毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、高齢者を取り巻く「生命保険」のある事例について紹介します。
年金制度の破綻の危険性が指摘され、社会保障の不安が叫ばれる昨今、生命保険に加入することはもはや市民の常識だ。テレビや新聞、雑誌などでも「持病があっても」「入院経験があっても」「70歳以上でも」と、生命保険加入を促す広告が花盛り。しかし都下に住むUさんの家族は、生命保険がきっかけで、ちょっとした家族不和を招く羽目になった。
Uさんは現在70代。10年ほど前に大病を患い、その後も入退院を繰り返していた彼女は、夫を早く亡くし、子どもたちも独り立ちして遠方にいるため、2年ほど前から介護付き有料老人ホームで生活している。
そんなUさんのもとを先日、保険会社の担当者が訪れた。その用件は、それまでシンプルな掛け捨ての生命保険にしか加入していなかった彼女に対し、生命保険が切れることを告げ、なおかつ保険の継続や掛け替えなどを案内しようというもの。Uさんは即答を避け、子どもたちの判断を仰ぐべく「とりあえず検討します」と返事したのだが、ふとしたやりとりがトラブルの種になった。
Uさんはセールスマンに冗談めかして「じゃあ今死んだら、いくらもらえるの?」と尋ねた。もともと彼女に掛けられた生命保険は、亡くなった夫が契約したものだったうえ、入院生活が長かった彼女のお金の管理は子どもが行っていたため、自分の保険のことをろくに把握していなかった。ところがセールスマンがUさんの質問に答え、「○○円です」と答えたところ、その額の大きさに驚いたUさんが、「いま死ねば、その額が子どもたちに入るのね……」と、複雑そうな表情でつぶやいたのだ。
そこでセールスマンは、Uさんの微妙な心境の変化を察知、すぐさまUさんの子どもと連絡を取り、「そのような質問をされた場合、我々は額を答えざるを得ないので……」と状況を説明したのだが、息子さんいわく、それ以来Uさんは、子どもたちへの対応がよそよそしくなったのだとか。そんなこともあって、Uさんの生命保険の見直しは、いまだに進んでいないという。
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