このコーナーでは、「あらら、間違って正解!」「おやおや、戸惑って大正解!」と楽しめる、魅力満点の脳活性化プログラム、シナプソロジーをご紹介!
シナプソロジーインストラクターのふーちゃんこと、介護福祉士の山﨑史香さんに、介護施設やデイサービスなどで楽しめるプログラムを教えてもらいます。
軽度認知症、麻痺のある人も楽しめる「節分厄払い3動作」のアレンジをやってみよう
皆さん!
恵方巻きは食べましたか?
今年は「北北西の、やや右」を向いて食べると、縁起が良いそうです。
なぜ、毎年方角が変わるかというと、「恵方」と言うのは歳徳神(としとくじん)という神様が居る方向だそうです。
この神様は幸運・金運を司る神様で、毎年居る場所を変えるんですって。
さぁ、前回に引き続き
「節分厄払い3動作」というプログラムを紹介します。
今回は、軽度認知症、麻痺のある方も楽しめる声がけやコミュニケーションのポイント、会話の引き出し方をご紹介します。
【1】まず、以下の基本動作を覚えましょう!
はじめに、3つの動作を覚えます。
1の動作 「節分」と言いながら両手で胸の前でグーを作り、両腕を前に出しながらパーと開く。
2の動作 「恵方巻き」と言いながら右手は胸の前でグー、左手は腕を前に出して手のひらはパー。
3の動作 「ヒイラギ」と言いながら左手は胸の前でグー、右手は腕を前に出して手のひらはパー。
麻痺や体を動かしにくい人への指導ポイント
片手の自由がきく方の場合でお伝えします。
このプログラムは、認識力、注意力、聴力、イメージの潜在意識に働きかけます。
脳を活性化させるには、手と口(声を出す)を同時に使いながら、五感の情報の刺激を変化させていきます。
中には片麻痺だからと参加を諦めている方もいると思います。
その方に添った声がけをしながら脳を活性化させるには麻痺があってもできる事を、伝えてみてください。
1の動作 動く方の手で胸の前でグーを作り、腕を伸ばすときにパーに開く。
2の動作 動く方の手で右の耳を触る。
3の動作 動く方の手で左の耳を触る。
軽度認知症のある人への指導ポイント
3つの動作を理解してもらえるよう、ゆっくり動作を行いましょう。
一度やってみたときに、ぽかーんとした表情だったり「なんだか分からない」と発言があった場合は、そのまま進めずに動作を再度説明しましょう。
参加者がしっかり理解しているかを確認してから、プログラムの基本動作を行います。
プログラムに入る前に、節分の由来やどんなことをして過ごすのか、話題を出して回想法を取り入れてから行いましょう。
認知症の人が安心してプログラムを行える居場所を作れるように配慮し、和やかな雰囲気を作りましょう。
認知症の人を否定せず、褒めることを心掛けると良いと思います。
参加してくれて「ありがとう」という感謝の気持ちで進めてください。
【2】基本の動作を覚えたら、みんなで実践してみよう!
動作を覚えたら、いよいよシナプソロジーがスタート!
指示者は3つの動作のいずれかの指示を出します。
指示者はまず、前置きで回想法を行います。
節分はどんなことをする日か、問いを投げかけ、豆まき、恵方巻きなどのキーワードを引き出してから行いましょう。
指示者
「私が今から、節分・恵方巻き・ヒイラギの3つのうち、どれかを言います。
先ほど覚えてもらった3つの動作の中の、当てはまる動きをしながら元気よく声に出しましょう。
※言葉を変えて、3~5回繰り返します。
【3】新しい刺激をチャージ!スパイスアップ 初級編
次はスパイスアップ(新しい変化)です。
動作はそのままで、声に出す言葉が変わります。
1の動作 「節分」→「鬼は外」
2の動作 「恵方巻き」→「北北西」
3の動作 「ヒイラギ」→「いわし」
ふーちゃんのワンポイントアドバイス
節分の豆まき、恵方巻き、柊鰯(ひいらぎいわし)などの由来や昔からの習わしをヒントに回想法を使って、言葉や表情を引き出してから誘導すると、このプログラムは尚楽しく盛り上がると思います。
この時期ならではの内容ですので、是非やってみてくださいね。
慣れてきたら、「脳の活性化プログラムである事」を意識して、行っていけば良いと思います。一度、スタッフ同士でやって難易度を確認してから、参加者のレベルに合わせてアレンジしてみましょう。
次週は、新しいプログラムを紹介します。
【節分厄払い3動作】を動画で見る
<シナプソロジーについて>
→シナプソロジーの特徴と効果とは?
→「節分厄払い3動作」元気なお年寄り向けのアレンジはこちら
プロフィール
ふーちゃん こと 山崎史香(やまざき・ふみか)
キャリア11年の介護福祉士。
現場で介護職員として働くかたわら、子供や若者達が触れやすい介護の新しい入り口作りを目指し、「介護イノベーションART」など施設を離れた活動も積極的に行う。
地域、現場から発信するスタイルの介護福祉士として、注目の存在。
電子書籍絵本
『しわのようせい』の作者でもある。
そのほかの活動として主なものは、寝たきりの方の見ている白い天井の景色をARTで変える「花咲かじーさんプロジェクト」、子供達へのシワ物語り「介護授業」、4度目のハタチを謳歌する為の「介護予防サロン」を開催。
今までの活動が、目に止まり、宮城県仙台市のケアヒーローに選ばれる。
また、福祉事業、介護の魅力を伝えるプロモーション、パンフレット、雑誌等にも出演している。
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