介護業界で転職を考えている人にとって、事業者が求める人材の傾向や採用の際に重視するポイントは、ぜひ知っておきたいこと。そこで今回は、東京を中心に埼玉、千葉で幅広く事業を展開し、地域の医療と福祉のネットワークを支える社会福祉法人 すこやか福祉会の本部事務局次長・中村寛史さんにお話を伺いました。
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各事業所で学習会を実施しています。介護スキルの実技を学んだり、感染や認知症について学ぶ座学などを行い、介護の質の向上につなげています。
○●○ インフォメーション ○●○
社会福祉法人 すこやか福祉会
特別養護老人ホーム/デイサービスセンター/グループホーム/訪問介護事業所/居宅介護支援事業所/地域包括支援センター/小規模多機能サービス/高齢者住宅/認知症デイサービス/訪問入浴
東京都葛飾区新宿3−4−10
TEL:03-5813-9251(本部事務局)
社会福祉法人 すこやか福祉会 公式サイト
研修を通じてレベルを磨き、他職種との交流も
社会福祉法人 すこやか福祉会では、人材育成のための教育研修プログラムにも力を入れているそうです。本部事務局次長・中村寛史さんに詳しく伺いました。
「入職時には、各業種の事業所でそれぞれ2週間ほどきっちり研修を行います。たとえば訪問介護であれば、先輩職員による同行研修をしっかり行います。その後のサービスの質を保つことにも重点を置いていて、スキルチェック表を作成しているほか、各事業所での学習会も実施。また、各事業所には介護プロフェッショナルのキャリア段位認定を行えるアセッサー(評価者)を一人ずつ配置しています。キャリアレベルの評価者がいることで、自分の現在の実践スキルのレベルを知ることができますし、さらにスキルアップの意識が浸透していく効果があると考えています」
レベルアップの自覚を促すために、全介護職員を対象に、年1回のステップアップ研修も実施しているとか。研修の中で業務の記録を評価し、毎年段階を踏みながらステップアップしていく形になっているそうです。
「全介護職員が対象なので、ステップアップ研修を機に他の事業部で働いている人たちと意見交換もできますし、他の介護サービスに興味を持ったり、視野を広げるきっかけにもなると思います」
年1回の「介護活動交流集会」は、グループ内の介護事業全体で行う事例発表会。特別養護老人ホームや訪問介護など、各事業部の代表が事例を発表し、検討することで、サービスの質の向上につなげているといいます。
「事例検討会は2~3ヵ月に1回、各事業部ごとにも行っています。自分が勉強したいと思えば、ほかの事業部の検討会に参加することも可能。たとえば、グループホームの事例検討会に訪問介護の職員が参加したり。積極的にスキルアップに役立てることもできます」
若いスタッフの仲間づくりもバックアップ
すこやか福祉会では、職員の働きやすさをバックアップする仕組みづくりにも積極的に取り組んでいます。そのひとつが「U-35」という委員会とのことですが、いったいどんな委員会なのでしょうか?
「U-35は、35歳以下ということ。介護事業だけでなく、看護やソーシャルワーカーも含め、若手職員が中心になっている委員会です。もともと、他の職種との交流の場を提供するのが、委員会の目的。施設によっては若いスタッフが一人という所もありますので、そうした職員の仲間づくりをバックアップしようと考えたのです。委員会にはサークル的な雰囲気もあり、そこでいろいろな学習会を企画・実施したり、季節に合わせてイベントを開催したりしています」
職場内の人間関係を円滑にする仕組みにはどんなものがありますか?
「上司と部下の風通しを良くするために、年2回の職員面接を行っています。そこで目標設定について話し合ったり、他の職種への異動の希望を受け付けたり、あとは日頃の仕事の悩みなどを話してもらう役割もありますね」
福利厚生が充実しているのも、すこやか福祉会の特徴だと中村さんは言います。
「共済会制度があり、グループ関連の病院にかかった場合の負担金が、本人は全額、家族は8割の補助が受けられるほか、入院中や産前産後休暇中の手厚い給付も。安心して働けると好評です。また、共済会主催で参加費無料の日帰り旅行や食事会などもあり、家族連れで参加する人も多いですね。そうしたイベントを通じてチームワークがどんどん良くなってきていると感じます」
次回は本題の「採用」について、中村さんにお聞きします。
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