◆介護付き有料老人ホーム(派遣社員) → 介護付き有料老人ホーム(正社員/介護福祉士)
O・Fさん(女性・36歳)
●介護付き有料老人ホーム(派遣社員)(勤務期間:1年半/月給手取り約18万円/ボーナスあり)
●介護付き有料老人ホーム(正社員)(勤務期間:3年/月給手取り約25万円/介護福祉士手当・ボーナスあり)
介護業界でのその他経験:療養病床、介護老人保健施設(派遣社員)
保有資格:介護福祉士
家族構成:夫、義母、長男、長女
*O・Fさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【仕事探しの視点】介護現場を見てわかった時給以外のチェックポイント
いくつかの介護現場を経験してわかったこと
介護職として最初に介護現場に入ったときは、転職のしかたもわからず、求人雑誌などを見て、時給の高さだけで決めていました。
それは、介護の仕事の内容もわからず、情報も経験もないために、単純にその前の仕事より時給が高ければいい、としか考えていなかったからです。
自分に自信もなく、「未経験でも働かせてもらえるのか」という思いもあったため、時給の他に転職の基準も持てなかったということもありました。
自分が成長できる職場を探しての転職
でも、今の有料老人ホームに転職したときには、まったく状況が変わっていました。
派遣ではありましたが、いくつもの介護現場を経験し、どういう現場が自分に合っているのかも、わかってきていました。
また、利用者さんもいろいろな方がいて、介護施設で生活をしていても、収入も意欲も高い高齢者がいることもわかってきました。
また、そういう方は、ご自身の自立支援についてとても関心があり、好みもはっきりしている。
そういう方のケアをすることの大切さや緊張感も知りました。
自分を成長させてくれる職場とは、どういう職場なのか。
そんな観点で転職を考えることが大切なのだ、ということに気付いたのです。
【転職を成功させるには】勉強会などで「良い施設」を知ることも大切
勉強会で転職が決まることもある
介護に関する勉強会や講演会は、調べればあちこちで開催されていることがわかります。
無料のもの、有料のもの、いろいろありますが、私は自分が行きたいと思ったものには、あまり受講料を気にせずに参加するようにしています。
すばらしい内容の講座で、たくさん気付きを与えていただけることも多いです。
私の転職も、こうした勉強会がきっかけでした。
勉強会で名刺交換をした方が、フェイスブックのお友達申請をしてくださり、その縁でその方が経営している老人ホームに見学に行きました。
見学の際に、「うちに来てくれませんか?」と誘われ、私がのちに面接のお願いをしたことから、自分が理想だと思える施設に転職することができました。
自分でも、こんな流れで転職できるんだ、とびっくりしましたが、あとで聞いてみると、私のように勉強会などでの縁がきっかけで転職している人は意外にたくさんいるようです。
勉強会でできた介護業界の人間関係
また、フェイスブックに登録し、勉強会に出席すると、名刺交換の際に「お友達申請をしてもいいですか?」と聞かれることも多いです。
そうしてたくさんの方とお友達になると、いろいろな人のいろいろな考え方に触れることもできますし、介護の勉強会の情報もまたたくさん入ってきます。
介護業界の人たちとの幅広い人間関係を築くことで、転職に結び付くことも多いです。
尻込みしないで、外部の研修や勉強会、後援会などに参加し、お友達を増やしたり情報を集めたりしてよかったと思っています。
【資格を取るべきか】結果的には介護福祉士を取得してよかった
資格で介護の質が変わるわけではないと考えていた
実は私は、ずっと「国家資格なんて取らなくてもいい」と思っていました。
長く介護職をやっていると、「介護福祉士を取るのが当たり前」だと思われていることにも、抵抗感がありました。
自分の介護の技術がまだまだ未熟なのに、資格を得ることでハクをつける、キャリアアップのためだけに資格を取る、といった姿勢になることはいやだったのですね。
自分の介護を証明する手段として介護福祉士の資格があっていい
でも、今の老人ホームで働くうちに、少しずつ考えは変わってきました。
自分がこれまで現場で行ってきた介護が、本当に価値があることなのかを証明するために、国家資格である介護福祉士を受験してみようと思ったのです。
私は、今の介護業界をよりよく変えていきたいと思っています。
その変革のために、介護に対する自分の思いを介護業界でもっと発信していきたい。
そのためにも、自分が介護職としてやってきたことを証明するものは必要なのだ、と思いいたりました。
外部の人にとってわかりやすい「証明」が資格ならば、やはり介護福祉士を取得してよかったのかな、と思います。
【介護の仕事のやりがい】人間力を試される仕事
利用者さんの生涯を考え、ともに歩む仕事というと、地域包括支援センターの職員さんや、ケアマネジャーさんを挙げる方がいらっしゃいますが、私は現場の介護職こそ、利用者さんの人生に深く関わり、支援する要になると思っています。
そのためには、介護技術を磨くことは当然ですが、一番磨かねばならないのは、人間力だと思っています。
介護をするということは、難しいことをできるようになってもらうのではなく、当たり前のことをやりながら、その人らしく生きていただくことだと思います。
目の前にいらっしゃる利用者さんに、「生まれてきたよかった」と言っていただけるお手伝いをしたい。
人生をまっとうされることを見届けたい。
それこそが、介護だと思っています。
利用者さんに信頼されるような人間性が重要でしょう。
介護ロボットや外国人の介護職も多くなってきて、今後も介護のプロとして現場で活躍し続けるには、介護のスペシャリストになっていないといけない、と思っています。
そのためには、勉強も必要だし、発信力も必要です。
介護業界のこれからのために、自分の介護の仕事に、どれぐらいの価値をつけていけるか。
よく考えながら介護の仕事を前向きに続けていきたいと思っています。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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