心地よい感覚が生まれてくる「持つ動作」。今日はキーポイントのおさらいです!
＜協力 身体技法研究家 甲野陽紀氏／文・構成 佐藤大成＞
●○● 今回のテーマ ●○●
「持つ」動作編のおさらい
「しっかり」よりは「やわらかく」。「手や腕」だけではなく「カラダ全体」を参加させましょう!
こんにちは、身体技法研究家の甲野陽紀です。「持つ」という何気ない動作も、カラダのつながり感という視点から意識してみると、なかなか奥が深いものがありますね。介護という場面ではとくにこうした視点は大事なのではないかなあと感じます。
「カラダのつながり感」に注目するとは、言い換えれば「自分のカラダはこの動き方をどう感じているんだろう？」とか「この動き方は相手の人にはどんな影響を与えているんだろう？」というように、動作をカラダの感覚でとらえ直してみることともいえます。そのことが、カラダ自体が心地よいと感じる動作への入り口となり、やがて、そのもっともうれしい結果として、介護する方と介護を受ける方の関係にもきっと良い影響を及ぼすようになるのでは、と思うのです。
ということで、今回は「持つ動作」のポイントのおさらいです。
「手のシゴト」と思われがちな「持つ」という動作に、手からいちばん遠い「足」を参加させることによって、カラダのつながり感をアップさせることができます。動作としては「カカトからの足踏み」。足踏みをすることによって、足首、ヒザ、腰といった関節部が目を覚まして、「持つ」動作をサポートしてくれるようになります。
ヒザをなるべく前に出さないようにしながら沈み込む動き方を心がけると、カラダの安定感がぐっと増す一方で、腰やヒザなどにかかる負担も小さくなります。ポイントは、
次回は「介護の現場人」を交えての対談風研究会をお届けします。◆ Profile ◆
甲野陽紀(こうの•はるのり)
身体技法研究家。東京•多摩市生まれ。高校卒業後、「古武術介護」の提案者としても知られる武術研究家の父、甲野善紀氏の補佐役として各地の講習会などに同 行する中で、ささいな動きの違いから感覚がさまざまに変わっていくカラダの不思議さ、奥深さを改めて実感し、特定の方法やジャンルによらない独自の視点か らの身体技法の研究を始める。見る、触れる、曲げる、といった、わたしたちが日々、何気なく行っている動作からカラダを見つめ直すことで新しい感覚が生ま れていく“発見の体験”は、多くの方の共感を呼び、全国各地の講習会、講演会などで活躍中。スポーツや武術、音楽、医療、介護、運動嫌いの方のための身体 講座まで、講座のテーマは幅広く開かれており、ファン層も多彩。都内では、朝日カルチャーセンター新宿•湘南、よみうりカルチャー自由が丘などで定期的に 講習会を開催している。日々のくわしい活動はオフィシャルウエブサイトへ。
http://hkhp.p2.bindsite.jp/index.html
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