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2013年09月11日

「対応しよう」と思うから「対応できなくなる」?! | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

profile-1こんにちは、身体技法研究家の甲野陽紀です。「後手(ごて)に回る」というと、一般的には「受け身になってしまい物事を良い方向に進められない」という意味で使われることが多いのですが、介護の現場ではむしろ「後手をとりながら(相手の方の意向を尊重しながら)逆に関係を良い方向に進めていく」という“ワザ”こそ求められるものでしょう。今回は「なぜ後手に回ってしまうのか」を、体感的にとらえてみたいと思います。
<協力 身体技法研究家 甲野陽紀氏/文・構成 佐藤大成>




陽 前回と替わって、今度は立場を変えて稽古してみましょうか。

タ ぼくが肩タッチにいく側で、陽紀先生がそれを防ぐ側ということですね。

陽 はい。決めごとはそれだけですから、あとは思うままに動いていいですよ。手加減なしで(笑)

タ 了解です(笑)



甲野陽紀さんの日々是介護術26_1



甲野陽紀さんの日々是介護術26_2



(前回と立場を入れ替え、“攻め担当”のタネエディターの手は外側から、“守り担当”の陽紀先生の手は内側から相手の手に合わせて<写真a>稽古開始。まず右手から攻めの第一手を繰り出すタネエディターですが、その動きに合わせるようにするすると動く陽紀先生の左手に邪魔されて思うように動けず<写真b>→ならば左手で!と繰り出す動きも封じられ<写真c>→ついには両手とも思うにまかせず<写真d>…)

タ うーむ……

陽 どうでしたか? 立場を変えてみた感触は。

タ これが武術の稽古なら、“参りました!“ということなんでしょうね。悔しいというか、自分が情けないです(笑)。それぐらい、どうにもこうにもならなかったですねえ。こちらが防ぐ側のときは簡単に突破されたんですけど。どこにそんな違いがあるんでしょうか?

陽 前回の稽古の後、「自分を変えているヒマがない」とタネエディターがいっていたことを覚えていますか?

タ はい、それが実感でした。

陽 そうですよね。ある意味、それはわたしも同じなんです。“攻め手”の一手一手にこうしよう、ああしようと考えていたら、まず相手の動きにはついていけない。だとしたら、違うやり方で対応しなくてはいけない、ということになりますよね?

タ たしかに、理屈的にはそうなのかもしれませんが------でも、こちらは受け身なわけで、ということは、相手の一手一手に対応していこうとするのは当然というより、それしか方法はないようにも思うんですが……

陽 では、前回の稽古のときのことを思い出してみてください。こちらが一手を繰り出したときに、タネエディターとしてはどんな感じで対応していたかなあ?ということなんですが。

タ そうですね。まず気持ちとしては、陽紀先生の手がどう動いてくるかなあと考えていて、動いてきたらそれに対応しよう、と。

陽 動いてきたら、と考えていたということは、タネエディターはこちらの手に注目していたということですよね。

タ そういうことになりますね。陽紀先生の両手を視野に入れて、どちらが動いてきてもいいようにと考えていたと思います。

陽 それは、要するに、「目でとらえてから動く」ということですよね。相手の動きを目でとらえてから動く------

タ だと思います。大事なことは、いかに早く動きを察知するか、ということですから、手だけではなくて、陽紀先生の身体の動きにも目配りはしていたつもりです。

陽 そこなんですよね、問題は。

タ 「そこ」というと……? 目でとらえようとすることが問題、なんですか?

陽 はい。まさに、そこにカギがあるんです(笑)。目でとらえようとするから「後手に回ってしまう」んですよ。

タ ホントですか?!……だとしたら、いやいや、そこはまさに盲点ですね(笑)

陽 次回はその「カギ」を開けてみることにしましょう!




◆ Profile ◆
甲野陽紀(こうの•はるのり)
プロフィール
身体技法研究家。東京•多摩市生まれ。高校卒業後、「古武術介護」の提案者としても知られる武術研究家の父、甲野善紀氏の補佐役として各地の講習会などに同行する中で、ささいな動きの違いから感覚がさまざまに変わっていくカラダの不思議さ、奥深さを改めて実感し、特定の方法やジャンルによらない独自の視点からの身体技法の研究を始める。見る、触れる、曲げる、といった、わたしたちが日々、何気なく行っている動作からカラダを見つめ直すことで新しい感覚が生まれていく“発見の体験”は、多くの方の共感を呼び、全国各地の講習会、講演会などで活躍中。スポーツや武術、音楽、医療、介護、運動嫌いの方のための身体講座まで、講座のテーマは幅広く開かれており、ファン層も多彩。都内では、朝日カルチャーセンター新宿•湘南、よみうりカルチャー自由が丘などで定期的に講習会を開催している。日々のくわしい活動はオフィシャルウエブサイトへ。
http://hkhp.p2.bindsite.jp/index.html

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