介護の仕事は、利用者の生活に寄り添う仕事。人として成長することもでき、他の仕事に代えがたい魅力があります。しかし一方で、肉体的・精神的なストレスは少なくありません。介護特有の仕事のストレス、人間関係のストレス、給与や体力への不安…
介護福祉士・心理カウンセラーの篠雅行さんがアナタのお悩みにアドバイスします。
今週のお悩み事例
しょうたさん(有料老人ホーム 3年目 28歳)
先日の職員会議で率直な意見を言ったら、他の部署のリーダーから「じゃあどうすんだよ!」と怒鳴られました。
会議というのはフラットに意見を言う場ですよね?
怒鳴られるくらいなら、意見なんか言いたくないし、すごくストレスです。
どうすれば、いいのでしょうか?
篠さんからのアドバイス
しょうたさん、日々のお仕事本当にお疲れ様です。
まず、しょうたさんの「会議で意見を言える」という勇気や姿勢はすばらしいと思います。
意見を言わず、あとからぶつぶつ愚痴を吐くという人も中にはいると思います。意見を言うことは、今回のように「怒鳴られたり」「批判にあったり」「恥ずかしい」などリスクも背負っています。それを恐れずに意見を言えるということは、評価に値すると思います。
しかし、今回は他の部署のリーダーから怒鳴られてしまったということ。とまどわれたと思います。
今回怒鳴っていたそのリーダーは、日頃から感情的なコミュニケーションをとる人なのでしょうか?
それとも、普段は穏やかな人なのに、今回に限って怒っていたのでしょうか?
日頃からすぐ怒鳴り散らす感情的な人なのであれば、あまり気にしないほうがいいでしょう(笑)。
もちろん怒鳴られれば誰でも不快ですし、意見をする気持ちも失せてしまいます。しょうたさんは上司などに相談し、本人に対する指導をお願いしましょう。そして、そのコミュニュケーションの癖が治るまでの間は、しょうたさんはあまり気にせずに、こうゆう人なんだ、と受け流すことをおススメします。
ただ、もしも普段は穏やかなのに、今回に限って感情的になったという場合は、何か理由があったのではないかと思います。
例えばですが、しょうたさんに対して「批評家のようにあら探しをするだけで具体策を提示していない」と感じたのかもしれません。相手は相手なりの言い分があったと思われます。
リーダーをやっている方ですから、経験も情報も、おそらくしょうたさんより多いと思います。しょうたさんの意見が、我慢出来ないぐらいの何かだったのかもしれません。
相手の立場になって「なぜ、リーダーは叱責したのか?」と自分の意見を振り返ってみてはいかがでしょうか?
もしくは、会議に出席した別の人にも意見を聞いてみてはいかがでしょうか?
相手の立場に立って考えたり、また人からの意見を聞くことで、しょうたさんの意見を「客観的」に見ることができます。
何が相手の癪に障ったのか?
次に同じようなことがあったときどうしたら良いか?
建設的な意見とはどういうことか?
それを考えることで、さらに人間的に成長出来ると思います。
はじめにも言ったようにしょうたさんが勇気をもって発言したことは、すばらしいと思います。ぜひ継続してほしいと思います。
プロフィール
篠雅行(しの・まさゆき)
老人ホームや在宅介護事業所、障害者授産施設で介護職を務めるなかで、介護業界で働く人を精神的にサポートしたいと思い、カウンセラーの勉強を始める。介護福祉士、認定心理士、一般社団法人心理技能振興会 心理カウンセラーの資格を持つ。
公開日:2015/2/26
最終更新日:2019/12/4