毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は「認知症介護で起きた、ウソのような本当の話」を紹介します。
自宅での家族介護の中でも、特に「大変だ」という声が多いのが、認知症になった親の介護。厚生労働省の調査によれば、全国の認知症有病率は65~69歳で1.5%、85歳では27%、患者数は2010年度時点で推計200万人程度、一部専門家は242万人に達しており、2020年には325万人まで増加すると予測している。物忘れ、放浪や徘徊、家族への暴言などが伴う認知症患者の介護に悩まされ、心身ともに疲れ果てたという家族は多いが、時には“奇跡”のような例も報告されている。
B子さんは、都合10年以上も父親の介護を行ってきた。無我夢中で365日、24時間を父親の介護に費やしたB子さんだったが、ついには子どもの名前を忘れてしまったという。しかし年齢も100に近づき、「いよいよ……」という時が近づいたお父さんが突然、こうつぶやいた。「B子…」
その後、大した時間も置かずにお父さんはこの世を去ったが、「やっぱり忘れていなかったんだ」と、感激の涙を流したというB子さん。実際、長い期間を経て、記憶が突如戻ったという事例は、たびたび報告されている。
一方、C子さんは、認知症を発症した夫の面倒を5年以上にわたって見てきた。日々進行する病気を抱えた夫とは、かつてのような仲睦まじい会話が成立するはずもなく、ある意味で他人のような夫との生活を続けていた。そんなある日、突然“元の夫”が戻ってきた。C子さんの名前を呼び、自分の体調が悪いことをしきりに訴え始めたのだ。
すぐに夫は元の認知症の状態に戻ったものの、その事件により「夫の意識が戻れば、夫は病の苦しみを知ることになる」という事実に気づかされたC子さん。今でも「昔のように夫と話したい」という欲求はあるものの、「(記憶や意識が戻り)夫が苦しむぐらいなら……」という複雑な心境だそうだ。
【関連リンク】
「認知症-厚生労働省」
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