毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「介護の仕事は太る? 痩せる?」という話題を紹介します。
5キロ痩せたOさんが語る、介護職が「痩せる」要因は?
テレビの特集や週刊誌の鉄板企画といえば「ダイエット」。男性も女性も、そして老いも若きもこれほど興味を持つネタもなかなかないが、介護の仕事をしていると、太るのだろうか? それとも痩せるのだろうか? 介護付き有料老人ホームで働く30代の男性・Oさんは、「痩せました」と語る。
「私の場合、最初の数か月で5キロほど体重が減りました。やはり新しい世界に飛び込んだという緊張と、『人の命を預かっている』という緊張で、気が付いたら痩せていました。ただ、痩せたことに気付いたら、その後は痩せなくなりましたけど(笑)。とにかく体を使う仕事ですし、私は腕などにかなり筋肉が付きました。筋肉質の体になることで基礎代謝があがり、太りにくくなるということはあると思いますよ」
休みの日には、体力づくりのために運動を欠かさず、太る要素などまるでないOさん。しかし、その話しを横で聞いていた、同じ施設で働く40代の女性・Hさんは、「Oさんは特別」「介護職は絶対太ります」と語る。
「介護職は絶対に太る」というHさんによると
「勤務時間中は、とにかく食事をとる時間が不規則になってしまうんですよ。とはいっても介護職は体力勝負の仕事なのでお腹も空くし、『たっぷり食べなきゃ』との思いがどこかにあるんでしょうね。ついついカツ丼などのガッツリしたものを選んでしまい、深夜でも平気でペロリと完食してしまいます。さらに、いわゆる“寝酒”をしてしまうんですよね。勤務後はいつもヘトヘトで、すぐに寝たいので、ビールや缶チューハイなどを飲んでしまうんで、それも体重が増える原因でしょう」
具体的に何キロ増えたのかは教えてもらえなかったが、「細い時代もあったんですよ」という言葉から今の状態が忍ばれるHさん。Hさんの部下のCさんも、Hさんに同意する。
「私の場合は、経験が浅いせいでなかなか仕事の要領がつかめなくて、勤務時間中は食べる時間が全然取れないんです。なので一時期は『ササッと流し込めるから』という理由でカレーライスばっかり食べてました。今でもおにぎりとかサンドイッチとか、簡単にすぐに食べられる炭水化物ばかりを選んでるんで、確実に体重は増えてますね。あとは眠気防止のために、仕事の合間に甘いものをちょっとつまんでしまったり……」
これについて、「もっとメニューを選べば良い」「甘いものなんて…」「寝る前に酒を飲むなんて論外」というのは簡単だが、痩せたOさんも、食事時間が不規則になりがちという点については同意している。身もふたもない結論になってしまうが、3人の意見を聞く限り、ある程度の自制心がなければ、太りやすい条件が整った職場ではあるようだ。