介護の仕事は、利用者の生活に寄り添う仕事。人として成長することもでき、他の仕事に代えがたい魅力があります。しかし一方で、肉体的・精神的なストレスは少なくありません。介護特有の仕事のストレス、人間関係のストレス、給与や体力への不安…
介護福祉士・心理カウンセラーの篠雅行さんがアナタのお悩みにアドバイスします。
今週のお悩み事例
みらいさん(特別養護老人ホーム 1年目 介護職 27歳)
今年、知り合いの紹介で特別養護老人ホームに就職しました。以前は印刷業で働いていましたが、会社が傾きかけたのと、人とふれあう仕事をしたいという理由から介護業界に転職しました。
「介護職は安定した職業」というイメージがあったのですが、精神的にも肉体的にもきつくて大変です。その割に給料が安い気がします。せっかく就職したので、なんとか続けたいと思っているのですが、不安です…。アドバイスよろしくお願いします。
篠さんからのアドバイス
みらいさん、日々のお仕事本当にお疲れ様です。
みらいさんは一般企業から転職したのですね。私も一般企業からの転職組でした。「人の心にふれる仕事がしたい」という理由から営業の仕事を選んだのですが、実際働いてみると、その思いと合わない部分があり、また会社が傾きかけたこともあって、試行錯誤した末に退職しました。
その後進んだ介護職の道は、私の思いと通じるところがあり、すんなり入っていけました。
国の政策で「介護士」を増やそうとしているので、「安定してそう」というイメージをもたれるかもしれませんが、実際の「介護の現場」は、過酷で大変な面もあります。慣れないうちは身体も疲れるし、気持ちもヘトヘトになりますよね。それでも続けられるのは「介護の仕事が楽しい」とか「介護の仕事を通して、何かを実現したい」とか、きついことを乗り越えるためのモチベーションがあるからではないでしょうか?
みらいさんは、まだ1年目。
「人とふれあう仕事がしたい」と思いがあり、また縁もあって、介護の仕事を始められたということは、何かしら、みらいさんの好きなことや、やる気につながるポイントが含まれている仕事だからではないでしょうか?
もちろん仕事内容のすべてが完璧に合うというわけではなく、大変なこともあると思いますが…
今までと違う業界に入り、介護という新しい仕事を始めたばかりで、今はとても大変だと思います。最初の難関を乗り越えれば、少しずつ仕事の楽しさややりがいを発見できると思います。
2年目、3年目…と経つうちに、いろいろな経験をして、仕事のペースもつかめるようになり、今感じているきつさも、徐々に軽減されてくると思いますよ。そうしているうちに、今のみらいさんと同じ悩みを抱える同僚や後輩ができるでしょう。みんなでその悩みを共有できれば、気持ちも楽になり、解決のためのアイデアもたくさん生まれると思いますし、楽しみややる気につながるポイントが見つかるのではないでしょうか?
そんな時期が来るまで、「体力をつけたり」「ストレス解消法」を身につけて、しばらく粘ってみることをお勧めします。もしそれでも、「介護の仕事は合わないかも」と思われるのであれば、転職を考えてみてはいかがでしょうか?
プロフィール
篠雅行(しの・まさゆき)
老人ホームや在宅介護事業所、障害者授産施設で介護職を務めるなかで、介護業界で働く人を精神的にサポートしたいと思い、カウンセラーの勉強を始める。介護福祉士、認定心理士、一般社団法人心理技能振興会 心理カウンセラーの資格を持つ。
公開日:2014/10/30
最終更新日:2019/8/14
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