毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「介護業界への転職のきっかけとなった転職フェア」という話題について紹介します。
軽い気持ちで参加した介護の転職フェア
介護業界に限らず、自分が求める条件に合った仕事場を探し出すのはなかなか大変なこと。
インターネットが普及したことにより、雇用形態、労働時間、給与、福利厚生を調べることは容易になったが、その会社でどんな人が働いているのかは、最終的には自分の目で確かめなくてはならない。
ただ、理想とする希望通りの仕事場を見つけるのはなかなか難しいもの。そんな時にとても便利なのが、自治体などが開催している「転職フェア」だ。
神奈川県川崎市の介護事業所で働くユキさんも、転職フェアで仕事場を見つけたうちの1人。
10年以上勤めた通信系の会社での営業の仕事を辞め、失業中だったユキさん。
ある日、新聞に入っていた折り込み広告で、地元の自治体が介護の仕事の相談・説明会を開催することを知り、会場が自宅に近かったことから、軽い気持ちで参加した。
また、失業手当をもらっていたユキさんには、給付条件を満たすために、転職フェアに参加することで求職活動実績を残すという目的もあったとのこと。
ユキさんがそのようなイベントを訪れるのは始めてだったが、そのとき訪れた介護業界の転職フェアは、市が所有するホールで開催されたかなり大掛かりなものだったようだ。
興味がなかったはずの介護業界へ転職することに
ユキさんが参加した転職フェアには20以上の介護事業所が出展していて、資料の配布、各出展事業所による会社説明やPRタイム、ブースでの相談、説明、面接などを実施。
子ども連れの参加者のために託児コーナーが設けられていたり、ブースを回るとスタンプが押され、一定の数に達すると記念品がもらえたり、終了後に無料のバスで近隣駅まで送迎してくれたりと、何かにつけて非常に行き届いたサービスがあったという。
ユキさんはいう。
「私は正直、介護業界はまったく転職の選択肢に入れていませんでした。でも、いろいろな事業所の話を聞いているうちに、みるみる興味が湧いてきたんです。
フェアに行くまでは前職と同じ営業職への転職を考えていたのですが、介護職ならこれまで培ったコミュニケーション力も生かせそうだし、条件も悪くありませんでした。何よりも、おばあちゃん子でお年寄りが大好きだったんです。
しかも、私は普段着で履歴書も持たずに行ったのですが、いくつかの事業所のブースでは、そのまま面接をしてくれました。
結局、特に興味を持った事業所に後日改めて面接をしてもらい、めでたく採用され、今に至っています」
会場では、無料で証明写真を撮ってもらえるサービスや、履歴書の書き方指導、面接の模擬テストなども行われており、それらをすべてしっかり利用したユキさんは、「至れり尽くせりで驚きました」と、語っている。
こういった転職フェアは、多くの自治体や団体が開催しており、中には参加費が無料のものも。
転職サイトや転職フェアを上手に使えば、気に入った仕事場が見つけられそうだ。