所在地を管轄するハローワークの間の距離(往復)が、交通費計算の基礎となる鉄道等の距離で200キロメートル以上あること
④ 雇用保険の待期期間が経過した後に、広域求職活動を開始したこと
⑤ 広域求職活動に要する費用が、訪問先の求人事業所の事業主から支給されないこと、またはその支給額が広域求職活動費の額に満たないこと

つまり「広域求職活動費」とは、ハローワークから紹介された遠隔地の正社員・正職員求人に応募し面接を受ける際に、交通費の補助を受けられる制度です。

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広域求職活動費の支給額

広域求職活動費の支給額

次に、広域求人活動費の支給額を紹介します。

支給される項目

広域求人活動費として支給されるのは、次の2つの項目です。

1.運賃(鉄道賃、船賃、航空賃および車賃)
雇用保険の受給手続きを行っているハローワークと、訪問する求人事業者の所在地を管轄するハローワークの所在地までの、通常の経路で計算した運賃です。

2.宿泊料
雇用保険の手続きをしているハローワークと、訪問する求人事業所を管轄するハローワークの所在地が400km以上離れていた場合のみ適応になります。

遠距離での転職活動で大きな負担になる交通費と宿泊費の負担を減らすことができるのでとても便利な制度です。

支給額

1.運賃(鉄道賃、船賃、航空賃および車賃)
運賃については、求職者と事業者をそれぞれ管轄しているハローワーク間の距離の運賃になります。

交通手段により、以下のように計算方法が決められています。

<運賃の計算方法>
・鉄道賃:普通旅客運賃+普通急行列車料金または特別列車料金(急行・特急列車を運行する路線は急行・特急料金を加える)
・船賃:2級運賃相当額
・航空賃:実費
・車賃:1kmあたり37円

2.宿泊料
宿泊料は、原則1泊8,700円(一部地域は7,800円)で、距離と訪問事業所数に応じて最大6泊分まで支払われます。

距離 訪問2か所以上 訪問3か所以上

400km以上800km未満

1泊分まで 2泊分まで

800km以上1,200km未満

2泊分まで 3泊分まで

1,200km以上1,600km未満

3泊分まで 4泊分まで

1,600km以上2,000km未満

4泊分まで 5泊分まで

2,000km以上

5泊分まで 6泊分まで

広域求職活動費の手続き方法

広域求職活動費の申請に必要な書類申請の時に必要な書類はこの4つです。

・支給申請書
・広域求職活動指示書
・雇用保険受給資格者証
・広域求職活動面接等訪問証明書

全て揃っていないと申請ができないので、忘れずに揃えておきましょう。

「雇用保険受給資格者証」は雇用保険の受給説明会の時にもらえる書類です。残りの3つの書類がもらえるタイミングと申請方法について、手順に沿って解説します。

<ステップ1>
まずはハローワークで求人を探します。
ハローワークから紹介された求人が遠い場所にある求人だった場合、雇用保険部門から「広域求人活動指示書」と訪問する対象となる求人事業所に応じた「広域求職活動面接等訪問証明書」をもらいます。

<ステップ2>
次に、紹介された事業所で面接をうけた際に「広域求人活動面接等訪問証明書」の事業主欄の記載をしてもらいます

<ステップ3>
最後に、該当の求職活動を終了した10日以内に必要書類を提出する必要があります。
ハローワークにある「支給申請書」に必要事項を記入して、ハローワークの雇用保険部門に行き、「支給申請書」「広域求職活動指示書」「雇用保険受給資格者証」「広域求職活動面接等訪問証明書」の4つの書類を提出します。

申請できる期間は広域求職活動が終わった10日以内と決まっているので、忘れないうちに早めに申請をするようにしましょう。

移転費支給の条件

移転費支給の条件「移転費」とは、往復4時間以上かかる遠距離の場所への引っ越し時に使える制度です。引っ越しを伴う転職では新しい生活に向けた出費が多くなりがちです。移転費制度を上手に利用することで、経済的な負担を減らすことができます。

移転費は、以下の条件を満たした場合に支給されます。(厚生労働省「広域求職活動費と移転費のご案内」より)

① 雇用保険の受給資格者であること
② 雇用保険の待期期間が経過した後に、就職し、または公共職業訓練等を受けることとなったこと
③ ハローワーク、特定地方公共団体または職業紹介事業者が紹介した職業に就くため、またはハローワークの所長の指示した公共職業訓練等を受けるために、住所・居所を変更する場合
④ 事業所または訓練施設が、次のいずれかに該当するため、ハローワークが住所・居所の変更が必要であると認める場合
a.通勤(所)時間が往復4時間以上である場合
b.交通機関の始(終)発の便が悪く、通勤(所)に著しい障害がある場合
c.移転先の事業所・訓練施設の特殊性や事業主の要求によって移転を余儀なくされる場合
⑤ 事業所、訓練施設その他の者から就職準備金その他移転に要する費用が支給されないこと、またはその支給額が移転費の額に満たないこと

つまり「移転費」とは、ハローワークから紹介された仕事を始めたり、職業訓練を受けたりするために引っ越しが必要だった場合に、交通費や引っ越し代金の補助が受けられる制度です。

