訪問介護サービスのマネジメント業務を担う、サービス提供責任者(サ責)。
その給料はどのくらいでしょうか?
最新データから、平均年収や他職種との比較をご紹介!給料アップの方法もお伝えします。
目次
■サービス提供責任者の平均年収
■雇用形態別の平均給料
■他職種との給料比較
■給料アップの4つの方法
1. 一つの事業所に長く勤める
2. 管理者かヘルパーを兼務する
3. 資格を取得する
4. 転職する
■サービス提供責任者としてさらなる給料アップを目指そう
介護労働安定センター「令和4年度 介護労働実態調査」によると、サービス提供責任者(サ責)の平均月給は272,421円で、平均賞与額は634,355円。
ここから単純計算すると、平均年収は390万3,407円となります。
手取り金額は一般的に総支給額の約75~85%程度になるといわれていることから、サービス提供責任者の手取り年収は約290~330万円程度と考えられるでしょう。
サービス提供責任者(サ責)は正社員としてだけでなく、パートやアルバイトとして働くことも可能です。
ここでは雇用形態ごとにサービス提供責任者の平均給料をご紹介します。
月給で働くサービス提供責任者の場合、無期・有期雇用職員それぞれの平均月給と平均賞与額は、以下の通りです。
平均月給 | 平均賞与 | |
無期雇用職員 | 273,416円 | 645,364円 |
有期雇用職員 | 255,285円 | 504,856円 |
出典:介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査結果」
無期雇用職員の約70%、有期雇用職員の約60%が、賞与の支給「あり」と回答しています。
時間給で働くサービス提供責任者の場合、無期・有期雇用職員それぞれの平均時給は、以下の通りです。
平均時給 | |
無期雇用職員 | 1,393円 |
有期雇用職員 | 1,289円 |
出典:介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査結果」
時給者全体で見ると、最も多いのは時給1,300円以上~1,500円未満の層ですが、時給1,500円以上に設定している事業所も一定数あります。
サービス提供責任者(サ責)とその他の介護関連職種の給料を比較してみると、以下のようになります。
職種 | 平均月給 | サ責との差 |
サ責 | 272,421円 | - |
訪問介護員 | 237,283円 | -35,138円 |
介護職員 | 235,302円 | -37,119円 |
ケアマネジャー | 272,101円 | -320円 |
生活相談員 | 265,762円 | -6,659円 |
看護職員 | 288,040円 | +15,619円 |
出典:介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査結果」
上記の表から、サービス提供責任者は他の職種と比べて、比較的給与が高い傾向にあることがわかります。
最も差が大きいのは介護職で、サービス提供責任者のほうが約3万7,000円高いです。
また、訪問介護員と比較すると、サービス提供責任者のほうが約3万5,000円高い月給になっています。
各事業所の設定や、個人の資格・経験年数などによっても給与額は変わるため、一概にこの金額がプラスになるとは言えませんが、介護職や訪問介護員からサービス提供責任者になった場合、給料アップが見込めるでしょう。
介護関連の職種の中では、比較的給料の高いサービス提供責任者。さらに上げるにはどうすればよいのでしょうか?
ここでは給料アップのために知っておきたい、以下4つの方法について解説します。
勤務先の法人・事業所によっては、勤続年数に応じた給料アップが期待できます。
介護業界全体で見ても、勤続年数が長い人ほど給料が高くなる傾向にあり、サービス提供責任者でも同じことが言えると考えられます。
以下は、介護の仕事に従事する労働者の平均月給です。
勤続年数 | 平均月給 |
1年未満 | 234,835円 |
1年以上~2年未満 | 237,636円 |
2年以上~3年未満 | 244,084円 |
3年以上~4年未満 | 243,420円 |
4年以上~5年未満 | 244,465円 |
5年以上~10年未満 | 249,955円 |
10年以上~15年未満 | 258,363円 |
15年以上~20年未満 | 273,612円 |
20年以上 | 299,135円 |
出典:介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査結果」
また、長く同じ場所に勤めることで、周囲との信頼関係が築くやすくなるというメリットも。
サービス提供責任者の仕事は、利用者さんやヘルパーとのやり取りや調整業務が中心です。長期的な関わりの中でひとり一人の思いや特性を理解していくと、臨機応変に対応できる業務が増えるでしょう。
サービス提供責任者は、訪問介護事業所の管理者またはヘルパーを兼務することが認められています。
事業所によって規定は異なるものの、管理者との兼務で「職務手当」、ヘルパーとの兼務で「処遇改善手当」などが支給される可能性があります。
ただし、サービス提供責任者・管理者・ヘルパーの3つの業務を同時に兼務することはできません。
兼務に関する要件は自治体ごとに異なる場合があるため、ホームページなどで確認するようにしましょう。
サービス提供責任者になるためには実務者研修等の資格が必要ですが、その他の介護の資格を取得することで給料アップを目指すのもひとつの方法です。
勤務先によっては、特定の資格を取得することで資格手当がもらえます。
また、サービス提供責任者はさまざまな職種と関わるため、資格取得で身につけた知識は日々の業務に活かせるでしょう。
介護労働安定センター「令和4年度 介護労働実態調査」によると、サービス提供責任者の78.7%が介護福祉士の資格を保有しています。
介護分野で唯一の国家資格でありキャリアアップにもつながるため、もし未取得であれば、まずは介護福祉士から取得するとよいでしょう。
その他のおすすめ資格は、介護計画の作成に役立つ「ケアマネジャー(介護支援専門員)」や、利用者さんへのケアに活かせる「認定介護福祉士」など。
これらの資格試験を受験するためにも、介護福祉士の資格が必要です。
また、事業所によっては資格取得にかかる費用を支援してくれる制度もあるため、勤務先に確認してみるとよいでしょう。
勤務する地域や事業所によっては、どうしても昇給が見込めないこともあります。
現在の勤務先で「給料に満足していない」「昇給も見込めそうにない」という場合は、より好待遇な事業所への転職を検討してみましょう。
介護業界では、勤続年数が長くなるほど給料も上がる傾向にあります。
将来的により高い給料を目指したいという方は、早めに転職を決意し、新しい勤務先で長く働くのも一つの方法です。
事業所内のヘルパーをまとめ、利用者さんと訪問介護サービスをつなぐサービス提供責任者。
介護業界の中でも比較的給料が高い傾向にありますが、さらなる給料アップを狙うことも可能です。
資格取得や、より好待遇の事業所への転職など、ご紹介した4つの方法をぜひ参考にしてみてください。
もし現在の給料が平均年収よりも低い場合は、勤務先の基準が低い可能性も。
すぐに転職を考えていなかったとしても、一度ほかの事業所の求人をチェックしてみるとよいでしょう。
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