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2019年01月08日

社会福祉法人「天佑」理事長 三浦祐一さん 1 ~介護業界・注目の人 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

福祉の世界で、情熱を持ってキラキラと輝いて生きている「情熱かいごびと」。今回からは、「設備もケアも理想的」と評判の特別養護老人ホームを運営する三浦祐一さんに、情熱を語っていただきます。本当にいい介護とは? その答えを、三浦さんの言葉から考えてみましょう。



prof○●○ プロフィール ○●○

三浦祐一(みうら・ゆういち)さん

1963年生まれ。東邦大学大橋病院医事課、医療法人友康会(行徳中央病院・埼玉飯能病院)理事。事務局長、大手医療福祉グループの経営理事、㈱メディカルクリエイトのコンサルティング業務を経て、2011年、社会福祉法人天佑を設立。12年3月より特別養護老人ホーム アンミッコを開設。全日本病院協会診療報酬委員、医業経営コンサルタントでもある。

アンミッコ公式ホームページ



*掲載内容は取材時(2014年)の情報となります。

特養だからこそ、最高のケアと設備にこだわった

大きな看板もなく、まるで高級マンションのような外観。
大きな看板もなく、まるで高級マンションのような外観。

――特別養護老人ホーム、略して「特養」といえば、古くは虐待などの被害にあう高齢者や、寝たきり状態で常時介護が必要な高齢者の「措置施設」でした。今もその印象が残るのか、「相部屋、実質的、利用料金が安い、だから文句は言えない」というような連想が働いてしまう方もいますね。

そうですね。特養はまだまだ4人部屋のところが多く、大浴場で入浴するなど、『集団ケア』の形態にならざるを得ないところがあります。また、ユニット型の特養で個室のケアだとしても、時間に追われている施設もあるでしょう。利用者様の生活リズムや好みというより、職員の都合でみなさん同時に動いていただき、結局集団ケアになってしまっているところも見受けられます。

まだ寝ていたいのに、起こされて食事をさせられる、お風呂で裸同然の格好で順番を待たされる。こういう施設には絶対にしたくない、というのが私たちアンミッコの出発点でした。特養だからこそ、本当の個別ケアをしたい。特養の常識を変えたいと思っています。

室内に入ると広々とした空間と中庭が。
室内に入ると広々とした空間と中庭が。

――アンミッコは建物や設備もすばらしいですよね。まるで高級マンションのような外観。中も豪華で、特養の中にいることを、忘れてしまいます。

特養はもともと、中重度の要介護者が数多く暮らす施設。平成27年度の介護保険法改正により、要介護3以上が入所の目安となる場所でもあります。言ってみれば、『終の棲家』でもあるのです。その生活の場を、最高のステージにしたい。よい人生だったと振り返っていただきたいのです。そのために、建物の意匠にもこだわりました。

アンミッコを作るときには、仕様や構造など、基礎的な部分の基本設計と、質感やデザインを決める意匠設計とを、それぞれの専門の会社に分けて依頼しました。意匠設計はイタリアで仕事をしていた設計者によるもので、このオレンジ色は、”エルメスのオレンジ色”を意識しているんですよ。

なぜ、意匠設計を別に頼んだのかといえば、ひとつは、利用者様に、ここで生活することに誇りをもっていただきたいから。美しい施設なら、施設の外のお客様を招待したくなります。
ふたつ目は、ご親族を入所させたご家族に対して、うしろめたさを軽減させるためです。設備やデザインのいいアンミッコなら、入居させたい、と思ってくださるでしょう。
そして3つ目は、職員のモチベーションを上げるためです。

アンミッコの理念は『輝かしい人生のために』です。利用者様には、人生の最後を飾るにふさわしい舞台で、輝いていただきたい。それには、私たち自身が輝き、本物の笑顔でケアをさせていただくことも大切です。さらには、地域で輝く存在になるためにも、建物や設備にこだわりました。


人の生き死にとは関係のないところに行きたかったが……

――三浦さんは、最初から介護の業界で輝きたいと思っていたのですか?

いえ、長い道のりがありました。
実家は老人病院(現在は介護型療養病院)を経営していまして、幼い頃から人の生き死にを見てきたんですね。それゆえに、『こういうことを職業にするのは向いていない』と思っていました。救われなかった命や無念の死なども身近で感じますし、患者さんの生命を背負う病院の仕事は、非常に厳しい。だから、人の根幹に関わることではない、リゾートとか旅行とか服飾とか、いわば贅沢な部分を仕事にしようと、家を出ました。
最初の就職はアパレル企業でした。楽しく4年間働いたんですよ。しかし、実家から帰ってきてほしい、と言われまして。考えた末、アパレル企業を退職し、大学病院の医事課で「修行」をしてから実家に戻り、28歳で事務長になりました。

――病院の事務長という仕事は、まさに”人の生き死に”を医師とは違う形で受け止め、病院を組織として成り立たせる要となる立場。責任も大きくのしかかりますね。医療現場のさまざまな矛盾も目にされたのでは?

アパレル企業で1枚の服を売ろうと思ったら、5回『ありがとうございます』というのはあたりまえです。靴をおすすめするときは、お客様の足元に膝まずいて靴を履いていただく。ところが、病院というところは、お金を払う患者さんを行列させ、待たせ、診療した後は『ありがとう』というのは患者さんで、医師は言わない。これはどうなのか、と。もっと人のために役立ちたい、いいサービスを提供したいと、いつしか思っていました。



次回は、病院での事務長として活躍していた頃を振り返り、三浦さんが、医療と介護の関係性について語ります。



*介護求人ナビの姉妹サイト「オアシス介護」では、アンミッコの設備やサービスを詳しくご紹介しています。
オアシス介護 介護の知恵袋 「特別養護老人ホーム アンミッコ」

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