履歴書やエントリーシート、職務経歴書を書くときに、「です・ます」調か「だ・である」調のどちらで書くべきか悩みますよね。
どちらのほうが印象がよいのでしょうか?
「です・ます」はていねいな印象、「だ・である」は意思の強さを感じさせますが、結論から言えば、
どちらを選んでもかまいません。
ただ、文章から受ける印象が違うので、文章の語尾の長所・短所を挙げ、望ましい例文を示しました。
「です・ます」が基本!文章が稚拙にならないよう注意
「です・ます」は
やさしく礼儀正しく、丁寧な印象を与えます。
話し言葉に近いので、書くときも抵抗なく、素直な気持ちを表現できるでしょう。
男女問わず、「です・ます」調で書くほうが無難とも言えます。
ただ、ともすると、単調になり、稚拙に見えることもあります。
たとえば志望動機の場合。
祖母が認知症になり、ヘルパーさんをお願いしたことが、介護の仕事に触れたきっかけでした。
かいがいしくお世話をするヘルパーさんを見て、憧れました。
自分も家族を笑顔にする仕事に就きたいと思いました。
それで、介護福祉の専門学校に入学しました。
いかがでしょうか?
「でした」「ました」の短い文章を続けたこの文章は、小学生の作文のように見えてしまいますね。
やさしい印象の語尾に引っ張られて、使う単語がこどもっぽくなっていることもその要因です。
「です・ます」であっても、
「大人が書く文章」になっているかどうかを意識しましょう。
【これでOK!書き換え例】
祖母が認知症になり、介護保険サービスを利用したことが、介護の仕事に触れたきっかけです。
かいがいしくケアするヘルパーさんに憧れ、自分も家族に笑顔をもたらす仕事に就きたいと強く感じ、介護福祉の専門学校に入学して介護福祉士資格を取得しました。
「だ・である」調は尊大にならない文章に
一方、語尾を
「だ・である」で書くと、それだけで
大人っぽく意思が強い印象です。
冷静で分析的な文章に見えることも多いでしょう。
しかし、意識して「いつも以上に大人な文章」を書こうとすると「偉そう」に見えてしまいます。
貴社を志望したのは、「自立支援」重視の理念を高く評価したからである。
利用者の残存能力を最大限に活用する介護こそ、あるべき介護の姿である。
このように書いてしまうと、高名な評論家のようで、応募する企業も利用者さんも、「上から目線」で評価しているように見えてしまいます。
採用担当者は「何様のつもりか」と不快感を覚えるでしょう。
「だ・である」で書くときは、
気負いすぎないことが重要です。
【これでOK!書き換え例】
貴社を志望したのは、「自立支援」重視の理念に深く共感したからである。
ご本人の力を最大限に引き出す貴社ならではの介護を現場で学ばせていただき、そのスキルを社会に還元したいと強く願っている。
応募する法人への信頼や尊敬の念をしっかりと示し、自分の仕事の目標も伝えると、「この人はしっかり仕事をしてくれそうだ」と印象づけることができます。
「です・ます」「だ・である」は全体として統一する
このように考えると、「だ・である」で書くより、「です・ます」で大人っぽい文章で書くほうが無難で書きやすいといえるでしょう。
一度どちらかに決めたら、履歴書・エントリーシート・職務経歴書など、
すべて「です・ます」か「だ・である」に統一しましょう。
ただし、履歴書の学歴・職歴欄、免許欄、職務経歴書の職務経歴部分などは、「です・ます」調で書きません。体言止めにして文字数を少なく、簡潔に書きましょう。
語尾を濁さず、簡潔に言い切る書き方を
また、「です・ます」「だ・である」どちらにも言えるのは、
文末に「~かもしれない」「~だと思います(思う)」と記載しないこと。
履歴書は自らの意思を伝えるものなので、特に「かもしれない」と語尾を濁すのはNGです。
できるだけ言い切るようにし、もしも言い切りを避けたい場合は、
「……と考えています(いる)」「……と認識しています(いる)」などと置き換えるとよいでしょう。
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