このコーナーでは、「あらら、間違って正解!」「おやおや、戸惑って大正解!」と楽しめる、魅力満点の脳活性化プログラムのシナプソロジーをご紹介!シナプソロジーインストラクターのふーちゃんこと、介護福祉士の山﨑史香さんに、介護施設やデイサービスなどで楽しめるプログラムを教えてもらいます。今回の動画は、シナプソロジー教育トレーナーの及川先生をお招きして、2人組のプログラムの場合において、指示者の声がけや雰囲気を掴んでもらう為に3人でお送りしております。
軽度認知症、麻痺のある人も楽しめるアレンジの「ご挨拶4動作」をやってみよう
みなさん、こんにちは!今日も元気にシナプソロジーインストラクターのふーちゃんです。
前回に、引き続き
「ご挨拶4動作」というプログラムをご紹介します。前回は元気なお年寄り向けでしたが、今回は
軽度認知症、麻痺のある人も楽しめる声がけのポイントをお伝えします。シナプソロジーで心も身体もぽかぽかにしていきましょう。
【1】まず、以下の基本動作を覚えましょう!
はじめに、4つの動作を覚えます。
1の動作 「イチ」と言いながら右手でお互いに握手をする
2の動作 「二」と言いながら左手で握手をする
3の動作 「サン」と言いながら両肩を両手で触る
4の動作 「ヨン」と言いながら両手でハイタッチ
麻痺や体を動かしにくい人への指導ポイント
ペアになる相手は、スタッフや気の知れた知り合いにするなど、指示者が配慮してくださいね。両手の使える参加者とペアを組む場合は、「どっちの手を使うの?」などの混乱がおきないように、スタッフがサポートできる体制をつくっておきましょう。基本動作
1の動作 「イチ」と言いながら片手でお互いに握手をする
2の動作 「二」と言いながら片手で肩を触る
3の動作 「サン」と言いながら片手でハイタッチ
※両手が動かないと出来ない!と決めつけるのは、介護者側の偏った見方の場合があります。片手では参加出来ないだろうと、参加者メンバーに入れないという選択ではなく、その方の出来る事にフォーカスしてみてくださいね。中には片麻痺だからと参加を諦めている方もいると思います。その方に添った声がけをしながら、脳を活性化させるには麻痺があってもできるという事を伝えてみてください。
軽度認知症のある人への指導ポイント
新しい事を覚えるのが苦手な方に対しては、参加意欲を損なわない声がけや、内容の変更が必要だと思います。今回はスパイスアップを最後まで行うことは難しい場合もあるので、基本動作は3まででやってみましょう。※注意事項
二人ペアになる場合は、スタッフが入るか、ペア同士がはじめに自己紹介をして信頼関係を作り、認知症の人が安心して出来る和やかな雰囲気を作りましょう。認知症の方を否定せず、褒めることを心掛けると良いと思います。「参加してくれてありがとう」という感謝の気持ちで進めてください。
はじめのうちは、スタッフの動作をすべてマネしてしまう場合があるかもしれません。サポート役として他のスタッフに入ってもらい、基本動作を覚えてもらいましょう。参加者に認知症の方が多くいる場合はサポートのスタッフを増やし、こまめに声かけをしながら一緒にやってみてくださいね。
【2】基本の動作を覚えたら、みんなで実践してみよう!
動作を覚えたら、いよいよシナプソロジーがスタート!
指示者は1から4までの数字を言います。
指示者の声掛け
「私の言う数字の動作を行ってくださいね。
1から4のどれかの数字を言いますので、先ほど覚えてもらった4つの動作のうち、数字にあった動きをしてください。元気よく動作の数字を言いながら行いましょう」
※3回から5回繰り返します。
【3】新しい刺激をチャージ!スパイスアップ 初級編
次はスパイスアップ(新しい変化)です。
動作はそのままで、声を出す言葉が変わります。
1の動作 「1」→「こんにちは」
2の動作 「2」→「自分の名前」
3の動作 「3」→「がんばろう!」
4の動作 「4」→「イエ~イ」
麻痺や体を動かしにくい人向け
1の動作 「こんにちは」と言いながら片手でお互いに握手をする
2の動作 「自分の名前」を言いながら片手で肩を触る
3の動作 「イエ~イ」と言いながら片手でハイタッチ
【4】新しい刺激をチャージ!スパイスアップ 中級編
次はスパイスアップ(新しい変化)です。
2の動作 自分の名前から、「相手の名前」を言うように変えます。
それ以外の言葉は変わりません。
麻痺や体を動かしにくい人向け
2の動作 自分の名前から、「相手の名前」を言いながら片手で肩を触る。
それ以外の言葉は変わりません。
ふーちゃんのワンポイントアドバイス
参加者のレベルに合わせて、名前の部分を呼んで欲しい「あだ名」にするのも良いでしょう。
このプログラムはとっても盛り上がりますよ。帰る頃には、ペア同士仲良くなった素敵な笑顔の花が咲くはずです。笑いながら、脳が混乱して間違える事を「みんなで楽しむ事」が大切です。
慣れてきたら、「脳の活性化プログラムである事」を意識して、行っていけば良いと思います。
一度、スタッフ同士でやって難易度を確認してから、参加者のレベルに合わせてアレンジしてみましょう。
なお、軽度認知症には個人差があります。初めてプログラムを進行する場合は、指示者のサポート役にもう1人加え、2人で進行できるとベター。様子を見て、フォローしながら進めていけるとよいと思います。
次週は、新しいプログラム「数字数えグーパー」を紹介します。
【ご挨拶4動作】を動画で見る
<シナプソロジーについて>
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→「ご挨拶4動作」元気なお年寄り向けのアレンジはこちら
プロフィール
ふーちゃん こと 山崎史香(やまざき・ふみか)
キャリア11年の介護福祉士。現場で介護職員として働くかたわら、子供や若者達が触れやすい介護の新しい入り口作りを目指し、「介護イノベーションART」など施設を離れた活動も積極的に行う。地域、現場から発信するスタイルの介護福祉士として、注目の存在。電子書籍絵本
『しわのようせい』の作者でもある。
そのほかの活動として主なものは、寝たきりの方の見ている白い天井の景色をARTで変える「花咲かじーさんプロジェクト」、子供達へのシワ物語り「介護授業」、4度目のハタチを謳歌する為の「介護予防サロン」を開催。今までの活動が、目に止まり、宮城県仙台市のケアヒーローに選ばれる。また、福祉事業、介護の魅力を伝えるプロモーション、パンフレット、雑誌等にも出演している。
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