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2018年02月28日

介護の職場や職種、多くの経験を積めば将来に生かせる!~転職体験Kさん2 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」



◆居宅介護支援事業所(正社員/ケアマネジャー) → 特別養護老人ホーム(正職員/ユニットリーダー)

K・Fさん(女性・54歳)
●居宅介護支援事業所(勤務期間:5年/年収約320万円・介護支援専門員手当あり)
●特別養護老人ホーム(勤務期間:10カ月/年収約320万円)

介護業界でのその他経験:訪問介護(パート/介護職/1年)、デイサービス(パート/介護職/7年/年収約200万円)、宿泊つき小規模デイサービス(正社員/生活相談員/2年/年収約300万円・介護福祉士手当あり)
保有資格:ヘルパー2級(現介護職員初任者研修)、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)
家族構成:夫(30歳、28歳の2人の娘は独立)

*K・Fさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目、2回目、3回目4回目(最終回)はこちら

【本当にやりたい介護を求めて】ケアマネジャーから介護職へ



特別養護老人ホームのユニットリーダーへ

ケアマネジャーに向いていないと実感して、現場の介護職としての転職を決めました。
転職先は、オープニングの特別養護老人ホーム。
建物ができたときに、スタッフ募集の連絡先が看板に書いてあったので、そこに電話しました。それから面接を受けると、結果は採用でした。

ここではケアマネジャーになるつもりはありませんでした。
居宅介護支援事業所と老人ホームとでは、同じケアマネジャーでも仕事内容はかなり違います。また一から業務を覚えるのが大変だという気持ちが強かったのです。
それよりも、私は現場に戻りたい、高齢者の方々と触れ合う時間を長く持ちたいと思いました。

面接のときに、「ユニットリーダーをやってみませんか?」と言われ、承諾しました。
転職先の特別養護老人ホームはユニットケアで、12人の利用者さんの個室があり、リビングが真ん中にある形式をとります。
12人の利用者さんのケアをするユニットのリーダーに、ということでした。

「働いて楽しい」のは、ケアマネではなく介護職

同業の人たちからは、「大変な思いをしてケアマネジャーの資格を取ったのに、なぜキャリアダウンするの?」と言われました。
実際、前の職場だった居宅介護支援事業所のエリアから近いので、この特養に私の以前の利用者さんが入ってくることもあるのです。「なんでここにいるんですか!?」なんて、ご家族に驚かれたりもします。

でも、ケアマネジャーより現場の仕事が「格下」だなんて思っていません。
利用者さんにじっくり接することができるこの仕事が、私に一番合っていると思うのです。
給料とかキャリアだけを中心に仕事を考えず、「働いていて楽しい」を主体に考えたいと思っています。


【転職先での人間関係】リーダーとしてスタッフの教育もするように

オープニングの施設はチームワークも良好

オープニングの老人ホームを選んだのは大正解でした。
「ひとつの組織を作っていこう」という意識が強くてチームワークも良く、人間関係がとても円滑です。

年代的には30代から50代が集まっていて、あまり年齢の高い人はいません。いわゆる「お局様」がいないことも、人間関係が円滑な理由でしょうね。
私は、あまりリーダー体質ではないので、まわりのスタッフにとってはちょっと頼りないかもしれません。そういう意味でも、私自身は「お局様」のようにはならないんじゃないかなと思います。

仕事が遅いスタッフにはアドバイス

ユニットのリーダーは、メンバーにいろいろ教える立場ではありますが、現場が初めてのスタッフも、オープニングまでの2カ月間で、オムツ替えや食事介助などのひと通りの研修は受けていました。なので、一から教えることはありませんでしたね。

ただ、仕事をテキパキこなせる人と、遅い人がいるのは事実なので、遅いスタッフにはアドバイスをすることも多いです。仕事が遅い人は、優先順位のつけ方があまり上手ではない人が多く、いくつかの仕事が重なると右往左往してしまいます。

余裕があればヘルプするのですが、忙しいときはそうもいきません。
ケースバイケースで優先順位をつけ、できるかぎり自分で責任を持つ、できないときは早めに人に頼むなど、仕事の基本をさりげなく提案したりします。
そういうところが、ひとりで動いていたケアマネジャー時代とは大きく違いますね。


