舞台俳優とレストランのアルバイトを両立させていたOさん。俳優の仕事を辞めて本格的に働きたいと思ったときの希望は「正社員」でしたが…。
レストラン勤務時代の信頼できる上司に誘われ、全くの未経験で介護職を始めたOさんに、転職当時の状況や不安に感じたこと、転職してよかったことなどのお話を伺いました!
お話を伺った介護士さん
■今、どんな仕事をしていますか?
住宅型の有料老人ホームで、介護職員として勤務しています。
利用者さんは昼間はリビング中心で過ごし、夜は部屋で休みます。利用者さんがリビングにいらっしゃるときは通常の施設の介護職と同様に食事介助や排泄介助、入浴介助の仕事をし、お部屋にいらっしゃるときは訪問介護の介護職としてお部屋を訪問し、着替えや歯磨き、排泄介助、就寝中の見守りなどを行います。
そのほか、施設で運営している畑の管理もしています。ホップを育てて、この事業所でビールのブルワリーを立ち上げ、利用者さんにも事業に携わっていただこうという計画があるんです。
■仕事のスケジュールを教えてください。
うちの有料老人ホームでは、介護職の勤務時間には5つのシフトがあります。
・早番1 7時~16時
・早番2 8時30分~17時30分
・日勤 9時~18時
・遅番 12時30分~21時30分
・夜勤 17時~翌朝10時
夜勤の翌日は休日になります。
有料老人ホームとしての業務と訪問介護としての業務は、その日シフトに入っているスタッフで割り振りしています。
■以前はどんな仕事をしていましたか?
20代の頃、舞台俳優をしていたんです。
土日は稽古と演技を人生の中心にしていて、平日に生活のためにアルバイトとしてレストランに勤務していました。
レストランでは、ウエイターやキッチン補助に加え、売上管理、系列店での研修、新規事業の立ち上げなど、アルバイトなのに社員並みの仕事を任されていました。
■介護職に転職したきっかけは?
とにかくレストランの仕事が非常にハードで、舞台俳優との両立という点でもギリギリの精神状態で働いていました。副業のつもりだったのですが本業以上の忙しさで、体力的にも不安がありました。
そんなとき、先にレストランを辞めて介護業界に転職した上司に、「自分の職場に来て介護の仕事を勉強しないか」と誘われたんです。
結婚を機に舞台俳優を辞め、正社員として働きたいと思っていたところでした。当時働いていたレストランでは中途採用やアルバイトからの正社員登用の制度はなかったので、思い切って仕事を辞め、誘ってくれた元上司についていくことにしたんです。
■未経験で介護職として転職することに不安はありませんでしたか?
不安や抵抗はそれほどありませんでした。
母が看護師をしていて、小さい頃に母の仕事場の病院にしょっちゅう遊びに行っていたので、病気の人や高齢者の介護を見る機会が多かったせいかもしれません。
元上司に誘われた当時、母方の祖母に介護が必要になり、介護に興味を持っていましたし、実際に手伝いに行くことも考えていたので、仕事として介護の技術を身につけるのもよいな、と思っていました。
また、レストランのときの元上司と働けることも不安がなかった要因です。自分より年下なのですが、とても頼りになり、前向きで夢のある人なので、「あの人ともう一度働きたい」という気持ちが強かったですね。
ただ、最初に働くことになった介護現場は、症状の重い利用者さん対象の施設。常に心電図が鳴っていて、人工呼吸器をつけている人も多かったのです。
利用者さんの前で何か楽しいことをして笑っていただこうという思いもあったので、その思いは打ち砕かれました。介護士がたん吸引する必要もある現場だったので、自分にできるかな、と不安でした。
■転職後、その不安は解消されましたか?
教育がしっかりしていたので、技術的には不安はありませんでした。しかし「楽しい」と思えることが少なく、続けていけるかどうか不安でした。
それでも、「この人に付いていこう」と思える人と一緒に働けていたので、介護の仕事自体は頑張ろうと思えていました。
■転職する前に準備したことはありますか?
実際に現場に入る前に、法人の職員教育を受けさせてもらったことです。研修でしっかり現場業務について学ばせていただいてので、未経験でも現場で戸惑うことはあまりありませんでした。
■介護職に転職してよかったことは何ですか?
もっともよかったと思うのは、正社員になれたことですね。以前の職場はどれだけ重要な仕事を任されても、アルバイトのままでした。
介護職で正社員になり、保険や年金もしっかりしていますし、今のところはボーナスもあります。結婚し、子どももいる生活にそれほど不自由はありません。
また、介護職は初任者研修、実務者研修、介護福祉士と資格取得によってキャリアアップができ、それにしたがって給料が上がっています。そういう点でもやりがいが見いだせます。
それに、何といっても上司に対する信頼感が強く、「この人とだったらトラブルも前向きに乗り越えて行ける」という強い確信を持って働けていることが強みになっています。人間味のある人で、プライベートでも楽しく一緒に遊べる人であることもありがたいですね。
■介護職に転職して大変だと思ったことは何ですか?
最初は認知症の理解が浅くて、同じことを繰り返されることがつらかったです。「どうしてわかってくれないんだろう?」と思ってしまって。
しかし、法人が認知症などの研修をしてくれて、病気の症状やその要因などがわかってくると、つらさはなくなり、「その人が思うありのままを受け入れよう」という気持ちになれました。こちらの思惑どおりに動かないのは、当然だと今は思っています。
法人の理念「利用者さんはその人らしく」という意味もよくわかり、今はその人らしさを発揮できるようにすることが、我々の仕事だと思っています。施設内では、職員が利用者さんに何かを押しつけたり、言葉を遮ったりすることはありません。
■これまでの経験やスキルで転職後に役立ったものはありますか?
レストランで接客をしていたので、利用者さんに対するホスピタリティはあるつもりです。イベント運営も多く、利用者さんに楽しんでいただく技術も磨かれていたと思います。調理もやっていたので利用者さんのリクエストに合わせて見栄えのいい食事が作れますし、テーブルもピカピカに磨きます。
そういう意味では、前職をやってからここに来てよかったと思っています。
■今後の目標や、やりたいことはありますか?
介護職は専門職なので、技術や知識のブラッシュアップが必要です。そこで、自分の提案で、外部の講師を呼んで勉強をしたり、足りない知識を共有するために月1回の全体会議で悩みや疑問を話す時間を作るようにしました。
今、自分は施設の身体拘束委員会を任されており、その前は衛生面の責任者をしていました。それぞれ施設運営には非常に大事なことです。しっかり勉強をして後輩たちを育てたいです。後輩たちも意欲が高いので、うかうかしていると追い抜かれていきますから、気合いを入れて学んでいます。
また、近い将来、うちの法人でビールのブルワリーを作る予定で、その勉強と運営が本格的に始まりました。
おいしいビールを造りたいですし、利用者さんもラベル貼りなどを手伝っていただいて仕事を持っていただくなど、モチベーションにつながればという期待もあります。おいしいビールを販売し、利用者さんにもちょっと味わってもらいたい、できたら古民家を改装してレストランも運営したい、と夢は広がっています。
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