2021年3月の有効求人倍率が、厚生労働省から発表されました。
今年に入ってからも緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が実施され、新型コロナの影響を受けている業界は多数。
新型コロナの影響で人出が減ったことにより、飲食店などを中心に売上の減少や仕事・雇用の調整が課題とされています。
求人数や有効求人倍率を見てみると、厳しい状態が続いていることが示されました。
有効求人倍率は増加しているけれど…
厚生労働省から最新の有効求人倍率が発表されました。
2021年3月の有効求人倍率は1.02。前の月(2月)よりも高くなっています。
※「有効求人倍率」とは?
「有効求人倍率」とは、求職者数に対してどれだけの求人があるかを表したものです。(有効求人倍率=求人数÷求職者数)
求職者(=仕事を探している人)の数に対して求人の数が増えると、有効求人倍率は増加します。つまり、有効求人倍率が高いときは、働き手が求められている(働き手が足りない)状態であるといえます。
しかし、ここで問題となっているのが、求職者数が増加傾向にあるということ。
昨年の3月と比べると、仕事を探している人(=求職者数)は1.14倍に増えているにも関わらず、求人数は減少しているんです。
有効求人倍率も3月は前年を上回りましたが、最近1年間の動向を見ると、減少傾向が見られます。
つまり、仕事を探している人は増えているのに求人が増えていないため、十分な雇用が整っていない状態です。
介護の仕事の動向は?
有効求人倍率は、産業や分野によってバラツキがあります。
例えば「介護サービス」では、有効求人倍率は3.44。
職業全体と比べて有効求人倍率は高く、介護業界で働き手が足りていないことが統計からもわかります。
介護業界は長年人材不足が問題となっていることから、未経験者を受け入れる体制が整っている会社が多いことも事実。これまで介護の仕事をしたことがない人でも、働きながら仕事を覚えたり資格を取ったりすることも可能な業界です。
他の産業・サービスに比べ、有効求人倍率が高い介護分野。
業界としては、人材の確保は緊急課題ですが、求職者にとっては、たくさんの仕事に巡りあえるチャンスです。
じっくり求人を吟味して、自分に向いた仕事、自分の経験を活かせる仕事を見極められるとよいですね。
(参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和3年3月分及び令和2年度分)について」)