「転職したものの、前に働いていた職場に戻りたい。出戻り転職は、あり?」
特別養護老人ホームに介護士として転職しました。
でも、時間が経つにつれ、自分が考えていた介護とはズレがあると感じるようになりました。
以前働いていたグループホームに戻りたいと考えるようになってしまったのですが、一度辞めた職場に戻るのは図々しいでしょうか?
即戦力として「再入社歓迎」の企業も多い
残念なことではありますが、転職してみて、以前の職場の良さがわかったり、辞めなければ良かったと実感することもあるでしょう。
そんなときの選択肢のひとつが、以前の会社に再就職すること。いわば
出戻り転職です。
一度は退職した会社に戻るというのは、あまり良い印象がないように考えがちですが、実は珍しいことではなく、
即戦力として歓迎する会社も増えています。「一回り大きくなって戻ってきてくれた」と好評価につながる部分もあるようです。
ただし出戻り転職が可能かどうかは、退職時の経緯が大きく左右します。円満退職したケースならば、前の会社や事業所があなたに対して抱く印象も良いままですから、再就職もすんなりOKの可能性が高くなります。
反対に、ウソをついて辞めていたり、会社への不満や人間関係を理由に退職した場合は、戻るのは難しいと考えられます。
出戻り転職でも、辞めるときは誠意を持って
再入社を歓迎する傾向がある一方で、辞められる会社や事業所にとっては、出戻り転職をされるのは喜ばしいことではありません。たとえ、以前の会社に戻ることを告げずに退職したとしても、同業者の場合は情報が伝わってしまう可能性もあります。
後に気まずい思いをすることのないよう、
誠意を尽くして、どうして前の職場に戻りたいのかを説明して退職するようにしましょう。
現在の職場への不満を口にするのではなく、
「違う職場を経験したからこそ、自分がめざすキャリアや働き方に気づくことができた」「この会社で成長できたからこそ、前の職場で再挑戦したい気持ちになった」といった感謝の言葉も忘れずに。立つ鳥跡を濁さず、という態度が肝心です。
出戻り転職には注意も必要!
出戻り転職のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
○出戻り転職のメリット
・業務内容を理解しているので、即戦力として活躍できる。
・社風や社内ルールを理解している。
・他の職場を経験したことで、新たな視点やアイデアを提案できる。
○出戻り転職のデメリット
・以前と同じように働ける環境とは限らない。
(辞めてからの期間が長い場合、業務内容や仕事のやり方が変わっている可能性もあります。)
・以前と同じポジション、待遇が約束されるわけではない。
・「一度辞めていった人」を快く受け入れない同僚がいる可能性も。
(知っている人がいるから安心と考えるのは安易。)
・以前の後輩が上司になる可能性もある。
・以前の職場に戻った場合、簡単には辞めづらくなる。
出戻り転職を考えているならば、
前の職場の業務内容や職場環境、人間関係についての情報を事前に集めることをオススメします。その結果、デメリットの方が大きい可能性もあるので注意が必要です。
また、介護業界のように人材不足が課題となっている場合、以前の会社や事業所から「戻ってきてほしい」と誘われるケースもあります。
自分が必要とされていると感じてうれしくなるものですが、冷静になって考えましょう。人員が不足して厳しい労働環境になっている可能性もあります。
もちろん、そういう状況を助けるというやりがいもあるでしょうが、そうした環境下では人間関係もギスギスしている可能性もあります。出戻りを後悔することのないよう、熟慮することをオススメします。
出戻り転職を成功させるコツ!
以前勤めていた会社に戻るには、一般的な転職と同じように
求人募集に応募する方法のほか、
かつての上司や先輩に戻りたいという意志を伝えて再入社の相談をするという方法があります。
出戻り転職を成功させるためには、
「もう一度、採用したい」と思ってもらうことが肝心。
もちろん、以前勤務していたときもしっかり活躍し、良い評価を得ていたことが前提になります。
そのうえで、面接では、他の職場で成長してきた部分を強みとして積極的にアピールしましょう。転職後も興味を持って企業動向を収集していたという姿勢も伝えられると良いでしょう。そのためにも、退職してからも先輩や同僚と連絡を取り合う関係を築いておくことがポイントです。
また、他の会社ではなく、
なぜ元の職場への転職を希望するのかという点も説明できるように準備しておく必要があります。「転職したけれど、合わなかった」といった理由だけでは動機としての説得力がありません。
転職を経験して視野を広げたことで気づいた元の職場の魅力であったり、キャリアを積んだことで以前とは違う形の貢献ができることなどを説明しましょう。
出戻り転職した際は気持ちの切り替えが大事
以前の職場への転職が叶ったとき、大切なのは
新たな気持ちで取り組む姿勢です。
たとえ既知の上司や親しい同僚がいたとしても、馴れ馴れしい態度を取ったり、先輩風を吹かせるなどはもってのほか。「勝手知ったる職場」という意識は捨てましょう。
「以前はこういうやり方だったのに」といった後ろ向きの発言も嫌がられるので、慎むこと。
新しい環境であると切り替える気持ちで業務に取り組むことが大切です。
そして、以前と変わった業務や仕事のやり方を積極的に学び、柔軟に溶け込むことを第一に考えましょう。
転職した方がいいのかな?と迷ったときは…
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