毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「面接が苦手な人へのおすすめアイテム」という話題について紹介します。
介護職になりたいけど…面接が大の苦手
就職や転職をする際、ほぼ間違いなく行われるのが採用面接。
採用側にとっては、応募者がどんな人物なのかを把握するための重要な場であり、入社を希望する者にとっては、自分をアピールする絶好の場だ。
だが、中には「緊張してしまって、うまく話せない」「初対面の人と話すのが苦手」など、面接が嫌いな人も少なくないだろう。
現在、都内の介護事業所で働くダイジロウさんも、面接が大の苦手だったそうだ。
「私はもともと大手運送会社でトラックのドライバーの仕事をしていました。
車の運転が大好きで、ドライバーの仕事はピッタリだったのですが、あまりに仕事がキツくて、体が限界になってしまい、ドライバーをやめざるを得なくなってしまいました。
同業他社に移ることも考えたのですが、他の会社も労働条件は似たようなもの。そんな時、介護の仕事をしている叔母から、『介護業界は男手が足りていない』と言われ、介護業界に興味を持ちました。
しかし、ドライバーは男性社会ですが、介護業界は基本的に女性社会です。
ただでさえ人見知りなうえ、中学と高校の6年間を男子校で過ごしたので、面接官の女性を相手に、まったくうまく話すことができませんでした」
その後も立て続けに面接で失敗してしまったダイジロウさん。
それでも、「そのうち緊張しなくなるだろう」と、高をくくっていたが、友人から耳の痛いアドバイスを受けたそうだ。
「今回は練習」と面接に挑むのは意味がない?
「私は、場数を踏めば緊張しなくなると思っていたのですが、会社で面接官をしている友人にそのことを話すと、こんなことを言われました。
『“落ちてもいいや、今回は面接の練習だから”なんてスタンスで面接を受けていると、面接官に本気さが伝わらないし、そんなヤツはきっと受からない。それに面接で何度も落ちると、逆にどんどん苦手意識が強くなるぞ』と言われてしまいました。
確かに友人の言うとおりです。“緊張で頭が真っ白になった”という経験は、何の役にも立ちません」
そこで友人にアドバイスを求めると、面接のやり取りを録音することを勧められたそうだ。
「ICレコーダーを買って、面接を録音してみると、かなり早口で喋っていること、すべての文章が『えーと』で始まっていること、回答が長過ぎることなどが分かりました。
明らかな改善点が見つかって良かったですし、『これじゃあ受からないわ』と気づけただけでも大収穫でした」
ICレコーダーの購入はハードルが高いようであれば、面接中に電話がならないように注意をしたうえで、スマホの録音アプリを使用するのもいいだろう。
また、ダイジロウさんのように本番での録音ではなく、家族や友人に協力してもらい模擬面接を録音してみるのも有効だ。
ダイジロウさんは、ゆっくりと、短い文章で話すことを心がけただけで、次の面接ではあっさり合格したのだそう。
ただし、「自分がしどろもどろになっている姿を確認するのは、死ぬほど恥ずかしい」そうなので、その点は少々覚悟が必要なようだ。