「トリプルAを目指す」を合言葉に、特別養護老人ホーム アンミッコを運営している三浦祐一さん。その建物もサービスも、業界から「最高レベル」と賞賛されています。3回目のインタビューでは、多忙な中、さまざまな人との出会いや交流を大事にされていることの理由もうかがいました。
○●○ プロフィール ○●○
三浦祐一(みうら・ゆういち)さん
1963年生まれ。東邦大学大橋病院医事課、医療法人友康会(行徳中央病院・埼玉飯能病院)理事。事務局長、大手医療福祉グループの経営理事、㈱メディカルクリエイトのコンサルティング業務を経て、2011年、社会福祉法人天佑を設立。12年3月より特別養護老人ホーム アンミッコを開設。全日本病院協会診療報酬委員、医業経営コンサルタントでもある。
アンミッコ公式ホームページ
*掲載内容は取材時(2014年)の情報となります。
介護の世界でたくさんの交流をしたい
kaigoカフェのメンバーとのワークショップのシーン。
――三浦さんは日本全国を飛び回っていらっしゃいますね。講演や研修の講師をされたり、逆に勉強会に出席したり。仕事だけでも忙しい中、このような活動をされるのはなぜですか?
介護の世界に入る前は、長く医療の世界にました。こちらはさまざまなネットワークがあり、経験もあります。自分のFacebookには800人の友人がいますが、そのうち300人は医師です。
けれど、介護の世界では新参者なので、もっといろいろ勉強させていただきたい。介護事業を展開されている方とも知り合いになり、教えていただきたいという気持ちがあります。アンミッコで「いい介護」を目指すには、この世界での先輩方にうかがいたいことがたくさんあります。そこで、さまざまな会合に出席し、交流させていただいています。
――介護業界の横のつながりを築く「未来をつくるkaigoカフェ」のメンバーがアンミッコにおじゃまして視察をし、アンミッコでのサービスのアイデアを出すという企画も開催されましたね。
「未来をつくるkaigoカフェ」を主宰している高瀬比左子さんと意気投合し、介護に情熱的に携わる方々に施設を見ていただきたい、アイデアを出していただき、運営の参考にさせていただきたいという思いで開催しました。平日にも関わらず22名もの方々に来ていただき、たくさんの刺激を受けました。専門職の方々の意見を伺うのは、本当に貴重な機会ですね。
kaigoカフェメンバーの中に入り込んで対話を。
――公私ともに三浦さんにはたくさんのお知り合いがいて、楽しい交流をされています。とても社交的ですね。
人と会い、話をするのは嫌いじゃないですね。けれど、社交的というわけではありませんでした。小学生の頃は消極的で、授業中、手も上げられない子供でしたから。それを言うと「意外」と言われそうですが(笑)。変化したのは中学生ぐらいの頃でしょうか。そういう自分を変えようと思ったんですね。
父の影響もあったと思います。父はとても社交的で、太陽みたいな人でした。父が現れるとぱっとその場が明るくなり、だれもが注目する。だれとでもフランクに話す父に憧れていましたから。父みたいになりたいという思いがあって、今に至ります。
――三浦さんこそ、だれとでも分け隔てなく話し、思いを聞いてくださる方だと思います。また、情報発信も積極的にしているとお見受けします。
世の中の介護を変えたい、という思いがあります。経験と勘に根ざしたサービスではなく、科学的な根拠のある介護を目指したい。個人の思いを無視した集団ケアでなく、個性を尊重する個別ケアを追求したい。そのために、自分たちがしてきたことを、情報発信しています。おこがましいですが、私たちがやってきたことを知っていただいて、介護業界の方々の参考にしていただけたらという思いがあります。そうした情報のやりとりの中で、私たちもさらに研鑽したいと考えます。
kaigoカフェ主宰・高瀬比左子さん
○●○ 三浦さんはこんな方です! ○●○
社会福祉法人の理事長というお立場にも関わらず、誰に対してもフラットな方だな、というのが第一印象でした。
現場の目線を大事にしていらっしゃる方ということも感じましたね。現場に入って現場を知ろうという気持ちが強く、アンミッコに愛情を持って運営している。よいと思うものは取り入れ、従業員の方のやりたいことを支援する、前向きで柔軟な発想をお持ちの尊敬できる方ですね。
職員には外の世界ではばたき、いい介護を広めてほしい
――アンミッコに勤務されている職員への教育が充実していることも評判です。
いい介護をするには、いい職員がいること。これは絶対条件です。それにはまず、採用説明会を行って社歴や理念・方針、欲しい人物像などについても具体的に示します。そして、施設を案内し、本気で「アンミッコで働いてみたい」という方に応募していただく。ここが大事です。なんとなく応募してなんとなく採用されてしまったら、アンミッコの理念と違う形で利用者様に接してしまうかもしれない。そんなことはあってはならないことです。
幸いにも、最近は募集をかけると2倍程度の方が応募してくれます。いい人材の確保ができる環境にあります。ただ、いい職員をいつまでも束縛することは考えていません。
アンミッコでは、毎月最低1回は研修を受けることを義務付けています。このペースで勉強を重ねていくと、3~5年でリーダーたるべき資質を身に付けることができます。けれど、たくさんの先輩がいれば、リーダーのポストは回ってきません。ならば、
外に出て、アンミッコの「いい介護」を広く社会に広める役目を果たしてほしい、と職員にはよく言います。自分たちの組織だけが突出してよくなればいいということではありません。介護業界全体が「いい介護」を目指してよりよい介護の専門家になっていくことを、我々は応援したいと思っています。
最終回の次回は三浦さんの近い将来のビジョンや、同業者へのメッセージを語っていただきます。
*介護求人ナビの姉妹サイト「オアシス介護」では、アンミッコの設備やサービスを詳しくご紹介しています。
オアシス介護 介護の知恵袋 「特別養護老人ホーム アンミッコ」