介護業界で転職を考えている人にとって、事業者が求める人材の傾向や採用担当者が見るポイントは、ぜひ知っておきたいこと。
そこで今回は、東京、神奈川を中心に有料老人ホームの運営をはじめとする介護事業を積極的に展開している株式会社フィルケアの総務部課長・住吉正幸さんにお話を伺いました。
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お話を聞かせてくださった総務部課長・住吉正幸さん。特別養護老人ホームで現場の経験を積み、施設長も経験。2012年にフィルケアに転職し、現在は管理部門で人事を担当。
○●○ インフォメーション ○●○
株式会社フィルケア
有料老人ホームの運営/有料老人ホームの企画、設計、施工、経営
神奈川県横浜市緑区中山町219 ル・チードビル5階
TEL:045-937-1205
フィルケア 公式サイト
介護だけでなく、豊かな“住生活”を提供するために
株式会社フィルケアは2004年に設立し、「本当の家族のように寄り添う介護」をモットーに、介護付き有料老人ホームの運営をスタートさせました。2007年には住友林業グループの一員となり、現在は東京都内に3施設、神奈川県内に5施設、静岡と兵庫に各1施設、計10施設を運営しています。
フィルケアのホームの特徴として、施設単体ではなく、まわりの地域性も大切にしていると住吉さんは言います。施設を建てるときにはできるだけ駅や商店街に近い住宅地を選び、登下校の子どもの声や車の音が聞こえるなど、生活を感じられる場所に作っていくという方針があるのだとか。
「住友林業グループには『住生活に関するあらゆるサービスを通じて、豊かな社会の実現に貢献します』という経営理念があります。ゆえに、弊社は福祉事業者ではありますが、単に介護を提供するだけの会社とは考えていません。ご利用者様に“住生活”を提供している企業であり、その住生活の一部に福祉・介護があるのです」(住吉さん)
さらに今後は施設運営に留まらず、在宅ケアなどへの幅広い事業展開を予定しているとのこと。
「高齢者の方々の住生活を考えると、施設だけではまだまだ不十分です。そこで今後は施設に入居されている方だけでなく、在宅の方も含め、もっと広く高齢者の方々の住生活を豊かにしていきたい。さらには、高齢者を支えているご家族や社会全体に貢献することをめざしています。中期的な目標として、在宅とホームを合わせて、年に2~3施設ずつ増やしていきたいと考えています。現在の施設の基盤強化をしつつ、まずは関東を中心に展開する予定です」(住吉さん)
現場からの意見を大切に拾い上げていく
フィルケアの社風について、住吉さんに伺いました。
「住友林業という親会社がバックにあることで地盤の安定性という強さがある一方、ベンチャー企業的な自由闊達さもあります。ざっくばらんな雰囲気で、自由にのびのびと発言できる環境だと思います。ルールも絶対ではなく、現場に則さなくなれば変えていけばいいという考えです。そのためにどんどん声をあげてもらうのが大切だと思っています」(住吉さん)
自由闊達に発言できる環境でも、その現場からの声を拾い上げる体制が整っていなければ、せっかくの声も活かされません。フィルケアでは、どのような体制をとっているのでしょうか?
「各施設で月に1回、全職員を対象とした全体会議を行っています。現場でいま何が起こっているか、さらに起きたことへの対応策や今後の改善策について活発に意見交換します。そして、そこで出た意見を各施設の管理者が持ち寄り、月に1回、会議を行います。その場には本社の人間も入り、方向性を決めていくのです」(住吉さん)
実際に、現場からの声を反映して変わったこともあるのだとか。
「採用の仕方も、現場の声を取り上げることで簡略化しました。以前は本社の人事が全施設の面接を行っていたため、採用が決まるまでに時間がかかっていたのですが、自分たちで面接させてほしいという施設長の意見を取り入れ、任せることにしました。おかげで今は、採用プロセスがかなりスピードアップしています。ほかに業務行程なども、各施設に裁量権を持たせて運営してもらっています」(住吉さん)
住吉さんのお話から、フィルケアという会社の柔軟性、現場で働く人たちの声を大切にする方針や風通しの良さが伝わってきました。
次回は、人材の活かし方という点から、研修や人事評価についてお話を伺います。
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