コロナ対策が続く介護施設では、介護士たちもみんなお疲れモード。
家庭でも活躍中の“ある物”は、介護施設でも大活躍だとか。私の職場にも欲しい……!!
今年は新型コロナの話題一色
2020年の最大のトピックと言えば「新型コロナウイルス」。本来なら東京五輪の話題で一色になるはずだったが、五輪開催は延期となり、街中から外国人の姿は消え、街往く人はみなマスクを付け、繁華街は閑散とし……。
誰もが想像し得なかった事態が連続しているが、それは介護施設においても同じだ。
コロナ対策で仕事量は増えました
騒動の始まりから数か月が経過し、コロナ対策は当たり前の行為となったが、介護施設で暮らすのは、体力が無く、抵抗力が弱いお年寄りばかり。
介護施設でひとたびクラスターが発生すれば、大量の命が脅かされるだけに、感染症対策は何よりも重視されている。
都内の介護付き有料老人ホームで働くタジマさんはいう。
「率直に言って、
コロナで仕事量は増えました。
今でこそ“マスクが足りない問題”は解消されましたが、4月・5月はマスクを確保するだけでも一苦労。
スタッフは
マスクを確実に手に入れるために駆けずり回りましたし、家族用にマスクを持って帰るスタッフのことが問題になったこともありました。
出勤時には検温がありますが、体調が悪いという自覚症状が無いのに37度台と表示され、帰宅させられる者がいたり、検温する場所が“密”になったり、検温時に使う体温計を消毒していなくて、騒動になったり……」
衛生管理に神経をすり減らす毎日に
「施設内でも、ドアノブ、照明のスイッチ、共用ルームのエアコンやテレビのリモコン、階段の手すり、エレベーターのボタンほか、
ありとあらゆる場所をスタッフの誰かがゴシゴシと拭いて消毒しているような状況です」
これまでも介護施設は、一般家庭よりも高いレベルで清潔が保たれてきた場所だったが、
「気の使い方はマックス状態」だとか。
老人ホームに「お掃除ロボット」登場で……
そんな中、少しでもスタッフの作業を減らすために導入されたのが“ロボット”だという。
「仕事が増えて不満を言うスタッフが続出したため、施設長が広く業務改善案を募集。すると、60代のベテラン女性スタッフが、『娘が掃除用ロボットを買ってくれたんだけど、とっても便利よ』と話したため、試しに数台導入してみました」
とりあえず導入したのは、地面を這うように動き回る
円盤型の掃除機。未知の物体が勝手に動き回るのを見た入居者の男性が、杖でツンツンと突くという笑えるトラブルもあったが、効果は予想以上。
施設での大量購入が決まり、「おそうじクン」などと、あだ名を付けているお年寄りもいるという。
スタッフ歓喜!負担軽減のロボットたち
そして“機械化”の流れは止まらず、施設ではさらなる機器の導入が検討されているという。
「掃除に関しては、“費用対効果が大きい”ということで、家庭用の無人掃除機でなく、業務用の掃除機を購入することになりました。担当スタッフは、ビルメンテナンスの会社のスタッフと打ち合わせをし、近々導入される予定です。先方も、介護施設への導入は未経験だったので興味津々で、『データが欲しい』ということで、安く導入できるようです」
「また、ベッドに関しても、ウチの施設は手動型のリクライニングベッドが主流でしたが、
電動ベッドを導入することが決定。徐々にですが、スタッフの負担を軽減する措置が取られています」
介護現場でも、大切なのは労働環境
何でも機械に頼るのは危険だが、頼めることはどんどん機械に頼むのは時代の流れだ。介護業界歴の長いタジマさんは、冷静にこう分析する。
「これからどんどんとお年寄りが増え、働き手が足りなくなれば、介護業界を志す人は少しでも条件の良い施設を選ぶでしょう。
もちろん給与も大切ですが、それ以上に大切なのは
労働環境です。ロボット掃除機や電動ベッドなど、スタッフの負担を減らす努力をしているということは、
雇う側にスタッフを大切にしようという気持ちがあるということ。誰も損をしない有効な投資だと思います」
お掃除ロボットがあれば、すなわち良い施設というわけではないが、1つの目安にはなりそう。施設を見学する際には、足元をチェックした方が良いかも?
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