【特養勤務の悩み】とにかく人手が足りない

50代半ばで、月に5回の夜勤はきつい

勤務先は特別養護老人ホームですから、夜勤があります。転職した時点で50代半ばにさしかかっていたので、ちょっと不安でした。
でも、うちの場合は、夜勤の勤務時間は、8時間夜勤(休憩2時間・10時間拘束)です。だからこそこの職場に決めた、というのもあります。老人ホームによっては、16時間夜勤のところもありますが、それはさすがに無理だと思いました。

でも、やはり夜勤はきついですね。
しかも、夜勤明けが公休になってしまうのです。朝7時すぎに仕事が終わっても、家に帰って眠るだけ。これが休日だと言われても、ちょっとひどいなあと思いますね。
これが月に5回はあります。

採用がまったくできていない

それというのも、人が足りないから。募集しても、なかなか採用できないようです。
私が入職してから10カ月たちますが、その間に数人のスタッフが辞めているのに、補充ができていません。
私のユニットは定員12人ですが、10人しか利用者さんがいない。なぜなら、必要な人数の介護職が採用できないのです。

いつもギリギリの人数で回しています。
非常勤の2人はお子さんが小さいので、お子さんが熱を出したり、学校行事があったりするとお休みしてしまいます。
シフトを組むのは私なので、組んでいるうちに「ああ、今月はここにも入らないといけないなぁ、あの日にも」などと、ため息をつきたくなることもあります。

今のところ、休日出勤してまで働くことはないですが、人手不足の日は確実にあり、そういう日は尋常ではなく忙しい。
ユニットに私しかいないという日もありました。事故になってもおかしくないと、心配しながら働いています。
この人手不足は介護業界全体の問題だとは思いますが、なんとかしてほしいですね。


【資格取得】介護福祉士、介護支援専門員を取得



介護福祉士、介護支援専門員の資格は、どちらも落ちることなく、初めての受験で合格することができました。この先、特に取得したい資格はないですね。
私は現場が好きですし、ケアマネジャーに戻る可能性はあっても、それ以上のキャリアプランは考えていません。

ただ、介護職として働こうと思ったら、介護福祉士の資格だけは取っておいた方がいいと思います。
介護職員初任者研修だけだとキャリアアップの点で難しいですし、転職の幅を狭めてしまいます。

私が取得した頃よりも、研修が多くて大変かもしれませんが、学ぶことが多ければ、それを生かせる場も多くなります。いい意味にとらえて、頑張ってほしいと思います。
手当もつきますし、お給料の点でもよいのではないでしょうか。


【今後のキャリアプラン】施設介護の経験は今後も生かせるはず

勤務先の特別養護老人ホームは職場環境も悪くないし、新しい知識や技術をたくさん学ぶこともできています。
利用者さんとも近しい関係になり、今の仕事には満足しています。

ケアマネジャーの頃に比べるとお給料は多くなりませんでしたが、それはキャリアダウンしているのだから、しかたがないですね。
オープニング間もないので、ボーナスもそれほど出ませんでした。

一般的に見れば、ケアマネジャーから介護現場のリーダーにキャリアダウンした形です。
でも、在宅での介護サービスしか扱ったことがなかったので、この経験はとても貴重。私はまだまだ介護の仕事を続けるつもりなので、今の立場を経験することは、必ず今後に繋がっていくと思います。

介護の現場が一番好きですが、施設での介護を知ることができたので、将来的には施設ケアマネジャーになることも選択肢として考えられます。
もしも居宅介護のケアマネジャーに戻るとしても、施設の様子を身を持って知ったことは、利用者さんのプランを組む上でプラスになると思います。

将来については、そのときそのときの状況によって考えていきたいですね。

次回は、特別養護老人ホームでの1日の仕事の流れなどについて詳しく聞いていきます。

<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>

*K・Fさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目、2回目、3回目4回目(最終回)はこちら



●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
→ 「こんなはずじゃなかった…」 転職先選び 私の失敗談


●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●

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