今や事務職や総合職に限らず、転職する上でパソコンスキルの有無は採用の合否を左右する重要な要素です。
ただ、自分が持っているスキルをどのように伝えるかは非常に難しい問題。
パソコンスキルは「ある・ない」の二択で答える質問ではなく、どのソフトをどのくらいのレベルで使えるのかを具体的に回答することができなければ、相手側に自分のスキルを知ってもらうことはできません。
せっかく能力を持っていても、人に伝えられないスキルは就職活動でのアピール材料にならないのです。
今回は、パソコンスキルをどのように表現すれば有効なアピールにつながるかを具体的な文例も含めて解説します!
履歴書でパソコンスキルはどこに書く?
履歴書にパソコンスキルを記載するのであれば、
「特技」の欄に記載することをおすすめします。
ただし、「特技」と呼べるレベルで操作できるのであれば、十分なアピールとなりますが、もしも特技と言えるレベルでなければ、無理に履歴書の特技として記載する必要はありません。
具体的なスキルを記載していくのであれば職務経歴書に書くといいでしょう。
職務経歴書には通常決まったフォーマットなどはありません。これまでの職歴で得たスキルを記載するとともに、「活かせる経験・知識」の欄を作ります。
そこに、転職先で活用できると思われる具体的なパソコンスキルを記載しましょう。
履歴書でのパソコンスキルの記載例
具体的なパソコンスキルの記載例を紹介します。
パソコンスキルは
使用するソフト別に記載することをおすすめします。採用側も、「あの業務で活躍してもらえるのではないか」「この仕事を任せたら成果を残せるのではないか」といったイメージをしやすくなります。
ビジネスで使用されることの多い代表的なソフトごとに文例を紹介します。
◆Word(ワード)
Wordをはじめ、Microsoft Officeのソフトはビジネスシーンで使われる機会が多いです。自分が持っているスキルを可能な限り
具体的に記載するようにしましょう。
<書き方例>
・社内外文書作成、資料作成、送付状・礼状作成などの文書作成ができる
・ブラインドタッチで文書作成ができる
・フローチャートや写真・図を挿入したマニュアル作成ができる
・提供票送付先リストから宛名ラベルの作成・印刷ができる
◆Excel(エクセル)
<書き方例>
・関数を使ったデータ表作成ができる。
・見積書作成ができる。
・勤務シフト表作成ができる
・マクロ機能を使って自動化処理ができる。
・VLOOKUPやIF関数を使用したデータ集計ができる
◆PowerPoint(パワーポイント)
・プレゼンテーション資料・会議資料作成ができる
・提案書・企画書の作成ができる
・ご利用者やご家族に向けた広報誌の作成ができる
・ビデオや音楽を挿入したプレゼンテーション資料を作成できる
◆Photoshop(フォトショップ)
PhotoshopはAdobe社製のデザインソフトです。
写真の加工編集やポスター・パンフレット制作など、デザイン分野では様々な用途に活用されます。
<書き方例>
・写真の編集・加工処理ができる
・事業所のパンフレット作成ができる
・ご利用者様の誕生日カードの作成ができる
◆会計システム
事務職員が主に使用するソフトですが、小規模の事業所では現場と事務を兼務している方も多くいます。
会計ソフトなどを使用していたのであれば、
過去に使ったことのある会計ソフトを記載しましょう。
<書き方例>
・勘定奉行・弥生会計などの会計ソフトが使用できる
・給与計算・労務管理ができる
◆介護業務ソフト
デジタル化の遅れていた介護業界でもICT化の波が進んでいます。業務ソフトやチャットツールの活用、ホームページの運用管理など、様々なパソコンスキルが重視されるようになりました。
介護業務に関するソフトについても、
どのソフトを使用しどんな業務をしていたのかを記載するとよいでしょう。
<書き方例>
・「カイポケ(ケアプラン作成、サービス利用表・提供票作成、経過記録)」
・「ほのぼのNEXT(通所介護での計画書・報告書作成、サービス提供実績入力)」
