ビジョナリーで勤務する職員は約190人で、そのうち5人が実業団のトップ選手、約25人が実業団入りを目指すマッチョな職員で、同社の各施設に勤務している。
実業団に所属する職員は8時間の勤務時間に2時間の筋トレが含まれている。このほか、▽24時間ジムが無料でいつでも使用可能▽2万円のプロテインやサプリメント代の支給▽大会に係る経費の補助▽大会当日も給与を支給――などの福利厚生を完備している。
2023年に入社した薄井拓也さん(23歳)は、パーソナルトレーナーとして独立を目指し、出場したボディビルの大会で優勝したところを、丹羽社長にスカウトされた。
薄井さんは「当時は障がいのことも介護のことも知らなかったが、どんな世界なのかワクワクした。そして何より会社にフィットネス実業団があるので、働きながら自分の好きなことに取組める環境だと思った」と入社の理由を説明する。
薄井さんは愛知県一宮市の生活介護「atto」と、放課後や休日に障がいのある子供の特性に応じた支援をする放課後デイサービスで勤務。入浴やトイレ介助などの介護支援のほか、レクリエーションも行う。
車いすやベッドから利用者を楽々と抱える薄井さんは「普段のトレーニングで力の入れ方や重心の取り方はわかっている。腰痛にならないよう、腰を曲げないことを意識しながら介助している」と説明する。普段のトレーニングで100kgのおもりを持ち上げることもあるという。利用者からは「力強くて安心感がある」と大好評だ。
薄井拓也さん
丹羽社長は「障がい者支援では専門技術はもちろん、高いコミュニケーション能力が求められる。職員と友人のような関係を築くことで社会参加につながるケースもある。多様な世代とバックグラウンドを持つ職員が活躍できる環境を整え、より多くの障がい者に寄り添い、生活を支えていきたい」と語る。
実業団のトップアスリートでもある薄井さんは海が一番似合うかっこいい身体を競う競技「フィジーク」での優勝を目指し、勤務後は日々トレーニングに励んでいる。
フィジークは筋肉量や筋肉のつき方が非常に重要で、少し筋肉が落ちただけでも成績に影響するストイックな競技のため、同社では1日に数回、食事やプロテイン休憩を認めている。
薄井さんは「介護はとても身体を使う仕事なので、考えて食事をしないとどんどん筋肉が落ちてしまう。日ごろから体調・筋肉管理は欠かせない」と意気込む。
筋肉にストイックな薄井さんを間近で見ていることもあり、利用者にも筋トレの輪が広がっている。足が動かず全介助だった利用者も、薄井さんにサポートされながら毎日スクワットをしたところ、少しずつ自分で立てるまでに改善した。
広報の佐藤美波さんは「選手たちは身体や筋肉の専門家。利用者の身体に負担をかけずに効果的なトレーニングの方法を考えて一緒に取組んでくれる」と話す。
「atto」に通う小島義樹さんは、薄井さんから声をかけられて筋トレをスタート。3kgのおもりを片手で持ち、上げ下げ20回×3セットをこなす。少しずつ高く挙げられるようになり、今では頭の上まで持ち上げている(写真)。
トレーニングの成果を笑顔で披露する小島義樹さん
薄井さんは「僕が大会で優勝することで、介護の仕事をより多くの人に知ってもらうきっかけにもなる。大会前はご利用者もたくさん応援してくれてとても励みになる。筋トレも介護もしっかり両立していきたい」と語った。
左から丹羽社長、薄井さん、村上さん、佐藤さん
<シルバー産業新聞 2024年11月10日号>
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