介護保険関連3兆2345億円
厚生労働省が9月30日に示した2021年度予算概算要求は一般会計32兆9895億円(昨年度34億円増)で、ほぼ前年度並み。ただし、新型コロナ対応の経費は別途要求を予定している。介護保険サービス全体では3兆2345億円(同額)、そのうち「介護サービス提供に必要な費用」は2兆9547億円(同額)、「地域支援事業分」1972億円(同額)などが占める。
新型コロナ対応費用額は「緊急要求」として今後の予算編成の過程で決定されるが、項目は既に提示。介護関連では「感染防止に配慮した医療・福祉サービス提供として」▽緊急包括支援交付金による体制整備▽マスク購入等の感染防止対策▽ICT・ロボット等導入支援▽資金繰り支援――などが挙げられている。(16面に関連記事)
災害対応・電子化推進も
「自立支援・重度化防止に向けた取組」412億円(3億円増)では▽保険者インセンティブ強化(介護・保険者機能強化推進交付金等)▽科学的介護推進のためのデータベースの機能拡充――等を要求。「介護の受け皿整備、介護人材の確保」1101億円(5億円増)では▽介護施設等の防災・減災対策の推進▽介護事業所における業務改善コンサルタントの育成、関係書類の電子化・システム化――など、災害対応強化やデジタル化の推進に関する予算要求もある。
認知症関連では「認知症施策推進大綱に基づく施策の推進」128億円(3億円増)として▽認知症患者や家族に対する日常的・継続的な伴走型の支援拠点の整備▽認知症疾患医療センターの整備促進・診断後等の支援の強化――なども求めた。
デジタルデータ活用も強化
「新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プラン」1039億円(31億円増)+緊急要求には、医療データの活用に関する項目が多いが「NDB(レセプト・特定健診等データベース)や介護保険総合データベース等の健康・医療・介護情報を連結して分析可能な環境の整備」として、介護保険制度と関連する事項が挙げられている。
<シルバー産業新聞 11月10日号>
おすすめ情報