毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「仕事の“空白期間”がある人は不採用になりやすい?」という話題について紹介します。
働いていない空白期間があると、「採用されにくい」と聞くけれど…
転職をする際、業界を問わず、採用する側が非常に気にするのが「仕事の空白期間(=働いていない期間)」。たとえば、学校を卒業後に「新卒」で企業に就職しないと「既卒」という扱いになり、急激に就職が難しくなる。いわゆる“新卒至上主義”だ。
働いていない期間をマイナスイメージで捉える傾向は、介護業界でも変わらないのだろうか? 東京都S区の事業所で働き、採用面接も行っているAさんはこう語る。
「確かに面接を受けに来て、そのことを気にする人はいらっしゃいますね。履歴書を見ると、20代の頃の職歴がごっそり抜け落ちていたり、職歴が飛び飛びになっていたり、中にはまったく職歴がなかったりという人も見たことがあります」
「当然、それらの理由は聞かざるを得ません」と語るAさん。しかしそれだけで採用が見送られてしまうことはないという。Aさんは続けてこう語る。
嘘はダメ、話を盛るのもダメ。面接は誠実な対応で
「例えば『20代の頃の職歴がゼロ』という人は、一流大学を卒業したものの就職活動で失敗し、そのままフリーターをしていたという男性でした。本人は就職活動に失敗したことが大きな挫折だったようですが、受け答えはきちんとしている上に物腰も穏やか。採用してみると、さすが一流大を出ただけあってペーパー試験は抜群に強く、あっという間に必要な資格を取りました。
また空白期間があったことを尋ねると、『自宅で家族の介護をしていた』という人もいました。そんな人は、資格はなくてもベテランのようなもの。即戦力としてもちろん採用しました」
これらの例はある意味“恵まれた例”だが、Aさんの話を要約すると「なぜ空白期間ができたのか?」「空白期間に何をしていたのか?」をきちんと説明できれば、まったくマイナスポイントにはならないようだ。
一方で「絶対NG」もあるという。Aさんが語る。「空白期間を埋めようとして話を盛る人は絶対にダメです。『○○で働いていました』と言ったのに、細かい話を聞くときちんと答えられなかったり、『○○月まで××で働いていました』と言ったのに、雇用保険を見るとそれより全然前に辞めていたり……。経歴詐称って罪の意識がないんでしょうね。そういう人は100%お断りします」
つまるところ空白期間云々の問題は、「やる気があることを示す」「質問には誠実に回答する」という2点で突破することができそうだ。
さまざまな事情で空白期間ができてしまった人が、“出来心”で経歴を盛る気持ちは理解できなくもないが、やはり誠実こそが就職への近道になるようだ。
公開日:2016/5/23
最終更新日:2019/5/30
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