・「ケアネットメッセンジャー(国保連請求データ伝送)」
パソコンスキルのNG文例
履歴書・職務経歴書にパソコンスキルを記載する上で、避けるべき例を5つ紹介します。
パソコンスキルを表現するための具体性がないと、採用側も判断する材料になりません。「扱える・扱えない」「できる・できない」ではなく、
どのソフトをどの程度のレベルで操作できるか、具体的に記載することが求められることを忘れないでおきましょう。
NG例(1)「業務上支障なく操作できます」
「業務上支障なく操作できます」と書くだけでは抽象的すぎます。現職では業務上支障なく操作をしていたのかもしれませんが、応募先企業でどの程度のパソコンスキルを必要としているかはわかりません。
転職先では業務上支障のあるレベルに該当する可能性もあります。
上記のパソコンスキルの具体例などを参考に、
どのソフトをどの程度使えるのかを具体的に示しましょう。
NG例(2)「初級・中級・上級」
初級・中級・上級の基準を知らずに、自分でグレードを決めることは望ましくありません。前の職場では上級者とみなされていたとしても、転職した先では自分よりパソコンスキルに長けているスタッフが多く、初級者程度のスキルとみなされる可能性もあります。
資格を取得しているのであれば、その
資格名とグレードを記載すると具体的なスキルがイメージしやすくなるので、資格を持っている場合は必ず記載するようにしましょう。
NG例(3)「PhotoshopやIllustratorを使ったデザインができます」
デザイン関連で主に使われるソフトがAdobe社のPhotoshopやIllustratorです。
介護サービス事業所で活用するとしても、写真の編集や広報誌の作成、ご利用者様の誕生日カードの作成、ホームページの制作など様々な用途があります。
「ソフトを使ってデザインをした経験がある」だけではなく、これらのソフトを使って
何をデザイン・制作したのか、と具体的に記載することが求められます。
NG例(4)「Officeソフト全般使用できます」
「Officeソフト全般使用できます」と記載するのもNGです。
Officeソフトというと、Microsoft Officeの代表的なソフトであるWordやExcelをイメージする方が多いでしょう。しかし、転職先でいうところのOfficeのソフトが、必ずしもWordやExcelをメインにしているとは限りません。OneNoteやAccess、Publisherなどである可能性もあります。
そのため、Office全般という表現ではなく、
個別のソフトごとにスキル・習熟度を記載していくことが望ましいでしょう。
NG例(5)「介護業務ソフトの入力ができます」
介護業界内での転職であれば、「介護業務ソフトの入力ができます」というのはアピール材料になります。
ただ、具体的にどのソフトを使っていたのかを書く方がわかりやすいです。
同じ介護業務ソフトでも、デイサービスと訪問介護では操作も全く異なります。また、ソフトへの入力といっても、「記録の入力だけなのか」「報告書や計画書への入力なのか」「スタッフのシフト・勤務配置などを行っていたのか」など、具体的なことがわかりません。
どのサービスでどのソフトをどのように使っていたかを記載することで、自分のスキルを相手に伝えることができます。
まとめ
近年、デジタル化・ICT化が社会全体に浸透し、パソコンスキルは様々な業種で求められるようになりました。
介護業界も、ICT化の推進による業務効率化が必要とされています。現場でも、チャットワークやLINEWORKSといったビジネスチャットを使用する事業所や、職員間の連絡はインカムでつないでコミュニケーションをとる施設も増えました。
介護業界での転職においても、パソコンスキルがあることは大きなアドバンテージになります。パソコンスキルをアピールするためには、伝え方が重要です。
パソコンスキルは「使える・使えない」「扱える・扱えない」ではなく、ソフトごとに操作できる内容など、明確な基準を示して相手に伝えることを心がけましょう。
転職のステップガイドはこちら