介護業界で転職を考えている人にとって、採用側が求める人材がどういった傾向なのかということは、ぜひ知っておきたいこと。今回は、デイサービスから介護サービスのフランチャイズまで、幅広い事業を展開している「いきいきらいふ」の代表取締役・左敬真さんと、管理本部長の中尾公則さんにお話を伺いました。
<取材・文 横田 泉>
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介護甲子園のポスターを前に立つ左社長(右)と中尾管理本部長(左)
○●○ インフォメーション ○●○
株式会社 いきいきらいふ
ケアマネジメント・居宅介護事業/訪問介護サービス/デイサービス/福祉用具サービス/いきいきらいふSPAフランチャイズ事業/人材育成・開発事業/介護コンサルティング事業
東京都台東区北上野2-6-14 3F
TEL:03-5827-7788
FAX:03-5827-7789
http://www.ikiikilife.co.jp/
中途採用の面接は「慎重に」
いきいきらいふでは、中途採用の面接は特に慎重に行っているといいます。その理由について、左社長は次のように話します。
「中途入社の方は、現場では新卒社員を育てる立場になります。その方が会社の理念をしっかり理解していないと、新卒社員にも影響が出てきます。中途の方はそういった責任があることも見えていないといけない。そのため、中途採用の方は価値観を重視しながら慎重に検討するようにしています」(左社長)
また、いきいきらいふでは中途で幹部候補を採用することもあると言います。実は、現在いきいきらいふで部長を務めている4名は、全員が入社2年目以下の中途採用の社員。「優秀な幹部が入ると組織はガラッと変わる」と話す左社長ですが、その言葉はまさに実感を伴ったもののようです。幹部の役割については次のようにも話します。
「新卒社員を迎え入れるためには、会社の基盤がしっかりしていなければいけない。幹部が社員に向けて仕事への思いや、ワクワクする気持ち、理念を伝えていく必要があるんです。幹部の能力としてこのあたりは重要ですよね」(左社長)
いきいきらいふにとって中途採用は、会社の基盤をよりしっかりさせるためにも重要になってくるようです。
介護職員たちが「輝ける場所」をつくる理由
第1回から今回まで、いきいきらいふの採用活動について聞いてきました。左社長によると、こうした活動の背景には秘められた思いがあるのだそうです。
「当社が理想的な運営をしているという話ではなくて、ただ、こうして足もとを固めながら理想に向かっている会社があるということに、他社さんにも気付いてほしいんです。なぜなら、自分が年齢を重ねた時に『良い』と思える介護を受けるためには、今から介護業界全体がもっと良くなっていかなければならない。自分たちの採用した人や面接した人、そして競合他社が、これからの介護業界をつくり、それが私たちの受ける介護へとつながるわけですから」(左社長)
そして左社長が発起人となって開催されてきた「介護甲子園」も、この思いに基づいているのだと言います。2013年11月17日に行われた第3回大会には、全国各地の803の事業所が予選に参加。決勝に残った5事業所が日比谷公会堂のステージに集結、介護に懸ける思いや取り組みを観客席にうったえました。
※レポートの様子は「
こちら」で掲載
「私が介護業界に入ってまず感じたのは、業界で働く人たちが輝いていなかったということ。離職率も高い状態にありますが、その一因は経営者同士が学び合う場が足りないこと。なので、介護甲子園が経営者同士で横のつながりをつくり、学び合う場になればと思っています。それから、介護業界で働く人がモチベーションをアップさせるには、憧れる存在をつくらなければいけない。そこで介護甲子園で壇上に上がっている人を多くの介護関係者が見て、『こんな人と働きたい』『こんな事業所を目指したい』と思ってもらいたいということがあります。さらに、業界を良くするためにはサービスを受ける側の見る目を養っていかなければならない。なので多くの人に介護甲子園を観てもらい、観客も他人ごとではなく、『自分の親もいつかは介護を受ける。その時にこんな人たちに介護してほしいな』という考えを持ってもらいたい。そして時にはサービスにクレームを出したりすることで、サービスの質を向上させていってもらいたいと思います」(左社長)
第3回大会も大盛況で、当日の会場は来場者約2000人と満員御礼状態。各事業所のプレゼンテーションでは、観客が感動して涙するシーンも。今後も介護業界を活性化する、一大イベントとなりそうです。
いきいきらいふの採用活動と介護甲子園。それぞれ形は違いますが、どちらも介護業界をより盛り上げたいという強い思いが形になっていました。
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