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2014年11月03日

「介護報酬6%マイナス?」 現場への衝撃度は? | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

jikenbo20141103毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「介護報酬6%マイナスの衝撃」というお話を紹介します。

3年に1度行われる介護報酬の見直しについて、財務省が平均6%程度の引き下げを求める方針であることが判明。現場からは一斉に不満を訴える声が上がっている。

介護報酬とは、事業者が利用者に介護サービスを提供した際に、その対価として事業者に支払われるサービス費用のこと。その価格はサービスごとに設定されていて、各サービスの基本的なサービス提供にかかる費用に加え、各事業所のサービス提供体制や利用者の状況などに応じて、加算・減算される仕組みとなっており、3年ごとに見直しが行われる。

財務省は、介護サービスを提供する事業者の利益率が高過ぎることを理由に、6%の引き下げを求めている。
その背景となったのは厚生労働省が10月3日に発表した、今年の3月時点での「介護事業者経営実態調査」。その資料では、以下のことが指摘されている。

●介護サービス事業者の平均の収益率は「およそ8%」
一般の中小企業の平均の収益率「2~3%程度」という水準を大幅に上回る

●社会福祉法人の内部留保は「平均で3億円以上、総額で2兆円に上る」
社会福祉法人は補助金や税制上の優遇措置を受けているため、多額の内部留保がある

介護費用の抑制は、国にとって大きな課題だ。現在、9~10兆円に上る介護費用は、2025年には21兆円に達する見込み。財務省の試算では、介護報酬を1%下げることにより税金や保険料などの国民負担は1000億円減る計算で、6%マイナスなら6000億円減る計算となる。ちなみに2012年の改定率はプラス1.2%、2009年はプラス3.0%だった。介護報酬が下げられれば、利用者の自己負担は軽くなるが、介護報酬が下がれば当然事業者の収入は減り、経営は圧迫される。しかし財務省は、内部留保で対応できるとの見解を示し、人件費の確保には影響がないと主張している。

こうした財務省の方針に対し、現場からは強い反発の声があがっている。特別養護老人ホームで作る「全国老人福祉施設協議会」が「サービス低下を招きかねない」として反対意見を述べたほか、ネット上の書き込みを見ても、

「収入である介護報酬を減らしたら企業として真っ先に考えるのは人件費などの固定費の見直しでしょう」
「報酬減った事業所が従業員の待遇を改善するかな」
「そうしてまた介護をする奴がいなくなるわけだ」
「ただでさえ人集まらないのにこれはもう・・・」


と、この方針を批判・悲観する声が続出している。

介護報酬は、施設費用などに充てられる「基本部分」と、職員の処遇改善に充てられる「加算部分」があり、加算部分に関しては拡充されるという。しかしネット上でも指摘されているように、収益率の低下と人材の確保や待遇改善が容易に共存し得るものではないのは客観的に見ても明らか。厚労省は来年1月に介護報酬の改定率を発表する予定だが、その数字がどうなるかによっては大きな波紋を呼ぶことになりそうだ。

※参照
●厚労省発表の「介護事業者経営実態調査」概要(PDF)
●「全国老人福祉施設協議会」介護報酬の現状維持を求め記者会見

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