念願の介護施設のホーム長・施設長に転職成功!しかし、働き始めてみると、慣れない管理業務や予想外のことに四苦八苦!?
そこで今回は、ホーム長に転職した先輩のお悩みを、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
《事例1》施設長の仕事に慣れず、介護職に戻ろうかと悩んでいます
43歳/女性/淳子
キャリアアップして、自分を試したいという気持ちから、有料老人ホームの施設長に転職しました。介護職としての自信はあったけれど、収支管理や家族対応などの慣れない業務が増え、6か月経った今でもなじめず、自信を失っています。現場でイキイキと働くスタッフを見ていると、もう一度現場に戻りたいという気持ちが湧いてきます。でも、今さら…という気持ちもあって、悩んでいます。
《アドバイス》
施設長というポジションは、ホーム全体を運営・管理する役割。入居促進の営業活動や家族への対応、スタッフの採用、労務管理、収支管理などが主な仕事で、現場の介護職とは仕事内容も求められるものも違ってきます。
どんな職種にも適性というものがあり、いい介護職=いい施設長、とは限りません。しかし、あなたが施設長に採用されたということは、あなたの豊富な現場経験や、マネジメントの潜在能力を見込んだということ。ぜひ自信を持ってください!
あなたの場合、初めての施設長で、しかもまだ6か月。まだまだ施設長としての仕事を楽しむ余裕がないのも当然だと思います。新しいことへのチャレンジは、何歳になっても、どんなポジションであっても、最初はみんな失敗の繰り返し。最初からすべてうまくできなくても、少しずつ克服していけるのではないでしょうか。
また、利用者やスタッフが一人ひとり違うように、施設長だって一人ひとり違うはず。すべてを完璧にこなせる人間などいませんし、それぞれに得意なこと、苦手なことがあります。あなたが施設長として得意なこと、苦手なことはなんでしょうか?
得意なことは、自分では「できている状態が当たり前」なので、意外に気づいていないかもしれません。でも必ずあるはずです。あらためて振り返り、自信をもって、伸ばしていってはいかがでしょうか。
一方、苦手なことは、克服するか、うまくカバーする方法を考えられるといいですね。
たとえば、営業活動、家族への対応、スタッフの人間関係の調整…、自分が特に苦手な業務について、それを学べる講座や書籍を探してみるのも一つの手段です。もしくは、その業務を得意とするスタッフに、仕事をある程度まかせてもいいかもしれません。
施設長は、施設のトップなので、職場内で弱音を吐いたり、気軽に周りに相談できないのがツライところ。
そんなときは、他の施設長仲間や、エリアマネジャーなどの上司に相談してみてはいかがでしょうか。
もしくは、介護業界の交流会やセミナーなどに参加してみるのも良いでしょう。あなたと同じような悩みを持つ人がいるかもしれません。
6か月では、まだまだ施設長としての成果が出しにくいと思います。できれば1年くらいは努力をしてみた上で、それでもどうしても施設長として働くのが自分には厳しいと感じたなら、キャリアプランをもう一度、練り直しましょう。
現場の介護職に復帰する道もあるでしょう。その際には、キャリアダウンとは考えないでください。自分の強みや弱み、やりたい方向性をつかめたということは、人生においては立派なステップアップです。また、施設長を経験したことで、経営的な視点やマネジメント力が身についたはず。それは今後のあなたのキャリアや人生設計にきっと役立ちます。
《事例2》ホーム長なのに夜勤や早出があるなんて…。想定外でとまどっています
41歳/男性/正雄
飲食店のエリアマネジャーから、グループホームのホーム長に転職しました。スタッフは優秀ですし、利用者様との距離が縮まってきた実感があり、やりがいを感じています。悩みは、ホーム長なのに早出や夜勤があること。前職では不規則な勤務がほとんどなかったので、体力的にこたえます。また、ホーム長業務に専念できないのも悩み。スタッフの欠員があるたびに介護現場に入るので、施設運営の仕事に手がまわらなくて…。いろいろ想像と違って戸惑っています。
《アドバイス》
介護の入居施設は24時間365日営業。しかも介護は人が相手の仕事なので、変動要素が多いのが特徴。小規模な施設では、限られたスタッフでケアを行うために、ホーム長が自ら現場に入ることも珍しくありません。スタッフの欠勤や欠員の補充のための夜勤も、ある程度覚悟をしておいた方が良いかもしれません。
ただ夜勤に入ることで、入居者の夜間の状況を把握できたり、夜勤をするスタッフの気持ちやツラさがわかるというメリットもあります。夜勤をすることで、スタッフとの連帯感や、利用者との親密さも増すのではないでしょうか。
夜勤が不慣れならば、慣れているスタッフに聞いてみるのも一つの手。スタッフたちは、睡眠の取り方など、夜勤が楽になる工夫やリフレッシュの仕方を知っているはずです。ホーム長の方から「夜勤がきついんだけど、みんなどうしてる?」と聞けば、同じ大変さを共有する仲間として、喜んで教えてくれるかもしれません。
一方で、気をつけなければいけないのは、あなた自身の体調管理です。ホーム長としての責任の重い業務も同時に抱えているわけですから、改善できるところは改善し、少しでも負担が減るように工夫する必要があります。
そのためには、施設長というあなたのポジションと権限で、体制を強化するよう動いてはいかがですか?施設のトップだからこそ、改善できることがあるはず。そうすることが、あなた自身だけでなく、スタッフ全体にもプラスになるかもしれません。
たとえば、慢性的な人員不足が根底にあるのであれば、スタッフの採用や配置の見直しを検討してみる必要があるのかもしれません。あるいは、突発的に休むことが多いスタッフがいれば、その背景にある問題点や解決策を本人と話し合ってみては? また、休む際の連絡・ルール整備などでも、改善できることがあるかもしれません。
ホーム長仲間がいれば、ぜひ情報を交換したり、相談してみてはいかがでしょうか。また、事業者には、あなたの上司にあたるスーパーバイザーや経営者もいるはず。そうした人たちは、あなたがホーム長として施設運営で力を発揮し、活躍することを望んでいます。体調面のことや、施設運営に割く時間が削られるといった悩みを伝えてみれば、きっと相談にのってくれるのではないでしょうか。
それらの働きかけをしても解決しない場合は、自分の体と相談をしながら、よりあった職場を考えることも必要になります。その際には、面接などで、夜勤や残業の有無・頻度等をしっかり確認することをおすすめします。
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