夢と希望にあふれて転職したのはいいけれど、働き始めたら違和感を感じること、ありますよね。「想像していた待遇と違う」「最初から知っていれば転職しなかったのに」…こんなことなら辞めたい…。
ここでは、そんな転職の先輩の失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
〈事例1〉せっかく資格をとったのにやっているのは家事ばかり…これって介護の仕事なの?
32歳/女性/サチ
スクールに通って介護職員初任者研修の資格をとり、訪問ヘルパーに転職しました。でも訪問先でしているのは、料理や掃除ばかり。まるで家政婦さんです。先日は庭の手入れや窓ガラスの掃除まで頼まれてしまって…。
「介護がしたい」と思って資格をとったのに、毎日こんな仕事ばかりではやる気が出ません。
《アドバイス》
訪問ヘルパーの仕事は、大きく分けて2つあります。食事・排泄・入浴などの介助を行う「身体介護」と、掃除・洗濯・買い物・調理などを行う「生活援助」です。
生活援助も利用者が自宅で生活していく上で欠かせない「介護の仕事」。介護のプロとして、しっかり取り組むことが大切です。
しかし、あなたが家事ばかりの仕事に不満を持っていることや、庭の手入れなどを頼まれていることは問題です。
●生活援助が多いことに不満を持っている場合
訪問介護サービスの利用者には、要介護度が高く身体的なサポートが必要な方もいます。しかし、サービス提供責任者があなたの経験が浅いことを考慮し、要介護度が低い利用者を担当させている可能性もあります。
「もっと身体的な介助がしたい」という希望があることを伝え、訪問先を調整してもらってはいかがでしょうか。
●生活援助以外の仕事を依頼された場合
庭の手入れやペットの世話、大掃除などは、介護保険では行うことができないサービスです。
しかし、訪問ヘルパーと家政婦を勘違いしている利用者も多いため、要望されてしまうこともあるでしょう。説明して、きちんと断る必要があります。
説明を理解してもらえない時は、サービス提供責任者に相談し、利用者に介護保険のサービスを理解してもらうよう働きかけてもらいましょう。
それでも「身体介助をメインでやりたい」と思うなら、転職を考えることも一つの選択肢です。
特別養護老人ホームなど要介護度が高い入所者が多い施設は、身体介助の仕事の割合が高い傾向があるため、あなたの希望と合うかもしれません。
〈事例2〉訪問ヘルパーは職場の人間関係を気にしなくていいと思っていたのに…
41歳/女性/かずえ
以前は介護施設で働いていましたが職場の人間関係がわずらわしくて…。
訪問介護なら一人で仕事に集中できると思い、訪問ヘルパーに正職員として転職しました。でも、今の職場はヘルパー同士のつながりがすごく強いんです。
仕事が終わった後も事業所に集まって、ずっとおしゃべり。書類を提出したらすぐ帰りたい私には、居心地が悪くてしょうがありません。
《アドバイス》
「訪問介護事業所」と一言でいっても、事業所によって雰囲気やヘルパー同士のつながりは違います。
あなたの職場のように、ヘルパー同士が和気あいあいと仕事をしている事業所もあれば、他のヘルパーとはほとんど会うことがないという事業所もあります。
しかし、どちらにせよ訪問ヘルパーだからといって、一人で仕事をするわけではありません。ヘルパー同士の情報共有も必要ですし、一人の利用者を複数のヘルパーが担当するケースもあります。
そのため、積極的にヘルパー同士の交流の場をつくっている事業所も少なくありません。
ヘルパー同士のコミュニケーションや情報共有は、利用者へのケアやあなた自身のスキルアップに役立つこともあります。また悩みを相談したり、ストレスを解消するのにも役立つかもしれません。
仕事が終わった後の少しの時間だけだと割り切り、会話に参加するようにしてみてはいかがでしょうか。
それでも自分には合わない、仕事だけに集中したいと思うなら、登録ヘルパーとして働くという選択肢もあります。登録ヘルパーは、案件単位で動くため、正職員に比べて、密接な人間関係を求められない傾向があります。
また、派遣として一定期間(数か月など)働いて、本人と派遣先事業者のそれぞれが合うかどうかを見極め、合意のもとに社員の道を選ぶ「紹介予定派遣」という制度もあります。
〈事例3〉ずっと話しかけてくる利用者様。おしゃべりに付き合うのもヘルパーの仕事?
43歳/女性/光子
ひとり一人に合わせた個別ケアがしたいと思い、特別養護老人ホームから訪問介護に転職しました。でも、ある利用者様の対応に困っています。
訪問するとずっと話しかけられ、仕事にならないんです! 利用者様が楽しそうなので、途中でさえぎることもできなくて。
でも仕事が時間内に終わらないし、訪問後はぐったりしてしまいます。
《アドバイス》
利用者が楽しそうに話しているということは、きっとあなたの訪問を心待ちにしているのでしょう。利用者に信頼され、訪問を喜んでもらうことは、訪問ヘルパーの仕事の大きなやりがいの一つです。
また、利用者があなたと話しをすることに「生きがい」を感じているのなら、話に付き合うことも介護の仕事の一つと言えるかもしれません。
しかし、それによってケアに支障が出たり、やるべき仕事がままならないことは問題です。
あまりにも仕事に影響があるようだったら、あなた自身の対応を変えたり、他の介護サービスとの連携を考える必要があります。
●あなた自身の対応を変える
あなたと同じ悩みを抱えているヘルパーも多く、以下のような方法できりぬけているようです。
・利用者の話に相づちを打ちながら仕事をする
・利用者と「話をする時間」を決める
他にもいろいろな方法があるでしょう。一人で悩まず、サービス提供責任者やまわりのヘルパーに相談して、対応を考えてみてはいかがでしょうか。
●他のサービスとの連携を考える
その利用者は「誰かと話したいけど話す場がない」というストレスを抱えているかもしれません。また、もしかしたら認知症などの病気の前兆ということも考えられます。
サービス提供責任者やケアマネジャーに相談し、以下のような対応を提案してみるのもいいかもしれません。
・デイサービスを利用するなどして「話ができる場」を作る
・医師の診断を受け、適切な治療を受けてもらう
訪問ヘルパーは、利用者の状況を一番近くで感じ、知ることができる仕事です。利用者のニーズにあわせながら、適切な介護サービスができるヘルパーをめざしてください。
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