毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「面接官が不採用にした応募者」という話題について紹介します。
「本当にウチで介護の仕事をしたいの?」
言うまでもない話しだが、就職や転職で面接を受ける人は、その会社に入りたいから面接を受けるはず。
しかし、都内の介護事業所でシニアマネージャーという役職につき、採用を全般的に担当しているハセガワさんによれば、「本当にウチに就職したいの?」というような人も少なくないという。
ハセガワさんがいう。
「ウチの事業所は、オーナーの意向で採用に関する条件が厳しい分、待遇はかなりの好条件を提示しています。
それゆえひっきりなしに応募があり、基本的には応募者全員と面接をしていますが、中には“モンスター”もいます。
この間、面接にやって来た20代前半の女性は、良く言えば正直な人でしたね。
『弊社を志望した理由は?』という質問には『給料が良いから』と答え、その後も『お金が必要なので、いくらでも働きます』と、お金が必要なことを盛んにアピールしてきました。
『お年寄りが……』とか『人のために……』という“模範解答”の類の言葉が一切出てこなかったことをどう評価するか悩みましたが、待遇を重視するということは、より好待遇の所があればすぐに移ってしまうということ。
定着が見込めないだろうということで、採用は見送りました」
働く者の多くにとっては給料が一番の労働のモチベーションだが、それを面接で露骨にアピールするのは、やはり得策ではないようだ。
しかし中には、「本気で受かる気があるの?」という人もいるという。
採用担当は、ほかにどんな応募者を不採用にした?
「面接の日に、最寄り駅から電話をかけて『ここからどうやって行くんですか?』と聞いてきた人がいました。確かにウチの事業所は、少し分かりにくい場所にあるのですが、そのぐらい調べてきてもらわないと困ります。
これから先、いろいろなお宅にお邪魔するのに、いちいちその家に電話をされたらたまったものじゃないですから。
そんな電話をかけた上に、指定の時間にも遅刻したので、不採用にしました。
今年の春に面接した30代の女性は、面接のスケジュールを確認するために電話したところ、『いまちょっと忙しいので、後でまたかけなおしてもらえますか』と言われてしまいました。
これから面接を受けようという会社への応対として、あまり適切ではないですよね。それだけが理由ではありませんでしたが、こちらも不採用になりました」
これらはいずれも不採用になったパターンだが、2年ほど前には、合格となった男性に連絡したところ、何度電話をしても繋がらなかった挙句、『おかけになった電話番号は、現在使われておりません』という状態になってしまったこともあったのだそう。
ハセガワさんの事業所では、それでも「応募者全員と面接」というルールを崩していないそうだが、一部からは「時間のムダ」という声もあがっているという。
面接に挑む際には、事前に面接のマナーや事業者の下調べをしておくことが必須といえそうだ。
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