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2021年08月13日

介護人材、2025年までにあと32万人必要

介護人材、2025年までにあと32万人必要

厚生労働省は7月9日、全国の保険者が策定した第8期介護保険事業計画(21年度〜23年度)の介護サービス見込み量などに基づき、将来的に必要となる介護職員数を推計。現状(19年度)よりも、23年度は+22万人、25年度は+32万人、40年度は+69万人必要になると試算した。

介護職員の必要数は、介護サービス事業所や施設に従事する職員の必要数に、介護予防・日常生活支援総合事業のA型(従前サービス相当)に従事する職員の数を加えたもの。試算の結果、将来的に必要となる介護職員の数は、23年度が233万人、25年度が243万人、40年度が280万人となっている。

これらの数字を、2019年度時点の介護職員数211万人と比較すると、23年度は+22万、25年度は+32万、40年度は+69万人確保しなければならない計算になる。年間で直すと、23年度までに毎年5万5000人増ペース、25年度までだと毎年5万3000人増ペース、40年までだと毎年3万3000人増ペースで人材を養成する必要がある。

これに対し、厚労省では▽(特定)処遇改善加算などによる賃金改善▽福祉系の学校に対する就学資金の貸付▽若者やシニアに対する介護職の魅力の発信▽外国人介護人材の受け入れ環境の整備――など様々な対策を講じてきたが、第7期中(17年度〜19年度)の人材確保ペースは年間3万7000人増にとどまっている。

また、地域によっても状況が変わってくる。厚労省が発表した2025年時点の都道府県別の「介護職員の必要数」と、現状で推移した場合の「介護職員の見込み数」とを比べ、介護職員が不足する割合を見てみると、最も介護職員不足が深刻な都道府県は栃木県。必要数3万3367人に対し、現状推移で確保できる見込みは2万8597人にとどまり、不足率は▲14.3%となっている。次いで山形県▲13.9%(必要数2万3532人/見込み2万262人)と東京都▲13.9%(必要数22万30人)などの順になっている。

一方、不足率が最下位の石川県を見ると、25年時点の介護人材の必要数は2万2451人なのに対し、確保できる見込みは022人/見込み19万2073人)が同率で続き、滋賀県▲13.5%(必要数2万3908人/見込み2万690人)、大阪府▲11.7%(必要数20万9510人/見込み18万5092万2443人と、需給ギャップはわずか8人しか生じない試算となっている。

介護職員数の推計(2025年度 不足度合いの高い順)
■介護職員数の推計(2025年度 不足度合いの高い順)

介護人材不足の問題は大都市や地方に関係なく深刻さを増していくため、処遇改善などを中心に全国的に施策を進めていくべき部分と、需給ギャップの度合いに応じて保険者や都道府県が責任をもって進めていくべき部分の2段階の対策が必要なことが見て取れる。

<シルバー産業新聞 2021年8月10日号>

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