介護老人保健施設(老健)とは、一般的にはリハビリや医療ケアなどを受けながら、在宅復帰をめざす施設のこと。医師や看護師が常駐していることもあり、病院みたいなものというイメージがある方もいるかもしれません。
そこで今回は、老健という施設の特徴にやりがいを感じ転職したけど、なにか違うと感じている先輩の失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
自宅に戻る支援がしたいのに、在宅復帰率が低くてむなしい…
31歳/女性/尚子
以前勤めていた介護付き有料老人ホームはリハビリに力を入れており、時々、要介護度が改善して介護施設から自宅に戻られる利用者様がいました。自宅に戻る利用者様の明るい笑顔は、私にとっても何よりの喜びでした。それがきっかけで在宅復帰を積極的にサポートする介護老人保健施設(老健)の仕事に憧れ、転職。
しかし実際に働いてみると、在宅復帰率がかなり低いんです。これでは私がやりたい支援が実現できません。せっかく老健に転職したのに、がっかりです。
《アドバイス》
一般的な老健の目的は、リハビリなどの機能訓練を経て、自宅での生活に戻るための支援をすること。しかし実際には、在宅復帰率が半数以下という老健も多く、特別養護老人ホーム(特養)の入居待ちで入所される方もいます。必ずしも在宅復帰だけが利用者のニーズではありません。
老健にも種類があり、今は在宅復帰を前提としない「新型老健」が増えています。「新型老健」とは、「介護療養型老人保健施設」のことで、医療ケアに重点を置いた施設。原則3ヵ月で退所というルールはありません。従来の老健であれば入所ができないような医療措置が必要な人や、ターミナルケアが必要な人も受け入れている施設です。
また一方で、平成24年の介護報酬改定で創設された「在宅強化型老健」というものもあります。こちらは名前からもわかるように、在宅復帰を支援する機能が高い施設。在宅復帰率50%超、ベッド回転率10%以上などの要件を満たすことが求められます。
このように老健に求められる介護や環境は変化しています。まずはこうした実態を理解したうえで、現在の職場についてもう一度考えてみましょう。
あなたが転職した老健は、あなたが転職の際に思い描いていたものとは違うようですね。新型老健なのか、在宅強化型なのか、まずは周囲に確認してみてはいかがでしょうか?
ただ、在宅復帰率が思ったよりも低いとはいえ、その中でも学べることは多いはずです。幅広い介護のスキルを身につけるためにも、今回の転職は、決して無駄な経験にはならないと思います。
しかし、今の職場ではどうしてもやりたい介護ができない、在宅復帰を応援する仕事にもっと集中したいという思いが強いのであれば、前述の「在宅強化型老健」などへの転職を検討してみるのも選択肢の一つでしょう。
あるいはこの機会に、作業療法士や理学療法士といったリハビリ職の資格取得にチャレンジしてみてはいかがですか。利用者が自宅に安心して戻れるように、直接サポートできる仕事です。
あなたがめざす仕事内容と、自分のキャリアをじっくり考えてみるのもいいでしょう。
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