長年勤務したスポーツクラブの仕事をしながら、副業としてグループホームの夜勤専従として週2回勤務しているAさん。半年後にはスポーツクラブを辞めて、介護の仕事に専念するといいます。その理由やきっかけを聞いてみました!
お話を伺った介護士さん
■今、どんな仕事をしていますか?
スポーツクラブでインストラクターとして働きながら、障害者グループホームで夜勤専従のパートをしています。
グループホームの利用者さんは知的障害や精神障害を持つ人たちですが、軽度の方が多く、日中は仕事を含め、活動をしている人がほとんどです。できるだけご自身でできることをサポートし、お弁当を一緒に作る、あるいは作れない人には作ってあげるなど、スキルを見ながら支援し、自立していただくのが私たち職員の仕事です。夜など不穏で起きてしまったときなどは、落ち着くようにお話もします。
■仕事のスケジュールを教えてください。
夜勤専従なので夜から朝にかけての時間帯のみ勤務しています。
高齢者グループホームや介護施設のように身体介助はなく、基本的には見守りやコミュニケーションを取る時間が多いです。
20:00 日中勤務の人から申し送り
20:30~ 入浴を促し、就寝のサポート。一緒にお茶を飲んだりカードゲームをしたりして過ごし、穏やかな気持ちで寝ていただく。
23:00~ 就寝時間
眠れない人には穏やかにおしゃべりをし、ベッドに促すことも。
0:30~ 部屋の巡回
空調や照明は適切か、携帯電話をずっと見ていないか、泣いていないか、不穏になっていないかを確認。
2:30~ 部屋の巡回
4:30~ 朝食の準備
朝食は利用者さんの楽しみでもあるので、張り切って作る。利用者さんによってパン、ごはんの要望などにも応える。
6:00~ 利用者さん起床。お弁当作りをサポート
6:30~ 朝食
片付けの見守り、洗濯の見守り。円滑に遅滞なく日中活動の場に出発するまでサポートする。
8:00 退社。いったん帰宅し、本業のスポーツクラブに出勤。
■以前はどんな仕事をしていましたか?
高校卒業後はアパレルの仕事をしていましたが、正社員になかなかなれず、きちんと雇用してもらいたくて、家の近くにあるスポーツクラブに正社員として就職しました。店舗の経営方針がよく、女性職員の活用を考え、働きやすい環境を作りたい、という当時の店長の考え方にひかれました。
もちろん、アパレルの仕事も楽しかったのですが、スタッフ同士のトラブルに悩まされることもあったんです。
転職したスポーツクラブでは利用する方の健康に関わり、よりよい人生のお手伝いをする仕事ができるので、とてもやりがいを感じながら働けました。
■介護業界で副業を始めたきっかけは?
私はクリスチャンで、教会に通っています。その教会に、障害者グループホームの施設長の女性が通っていて懇意になりました。教会には精神障害や知的障害を持つ方も通っていて障害がある方とは普段から接する機会があったのですが、グループホームという施設があることは、その時に初めて知りました。
その方にグループホームの運営のお話を聞き、自分も何か彼女たちの役に立てるのではないかと思ったのです。
「一度見学に来てみて」と誘われ、行ってみたらとても温かな雰囲気の施設で、ますます「ここで一緒に働いてみたい!」と前のめりになりました。夜勤職員を募集していたので、まずは週1日、やってみることにしました。
■未経験で介護職として転職することに不安はありませんでしたか?
専門職としての不安というより、次の日仕事ができるか不安でした。夜勤で仕事をし、翌朝からスポーツクラブで夜まで、というのは体力的にきついのではないかと気がかりでした。
なので、はじめは無理をせずに週1回働いてみて、様子を見てみようと思いました。
■副業開始後、その不安は解消されましたか?
問題なく昼間の仕事もできました。もともと眠れない日もあるので、そういう日に仕事をしている、と思えばいいのかなと。逆に、夜勤から日中の仕事をしてバリバリ働くと、その晩はぐっすり眠れるのでちょうどいい、思いもありました。
グループホームで働き始めて半年たったころに、他の夜勤専従のスタッフが1人退職したので、週2日働くことになりましたが、体力的には問題なかったです。
■転職する前に準備したことはありますか?
特に準備はしたことはありませんでした。
ただ、グループホームで働き始めてから、人を支えることや相談・支援について学びたいと思うようになり、カウンセリングについての通信講座を受講しました。
昼間の仕事をフルでやって、夜勤を週2回やって、カウンセリングの勉強も、できるかな…と不安でしたが、毎日30分、3ヶ月の勉強がとてもおもしろくて、最後までやり続けることができました。カウンセリングの歴史からカウンセラー・アドバイザーとしてのスキルや心構えまで学ぶことができました。利用者さんとの何気ない会話の中にも活かしていけたらいいな、と思っています。
■介護職の副業を始めてよかったことは何ですか?
スポーツインストラクターの仕事はおもしろいしやりがいは大きいです。お客様の健康を守り、楽しい人生を支える仕事ですし、続けていくうちにどんどん元気になられる姿が見られるのもとてもうれしいのです。
しかし、障害者グループホームでの支援は、精神疾患や知的障害で、社会の中で自信が持てず、頼るところのない人たちに光を当て、自信を持ってもらい、成長させる仕事です。支援する人が不足しているので、「私たちがやらなければ!」という使命感も感じます。施設長も熱い人ですし、こちらで勤務して、自分自身も成長したいと思いました。
それと、私は、人が変わっていく姿に関われる仕事が好きなんです。障害者グループホームでは、直接お世話をするというより、寄り添うことが大切。
自分の声掛けなどで相手が変わっていく姿を見られるのはとてもやりがいを感じます。
■介護職に転職して大変だと思ったことは何ですか?
「大変」だと思ったことはあまりありませんが、知識や技術が必要な仕事なので、しっかりと学び、資格もできるだけたくさんとっていきたいです。
■これまでの経験やスキルで転職後に役立ったものはありますか?
スポーツインストラクターの仕事では、マネジャー研修で「自分に矢印を向ける」という考え方を学びました。問題が起こったとき、人のせいにせず、自分を振り返り、課題をみつけていきます。
ものごとのパラダイムシフト、見方を変える勉強をしたことが、介護の仕事にも活用できると思っています。
■今後の目標や、やりたいことはありますか?
まずは、スポーツインストラクターの仕事をていねいに引き継いで、円満退社しようと思っています。今後は職員としては関われませんが、利用者としてクラブに通おうかな、と思っています。
その後は、夜勤専従パートとして働いている今の障害者グループホームに、フルタイムの正社員として入職する予定です!施設長からも、すでに雇用契約のお話をいただいています
介護の仕事は大好きなので、ずっと続けていきたいですね。結婚したり子どもができたりしても、この職場なら融通をきかせてくれます。自由度は高いです。そのかわり、きちんと仕事をすることを求められる。
自分が仕事人として大きく成長できる職場なので、資格を取りながら、長く勤務したいと考えています。
社会福祉士、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター2級。
約30年前よりファッションや芸能、子育て、教育などを中心にライターとして活動。2012年、親の介護を機に社会福祉士国家資格を取得し、高齢者介護・医療・健康分野でのライターとしても活躍中。
現在は、法定成年後見人として支援が必要な方の財産管理や身上監護も行う。
介護、医療、教育、子育てなどのテーマを中心にWEB雑誌・書籍などの記事執筆を多数担当。
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