移転費の支給額

移転費の支給額

次に「移転費」の支給額について紹介します。

支給される項目

移転費として支給されるのは、次の3つの項目です。

1.運賃(鉄道賃、船賃、航空賃および車賃)
住んでいた居住地から新しい居住地までの順路で、通常の経路および方法で計算した本人および随伴する親族の運賃です。

2.移転料
移転料は引っ越しにかかる支給で、単身か家族随伴なのかで金額が変わります。

3.着後手当
着後手当は引っ越し後に支払われます。敷金や礼金のような新しい生活に必要な負担を減らすことができます。

支給額

1.運賃(鉄道賃、船賃、航空賃および車賃)
運賃は、往復4時間以上の場合に支給されます。
支給額の計算方法と金額は、利用する交通機関ごとに次のようになります。

・鉄道賃:普通旅客運賃+普通急行列車料金または特別列車料金(急行・特急列車を運行する路線は急行・特急料金を加える)
・船賃:2級運賃相当額
・航空賃:実費
・車賃:1kmあたり37円

2.移転料
移転料は、距離に応じて金額が決められます。また、単身か家族随伴なのかで金額が変わります。
支給額はそれぞれ下の表の通りです。

距離 家族随伴の場合 単身の場合

50km未満

93,000円 46,500円

50km以上100km未満

107,000円 53,500円

100km以上300km未満

132,000円 66,000円

300km以上500km未満

163,000円 81,500円

500km以上1,000km未満

216,000円 108,000円

1,000km以上1,500km未満

227,000円 113,500円

1,500km以上2,000km未満

243,000円 121,500円

2,000km以上

282,000円 141,000円

3.着後手当
着後手当も、距離に応じて金額が決められます。また、単身か家族随伴なのかで金額が変わります。

距離 家族随伴の場合 単身の場合

100km未満

76,000円 38,000円

100km以上

95,000円 47,500円

移転費の手続き方法

移転費の申請に必要な書類申請に必要な書類は以下の2つです。

・移転費支給申請書
・雇用保険受給資格者証

移転費支給申請書を準備する時に注意することが2つあります。

まず1点目は、親族が随伴する場合に、その親族の方が受給資格者の収入によって生計を維持している同居である親族であることを証明する書類が必要になります。

2点目に、ハローワークや人材紹介会社によって紹介をうけたことを証明する「職業紹介証明書(移転費)」の添付が必要になります。

移転費の申請手順は、以下の通りです。

<ステップ1>
移転の翌日から1か月以内に移転先のハローワークに「移転費支給申請書」と「雇用保険受給資格者証」を提出します。
提出すると、ハローワークから「移転支給決定書」と「移転証明書」が交付されます。

<ステップ2>
次に、新たに就職する事業主に「移転費支給決定書」と「移転証明書」を提出します。
その後、就職先の事業主が各書類の必要事項を記入しハローワークに返送します。

この手順で手続きが完了になります。

広域求職活動費・移転費のよくある疑問

広域求職活動費・移転費のよくある疑問
Q.広域求職活動費と移転費の支給に回数制限はある?
広域求職活動費と移転費の支給には回数制限がありません。対象になる求人活動を行った時にはその都度申請するようにしましょう。

Q.広域求職活動費と移転費の申請に、領収書は必要?
広域求人活動費と移転費の申請には、基本的に領収書は必要ありません
しかし、航空賃を申請する場合のみ領収書等の支払った金額がわかる書類が必要になります。

Q.パート・アルバイトの応募でも対象になる?
パートやアルバイトの求人は残念ながら、広域求職活動費と移転費の対象にはなりません

パートやアルバイトは短期労働での求人になります。もし1年以上働くつもりであっても、契約上は短期労働になるので今回の制度では対象外になります。

Q.新卒の就職活動も対象になる?
新卒の就職活動では、広域求職活動費と移転費の対象にはなりません
広域求人活動費や移転費の制度を利用するには「雇用保険受給資格者証」が必要になります。新卒の就職活動中には雇用保険に加入していない状態なので、新卒での就職活動は対象外です。

しかし、学生時代にアルバイトで雇用保険に加入していて、失業保険の受給資格者であれば対象になります。

遠距離転職活動で気を付けるポイント

遠距離転職活動で気を付けるポイント遠距離での転職活動をする時には気をつけるべきポイントがあります。

1つ目が「スケジュール調整」です。
普段使わない経路を使うので、予想よりも時間がかかることや、電車の乗り換えが上手くいかないことがあります。また、遠距離での面接は複数社を1日に集中させることもあります。

余裕をもったスケジュールで転職活動を進めましょう。

2つ目に「移動時間が多く準備が充分にできない」ということです。近い場所での面接だと復習をする時間がありますが、移動時間が多いと直前まで準備ができないこともあります。

また、移動による疲れや睡眠不足で体調が良くないといつもの実力が発揮できないので、体調管理にも気を付けましょう。

転職活動の負担を軽減できる制度を活用しよう!

「広域求職活動費」と「移転費」の制度は、遠距離の企業に転職活動をする時に活用できる便利な制度です。
雇用保険に加入していると使える制度なのでかなり優遇された制度といえます。

このような制度を上手く活用しながら、自分に合った魅力的な企業への転職活動を成功させましょう。

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