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2017年02月15日

介護職員を教育する立場から、個別ケアを伝えたい…転職理由Rさん4

介護福祉士として働きながらケアマネジャーの資格を取得し、管理者としても認められてきたRさん。
しかし、介護職員を管理しているだけでは現場は変わらないと痛感。
順調に築いてきたキャリアを捨てて、ユニットリーダーとして働き、今に至ります。
その真意はどこにあるのだろう……。
介護という仕事にまっすぐに向かっていくために、やらなければならないこと。
Rさんは今それをしっかりと見つめ、次のステージに向かっています。

*R・Tさんの「私が転職した理由」…1回目2回目3回目、4回目(最終回)はこちら



R・Tさん(41歳)のプロフィール・転職経験

image001
●介護業界歴…21年

●介護の仕事に就く前…介護福祉士養成校

●介護業界での転職回数…4回

●いままでの勤務先…特別養護老人ホーム、居宅介護支援事業所、認知症型グループホーム、介護付き有料老人ホーム

●保有資格…介護福祉士、介護支援専門員


自分のやりたいケアを行うために…

image003特養の面接で、履歴書を見た面接担当の方は驚いていました。
「ケアマネジャーの資格も持っているし、管理者としての経験も何年もあるのに、なぜユニットリーダーになるの?
ユニットリーダーだと管理職の手当てもつかないし、給料も下がりますよ」と。
でも、自分のやりたいケアを全うするためには、現場の介護職を管理する立場の管理者であってはならない。
ましてケアマネジャーは立場が違いすぎるのだと言いました。
面接担当の方は、「なるほど」と笑いながら、採用してくれました。

実際、給料が下がるのは痛手です。
キャリアを自ら下げるのもつらい。
でも、管理者であってもケアマネジャーであっても、老人ホームにいる限り、人手が足りなければ現場にも出るのです。
ならば、「介護職のいく先はケアマネジャーか管理者」というのを常識にせず、介護職は介護職として上り詰めていけるキャリアシステムがあればいいのに、と思います。
たとえば、ケアマネジャーのその先に主任ケアマネジャーがあるように、介護福祉士の先に主任介護福祉士のような資格があるといいですよね。

ユニットリーダーになったのは、現場を整えたかったから。
利用者さんにしっかりと向き合い、それぞれの利用者さんに合ったケアを徹底していくためには、現場のチーム全体を引き上げ、指導をする必要があるからです。
ただ、私に教える技術がなければ、現場は私の話を聞いてくれません。


介護教員の資格を取得した

image005そこで、介護福祉士の養成校で介護教育の講義を受け、介護教員の資格を取りました。
介護について教えるというのはどういうことなのかを、しっかりと学びました。
全国の養成校の先生ともつながりができ、とても有意義でした。

しかし、学ぶほどに、養成校で教わった指導方法が、現場教育とはずれていることにも悩みました。
今、目の前にやらなければならないことが山積していると、介護本来のあるべき姿を貫くことができない。
学びも、根拠が抜け落ちると、養成校で教わった介護の「芯」の部分が伝わらないのです。
そこをつなげて現場を活性化するためには、どうしたらいいのか。
とても悩んでいるところです。

今、介護職が足りていないから、介護職になるためのハードルが低いと思います。
それは、新たにこの分野で仕事をしたいという人にとってはいいことかもしれませんが、同時に介護職のレベルアップが難しいということにもつながります。
だれでもなれるのはいいけれど、その後のフォローが問題です。
教える人の数も少なければ、積極的に教わる人も少ない。
きちんとした教育ができない現実があります。

実は、私の職場のユニットには、介護職としてまだまだ知識が浅い人が入ってくるシステムになっています。
そして、私のもとで半年程勤務し、軌道に乗れたらほかのユニットに移っていく。
しかし、自分のチームがなかなか組めないもどかしさがあります。
管理者だと現場の教育ができないからとユニットリーダーになりましたが、落ち着いて現場教育に専念できずにいる現実をどうしようかと悩んでいます。

上司には、「教育に専念させてもらえないか」と頼んでいますが、現状では、現場で働かない人間をそうそう増やすわけにはいきません。
近々もうひとつ、特養を創設するようなので、両方の職員の教育担当としてなら、教育専門職として働くことができるかもしれないと言われています。
そうなればいいな、と思っています。

今、一番必要だと思っているのは、面接に合格し、入職した職員が、現場に入るまでの教育。
一度現場に入ってしまうと、その現場の流儀で仕事が進みがちです。
その前に、個別ケアや、尊厳をもって接することなどをしっかり学んでおく必要があると痛感しています。
自分の力でどこまでやれるのか、わかりません。
けれど、せっかくこの業界に入ってきた人たちに挫折を味わわせないように。
一本芯の通った介護職になれるように。
私が尽力できることはどんなことなのかと、日々考えています。

<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>



*R・Tさんの「私が転職した理由」…1回目2回目3回目、4回目(最終回)はこちら



●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
→ 「こんなはずじゃなかった…」 転職先選び 私の失敗談


●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●

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