試験や研修をクリアしてケアマネの資格を取得して転職。でも、新人ケアマネとして実際に働いてみると想像していたより業務が大変で、思っていたようにはいかない…。
そこで今回は、ケアマネとして転職した先輩の失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
《事例1》ケアマネとして初めて転職。でも前任から引き継ぎがなくて…
33歳/女性/とみえ
ケアマネの資格を取って、居宅介護事業所に転職。ケアマネの実務は今回が初めてです。しかし、前任者はすでに辞めていて、利用者に関する引き継ぎは一切なし。新人なのに引き継ぎもなく、いきなり30人以上の利用者様を把握しろと言われても、無理! 幸い、他のケアマネもいるので、わからないことは聞きまくり、なんとか業務はこなしていますが…。ホント、困っています。夢を抱いてケアマネになったのに、転職早々、挫折しそうです。
《アドバイス》
事業所によってはギリギリの人員で運営しているところもあります。前任者の急な退職での欠員募集だと、引き継ぎがほとんどないことも少なくありません。また、何かトラブルがあって前任者が辞めてしまったというケースでは、引き継ぎどころか、前任者の尻ぬぐいからスタートすることもあります。
介護職であれば、施設には複数のスタッフがいるので、直接前任者から引き継げなくても、周りからサポートしてもらうこともできるでしょう。しかしケアマネは人数が少ないですし、それぞれ自分の担当以外の仕事内容は知らないということもあります。
新人のケアマネにとって、引き継ぎもないまま利用者を任されるのは、非常に過酷な状況ですよね。
そんな辛い体験をしないためにも、転職の際には、以下の点を確認しておくと良いでしょう。
●欠員募集の場合、前任者との引き継ぎはあるのか?
●引き継ぎの期間はどれくらいあるのか?
●最初にどのような仕事が求められるのか?
●ケアマネの教育、研修体制はどうなっているのか? など
特に新人ケアマネにとって、転職後に安心して仕事がスタートできる環境かどうかは重要なポイント。遠慮せずに聞いておきましょう。
さて、今回のあなたのケースのように、すでに前任者が退職してしまっている場合は、どうしたら良いでしょうか。
事業所に他のケアマネがいる場合は、とにかく他のケアマネに質問し、確認し、フォローしてもらい、現状を乗り切ることに集中していきましょう。また、上司にもどんどん実情を伝え、フォローしてもらって下さい。
周囲も忙しかったり、面倒くさそうな対応をされると、つい遠慮してしまいますが、でもあきらめないで。今回の質問者のように、どんどんわからないことは聞きまくりましょう。ケアマネとしての対応が遅れたりおざなりになることで、困るのは利用者や家族です。そして、ほかのケアマネや上司も、そのことはわかっているはず。謙虚に質問し、真摯に取り組めば、必ずや協力してくれるでしょう。
思い描いていたスタートと違ったからと嘆いてばかりいても仕方ありません。ここは覚悟が試され良い経験が積めると前向きに考えましょう。
《事例2》ケアマネの資格は取ったものの、想像以上の大変さです…。
45歳/女性/照代
休日にコツコツ勉強し、苦労の末、ケアマネ資格を取得。そして訪問介護スタッフから、特別養護老人ホームのケアマネに転職しました。でも実際にやってみると、ケアマネの仕事は想像以上に大変。介護職の頃より、はるかに多くの知識が求められるし、複数の利用者様に目配りする必要もある。介護スタッフへの配慮も欠かせません。もう、毎日へとへと…。これ以上やっていく自信がなくなってきました。
《アドバイス》
ケアマネは、利用者ごとの制約や問題点等の情報を集め、ベストのケアプランを検討していくのが仕事です。担当する利用者も数十人になります。サービスの種類や保険制度、費用面など、幅広い分野で豊富な知識がなければ、多様なニーズに応えることができないでしょう。
しかも、ケアマネが対応するのは、利用者や家族だけではありません。介護事業者や医療機関とも連携し、全体を把握しコーディネートしていく力が必要です。
介護スタッフだったときとは、求められることが違うので、慣れるまでは大変かもしれません。向き、不向きもあります。でも、せっかく努力して取得した資格。ここであきらめてはもったいないですね。
簡単な仕事ではありませんが、だからこそ、やりがいも大きいでしょう。
また、ケアマネは介護職と比べて身体的には楽。基本的に夜勤もありませんし、年齢を経て足腰などが多少弱っても長く続けやるい仕事です。今は大変でも、長いスパンで考えてみてはいかがですか? あせる必要はありません。さまざまなケースに関わるなかで、一つひとつ学びながら問題点を解決していきましょう。
もちろん自分だけで頑張るのも限度があります。無理は禁物。まずは、周りの先輩方に相談してみましょう。身近に相談できる先輩がいなければ、地域包括センターの主任ケアマネを頼ってみてはいかがですか。または、地域のケアマネ同士の交流会や勉強会などに積極的に参加するのもオススメです。
今は、どちらかというと、精神的な疲れの方が大きいかもしれませんね。休日は仕事から離れて、リフレッシュすることも大事です。気持ちに余裕を持ってチャレンジしていってください。
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