かかりつけ機能と健康サポート機能を有する「健康サポート薬局」は2024年3月現在、3195カ所で全体の5.1%に留まっている。厚生労働省が5月17日に第5回「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で報告した。
同省は15年に「患者のための薬局ビジョン」を策定。薬剤師・薬局の対物業務から対人業務へのシフト、医療機関等との連携の重要性を掲げた。19年の薬機法改正ではこの部分が明文化。薬局・薬剤師の業務に「調剤のほか、服薬指導や継続的な服薬状況の把握」を規定した。
健康サポート薬局は「かかりつけ機能」として服薬情報の一元管理や24時間対応、また「健康サポート機能」として地域連携や薬剤師の資質や薬局の設備、要指導医薬品等の取扱いなど、一定の基準を満たすもの。対人業務に取組む薬局の理想形の一つとして2016年より届出を開始した。
しかし件数は伸びず、22年3月頃から徐々に鈍化。21年の認知度調査では、健康サポート薬局を「よく知っていた」「言葉だけは知っていた」があわせてわずか8%となった。
同検討会は薬局・薬剤師に求められる機能・役割について▽調剤・服薬指導▽在宅対応▽医療用麻薬調剤▽夜間・休日対応(外来)▽無菌製剤処理▽高度薬学管理機能▽健康サポート機能▽災害・新興感染症等有事の対応――を軸に議論・整理を行う。
この日のテーマは在宅対応と健康サポート機能。それぞれ①個々の薬局の基本的な機能②地域全体で確保する機能――に分け、たたき案を示した。
例えば、健康サポート機能については、個々の薬局機能に▽医薬品の適正使用にかかる要指導医薬品、一般用医薬品、健康食品に関する相談対応▽利用者の求める要指導医薬品、一般用医薬品等の販売――を位置づけ。地域全体の機能には、かかりつけ医と連携した医薬品等の相談対応や受診勧奨、ニーズが高くない医薬品等の取扱い等を行う、地域の拠点となる薬局が必要だとした。
登録が伸び悩む健康サポート薬局についても、同検討会でその役割や位置づけを整理・明確化していく考え。委員からは「どの薬局にどんな機能があるか、何をしているかを患者、地域に向け積極的に公表していくことが大切」(山口育子・認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)や、また「求める機能が多すぎる。訪問診療や訪問看護等のように、在宅に特化した薬局があってもいいのではないか」(三澤日出巳・慶應義塾大学薬学部教授)など、機能分化・地域連携により補完する意見もあがった。
<シルバー産業新聞 2024年6月10日号>
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