介護の仕事は、利用者の生活に寄り添う仕事。人として成長することもでき、他の仕事に代えがたい魅力があります。しかし一方で、肉体的・精神的なストレスは少なくありません。介護特有の仕事のストレス、人間関係のストレス、給与や体力への不安…
介護福祉士・心理カウンセラーの篠雅行さんがアナタのお悩みにアドバイスします。
今週のお悩み事例
かおるさん(特別養護老人ホーム 2年目 24歳)
今年特養で働き始めて2年目ですが、転職を決意しました。でも毎日の仕事だけで精一杯、転職活動をする気がおこりません。
一人暮らしなので、次を決めて辞表を出したいのですが、今の仕事を続けるのも気力の限界です。どうしたらよいでしょうか?
篠さんからのアドバイス
かおるさん、日々のお仕事本当にお疲れ様です。
詳しい理由はわかりませんが、きっと試行錯誤して転職を決意されたのでしょう。
ただ、気力が弱り、体力もない今の状態で、転職活動を行うことはあまりおすすめできません。それは、たとえば面接の際に、やる気が感じられなかったり、心からの笑顔に見えなかったり、採用担当者がかおるさんに対して、良くない印象を持つ可能性があるからです。
身体も気持ちも現状から脱して、転職活動をするために、2つのポイントをご紹介します。
一つは、思考の切り替えです。
「今の仕事を辞めるために転職する」という思考から、「やりたいことがあるから転職する」というふうに切り替えて、転職の目的を別の方向から考えてみてはいかがでしょうか。
転職して新しい職場で「こんなことがしたい」、もっと働きやすい環境で「プライベートを充実させたい」など、現状の不満やつらさではなく転職後の希望を打ち出すと、気持ちが乗ってくると思います。
二つ目は、もっと人に頼ってみることです。
今の仕事のつらさや転職活動をする気になれないことの悩みを家族や友人に話してみてはいかがでしょうか。人に話すことで、かおるさんの焦りや不安がすこしでも解消され、気持ちが楽になるかもしれません。
また、ジョブカフェ(都道府県が管轄する若年者就業支援センター)のキャリアカウンセラーや福祉人材センターなど、仕事の相談にのってくれる人や場所を訪問してみることもおすすめします。問題を一人だけで抱え込まず、いろいろな人を頼ってアドバイスを聞いてみてください。他の人に相談することで、今行き詰っている問題点をあらためて整理でき、解決策が見えてくるかもしれません。
まず気持ちと身体を回復させてから、転職活動にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ただし、体調等に異変を感じられている場合は、早めに医療機関に行ったり、上司に相談することをお勧めします。
プロフィール
篠雅行(しの・まさゆき)
老人ホームや在宅介護事業所、障害者授産施設で介護職を務めるなかで、介護業界で働く人を精神的にサポートしたいと思い、カウンセラーの勉強を始める。介護福祉士、認定心理士、一般社団法人心理技能振興会 心理カウンセラーの資格を持つ。
公開日:2015/3/5
最終更新日:2019/12/11
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