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2016年08月04日

「顔タッチ4動作」~認知症・麻痺の人も楽しめるシナプソロジーのアレンジ

シナプソロジーとは、脳を活性化させ、認知症予防やストレス緩和にも効果があるプログラム。ゲーム感覚で行うことができ、高齢者のレクリエーションに取り入れる施設も増えています。
このコーナーでは、シナプソロジーインストラクターのふーちゃんこと、介護福祉士の山﨑史香さんに、デイサービスなどで楽しめるプログラムを教えてもらいます。

認知症や麻痺がある人向けの「顔タッチ4動作」をやってみよう

みなさん、こんにちは! シナプソロジーインストラクターのふーちゃんです。
梅雨も明けて夏の日差しの季節に突入ですね。夏バテせず、お過ごしですか?こまめな水分補給をお忘れなく!

今週も元気にシナプソロジーを始めていきましょう。
前回に、引き続き「顔タッチ4動作」というプログラムをご紹介します。前回は元気なお年寄り向けのアレンジでしたが、今回は認知症や麻痺がある人向けにアレンジした楽しみ方をお伝えします。


【1】まず、以下の4つの基本動作を、その数字とあわせて覚えましょう!

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軽度認知症がある方へ

基本動作は、ゆっくり練習しましょう。
一回ですべてを覚えることは難しいので、ゆっくり説明し、一緒にそのポーズを何度も繰り返します。実際に覚えたかどうかは、3、4回確認してください。
また、説明するときは難しい言葉はなるべく使わずに、理解しやすい言葉で伝えましょう。
たとえば、「脳が活性化する」ではなく、「頭の回転が良くなる」「頭が元気になる」「頭の血の巡りが良くなる」など。相手に伝わりやすい言葉を選びましょう。




麻痺や体を動かしにくい方へ

動く方の手で参加してもらいましょう
顔タッチ4動作は、両手で顔のパーツをタッチしますが、片手でも参加できます。片麻痺の方であれば、麻痺のない手でタッチしてもらいましょう。
両手では出来ないから参加者メンバーに入れないと言う選択では無く、その方の出来る事にフォーカスしてみてくださいね。

●指示者の声がけ
「両手で難しい方は、片手でOKです。一緒にやってみましょう!」

参加者の“出来る”を引き出す
もしも、手は動くけれど、頭の上まで上げることができない、というメンバーがいたら、他のポーズに変えてみましょう。
手の届く場所、例えば「ハート(心臓部)をタッチする」、「おなかをタッチする」、などに変えていけばよいのです。
できない事よりその方ができる事を引き出すのが、介護現場で働く私達の腕の見せ所です。


画像で見ると、こんな感じです

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1=頭に手をのせる


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2=耳を手でつまむ


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3=鼻に手をあてる


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4=あごに手をそえる


【2】4つの動作を覚えたら、みんなで実践してみよう!


動作を覚えたら、いよいよシナプソロジーがスタート!
指示者が頭・耳・鼻・アゴ、という言葉をランダムに言います。参加者は指示者が言った箇所を触ってください。触りながら、その動作の番号も言ってもらいます。少し難しいですよ。

これを数回繰り返します。

●指示者の声がけ
「今から私が、頭・耳・鼻・アゴの4つの顔の場所を言います。両手で、覚えた場所をさわりましょう。元気よく数字も声に出してください♪」



軽度認知症がある方へ

まずはスタッフがやってみせよう!間違った時が、笑いの神さま到来ですよ
スタッフも、間違う!戸惑う!考える! それを笑いに変えて、盛り上げます。

●指示者の声かけ
「あらぁ〜、こんがらがってます!私が1番、頭が元気になってますね!
「いいんですよ。一瞬、あれ?って考えてる時が1番、頭を使ってるんですよ」
「若くたって間違えます!年齢じゃないんです。こうやって笑うのが1番心の栄養になります」

認知症の方は新しい事が苦手です。できない事に喪失感を感じてしまいます。
行動についていけなかったり、難しくてやめてしまった時、まずは楽しむ事を意識して声かけしていきましょう。はじめは周りの参加者同士で笑い合い、雰囲気を楽しむところから第一歩を踏み出してみましょう。


【3】難易度をあげよう!スパイスアップ!


慣れてきたら、次はスパイスアップ(困難度アップ)です。今、覚えた動作を数字にして覚えなおします。
頭は1、耳は2、鼻は3、アゴは4になります。
指示者は数字を大きな声で発声し、参加者も数字を発声しながら覚えた箇所を触ります。

これも数回繰り返しましょう。

●指示者の声がけ
「今度は、1・2・3・4の数字を言います。その数字の動作を行ってみましょう。数字も声に出して言ってみましょう。はい、どうぞ!」


認知症

mahi




ふーちゃんのワンポイントアドバイス

プログラムを説明・進行していく中で、初めてで、緊張したり、上手く笑いが取れなかったりすることもあるでしょう!
ですが、それも楽しむ心が大切です。心折れてはいけませんよ〜。プログラム、と聞くとその通り進行しなければいけないという気持ちになってしまいますが、全て遂行することが目的ではありません。
まず、「みんなで楽しむ事」が大切です。
慣れてきたら、「脳の活性化プログラムである事」を意識して、行っていけば良いと思います。

一度、スタッフ同士でやって難易度を確認してから、ご利用者さまのレベルに合わせてアレンジしてみましょう。

なお、軽度認知症には個人差があります。初めてプログラムを進行する場合は、指示者のサポート役にもう1人加え、2人で進行できるとベター。様子を見て、フォローしながら進めていけるとよいと思います。

来週は第5回目。新しいプログラムになります!
では、また皆様にお会いできる事を楽しみにしております。


「顔タッチ4動作」を動画で見る

https://www.youtube.com/watch?v=agvgsNk7HTY&feature=youtu.be
<シナプソロジーについて>
→シナプソロジーの特徴と効果とは?
→「顔タッチ4動作」元気なお年寄り向けのアレンジはこちら


プロフィール

ふーちゃん こと 山崎史香(やまざき・ふみか)
12994344_840056009472873_73キャリア11年の介護福祉士。現場で介護職員として働くかたわら、子供や若者達が触れやすい介護の新しい入り口作りを目指し、「介護イノベーションART」など施設を離れた活動も積極的に行う。地域、現場から発信するスタイルの介護福祉士として、注目の存在。電子書籍絵本『しわのようせい』の作者でもある。

そのほかの活動として主なものは、寝たきりの方の見ている白い天井の景色をARTで変える「花咲かじーさんプロジェクト」、子供達へのシワ物語り「介護授業」、4度目のハタチを謳歌する為の「介護予防サロン」を開催。今までの活動が、目に止まり、宮城県仙台市のケアヒーローに選ばれる。また、福祉事業、介護の魅力を伝えるプロモーション、パンフレット、雑誌等にも出演している。しわくちゃんFacebookページ

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