介護業界で転職を考えている人にとって、採用側が求める人材がどういった傾向なのか、ぜひ知っておきたいこと。今回は認知症対応型の通所介護施設を展開する「デイサービス ふるさと 六浦」の管理者・生活相談員で、採用担当も務める坂本信尊さんにお話しを伺いました。
<取材・文 中条佳子>
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自然な笑顔がすてきなスタッフのみなさん
○●○ インフォメーション ○●○
デイサービス ふるさと 六浦(アール・アンド・アール株式会社)
認知症対応型通所介護施設
神奈川県横浜市金沢区六浦3-9-3 D棟
TEL : 045-353-7737
FAX : 045-353-7738
http://www.furusato.net/top.html
「資格があるのでもったいないから就職」はNGです
前回まで見てきた通り、「デイサービス ふるさと」では、一次面接で採用しないという決断を下すことがなく、まずは一次研修を受けて、本人が楽しく仕事を行っているかどうかということなどを見て判断するそうですが、まれに面接で不採用になるケースがあるそうです。
「まず基本的に人の話を聞いていない人で、自己主張が強すぎる方が、不採用になることが多いです。それと、介護の仕事をされるきっかけについて改めて伺っていますが、『資格があるのでもったいないから』という理由だけの方は、採用を控えてしまう場合もあります」(坂本信尊さん)
そのほかにも「ふるさとを選んだ理由について」という質問に対して、冒頭に「自宅から施設が近いから」という答えは、二次面接まで話が進まない場合が多いそうです。
「応募された理由を一番初めに上げるとしたら何ですか?と尋ねて、『自宅から近く』とおっしゃる方は、非常勤職員をお勧めするケースもあります。
前回ご説明した入社後の試用期間に複数施設研修で1時間程度の通勤時間がかかるケースもありますので、なんらかの事情があって自宅近辺での勤務をご希望される方は一時面接後に辞退というケースもあります」(坂本さん)
誰よりも利用者様を大切にしていただきたい
取材を行っている間も、フロアではスタッフの方の明るい大きな声と笑顔に溢れ、利用者の方も歌を歌ったり会話が弾んだりしていてとても活気があり、楽しそうで温かい雰囲気でした。
「『デイサービス ふるさと』には、認知症の方に家族のような安心と温もりを届けたい、という理念があります。楽しいという雰囲気は作ろうとしても作れません。その雰囲気を人工的に作るのは難しいですね。スタッフ自身がほんとうに笑っているのか本気で歌っているのか、スタッフの方が本気で楽しめて全力でケアができるようにお願いしています」(坂本さん)
最後に、改めて会社として社員とスタッフのみなさんに求めている点を伺ってみました。
「正社員に一番求めているのは、誰よりも利用者様を大切にしていただきたいということです。二番目に、スタッフを大切にしてもらいたいこと。三番目に反応が早いことですね。経験上、責任感がある方は反応が早いです。反応が早い方は業務や事務作業の覚えが早いですし、基本的に嘘をつかない方が多いと思います。それと、スタッフ間で派閥を作らず、仲間同士の陰口を言わないことです。その分、私たち管理者の悪口は言っても構いませんので(笑い)」(坂本さん)
「理解をされていること、実際に現場で自分ができることはまた違うんですね。未経験で無資格の方でも、3~4か月で常勤のスタッフ同等のケアができるようになる方もいらっしゃいます。また、真摯に学びたいという方には、仮に認知症対応型についての理解がさほどなくても、いっしょに勉強していきましょうというスタンスです。スタッフの方を教えることや育てることで、我々も教わることが多いと思います」(坂本さん)
ふるさとで仕事をしていた経験が、そのスタッフにとってこの業界で再就職をする際の“決め手”になることが夢だと、坂本さんは語っていらっしゃったのが印象的でした。
「“ふるさとで仕事の経験があるなら安心だ”と、介護業界内で言われるようになりたいですね。ふるさとに勤めることが、資格のように将来のステップアップにつながっていくこと、『ふるさとスタンダード』ができていくことが夢です」(坂本さん)
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