◆特別養護老人ホーム(介護職)→訪問介護事業所(住宅型有料老人ホームに併設)(ヘルパー→サービス提供責任者)
T・Hさん(女性・43歳)
介護業界での経歴詳細
●特別養護老人ホーム(勤務期間:3年/月収約14万円程度)
●訪問介護事業所(住宅型有料老人ホームに併設)(勤務期間:2年/月収約24万円+ボーナス約4カ月分/介護福祉士手当あり)
介護業界以外での経験:大学病院事務職
保有資格:介護福祉士
家族構成:本人のみ(長男)
*T・Hさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【転職してよかった点・辛い点】正社員のサ責になって、月収アップ!
転職して、ここがよかった!
訪問介護事業所のサービス提供責任者(サ責)になって、正社員になれたこと、月収が上がりボーナスももらえるようになったことは、とてもうれしかったです。
医療事務をしていたときは派遣社員でしたし、特別養護老人ホーム(特養)では正社員でしたがボーナスはありませんでした。
今の職場で初めてボーナスをもらったときは、本当にうれしかったですね。
今の仕事のここが大変!
ただ、以前働いていた特養ほどではないにしても、残業はあります。
実は現在、週5日勤務していた登録ヘルパーさんが1人辞めてしまい、その穴埋めとして他の職員全員に負担が分散されて、ますます勤務時間が長くなってしまいました。
職員が辞めたあと、なかなか人材を補充ができないのはしかたがないけれど、小さい事業所なので1人が辞めた穴は、とても大きく感じます。
うちの事業所では、1カ月の公休は、9~11日くらいあります。
その他に、夏休みは5日間、有給休暇については入職した年は10日間から始まり、毎年1日ずつ増えていきます。休日の体制は恵まれていると思います。
ただ、会社からは有給休暇を消化するように言われていますが、事業所全体の稼働時間を考えると、なかなか有休を使って休むのは難しいですね。
疲労が貯まってきているので、ヘルパーとしてバリバリ働ける人に早く入職してもらい、私も安心して休みたいと思っています。
【職場の人間関係】過去の職場とのつながりが大きい
病院勤務時代の知り合いの医師が、5年前に始めたこの医療法人。
在宅診療から始まり、診療先を増やし、そのうち訪問介護事業所、訪問看護事業所、住宅型有料老人ホーム、デイサービスへと事業が拡大した法人です。
最近のデータでは従業員が500名以上になっています。
ほんの短期間でこれほど事業を伸ばせるのはすごいと思いました。
しかし、規模は大きくても、法人トップのあたたかく明るい人柄が反映された、明るく楽しい雰囲気の職場環境です。
施設でも在宅でも亡くなる利用者さんはいますが、「その方がよりよく生きられるように」と最期まであきらめず、よい治療・よいケアをしようと努力するドクターの意欲が、希望のある雰囲気を醸し出しています。
私個人に対しても、法人トップは気さくに接してくれますし、上司もとても親切で、悩みごとの相談もしやすいです。
職員には、大学病院での医療事務時代に知り合った方も多く、あちこちに懐かしい顔を見つけては挨拶するのも楽しい。
人間関係のよさに、働く幸せを感じています。
【介護の仕事への思い】介護の実務だけでなく、営業や調査もしたい
1対1で向き合える、訪問介護は楽しい!
はじめて経験する訪問介護の仕事は、特養での介護よりずっと楽しく思えます。
訪問介護は、利用者さんに1対1で接しますし、その方の好みや健康状態に合わせてオーダーメイドの介護ができる点が素晴らしいと思います。
中には個性的な方もいて、どうお付き合いしたらいいのか難しいと思うこともありますが、長く接していれば、気持ちが通い、よい関係を築けることも多いです。
訪問を待ってくれている利用者さんに笑顔で迎えてもらえることがうれしいですね。
介護現場の声を活かした営業がしてみたい!
ただ、介護の現場職だけではだんだん満足できなくなってきています。
住宅型有料老人ホームは、常に満室であることが健全な経営には必要で、それには営業努力も必要です。
うちの法人には営業部門もあり、病院や居宅介護支援事業所を訪ねて、「うちのホームを利用できる方をご紹介ください」と言って回るのですが、私たちのような現場の介護職が日々の利用者さんの生活ぶりを伝え、どんな介護で皆さんを元気にしているかを語れば、説得力のある営業になると思うのです。
たとえば、うちのホームでは、ベッドにほぼ寝たきりの利用者さんでも、必ず離床してもらい、テーブルについてお食事をしていただいています。
生活の中で少しでも体を動かし、できるだけ長く歩けるような介護を目指しています。
そんな内容を伝えると、専門職の方へのよいアピールになると思うんです。
また、一人暮らしの高齢者の方のお宅に出向き、どんな暮らしぶりか聞く実地調査にも出てみたい。
自宅で一人でいる時間が長い方は、それで満足しているのか、寂しくないのか、ホームで暮らしたほうが安心できるのではないかというような質問を投げかけ、高齢者の方々の実際の思いを聞き出して介護の現場に生かしていきたいのです。
やりたいことがたくさんあって、1日が24時間では足りないくらいです。
とにかく介護現場がよくなる活動をどんどんしていきたいと考えています。
【将来の展望】さまざまな介護現場を体験したい
特別養護老人ホーム、住宅型有料老人ホームの訪問介護事業所。
私はまだこのふたつしか、介護現場の経験がありません。
しかし、世の中にはたくさんの介護現場があります。
認知症型グループホームのアットホームな空間の中で、利用者さんとともに暮らす経験がしてみたい。
デイサービスで、レクリエーションを考えながら、利用者さんに楽しい1日を送っていただきたい。
それぞれの場にふさわしい専門知識を磨き、どんな現場でも自信を持って仕事ができるようなスキルを身につけたいのです。
一人暮らしで自分のために時間が使える今だからこそ、思い切り仕事に時間を使うこともできます。
介護という仕事を自分なりに極め、専門職にふさわしい力を身につけて、この世界で納得できる仕事をしていきたいと思っています。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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