■書名:よくある場面から学ぶリスク予防
■著者:神吉 大輔
■出版社:中央法規出版
■発行年月:2020年3月
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介護現場の『ヒヤリハット』対策に。介護職の知りたい!が詰まった1冊
介護職として現場で働いていると、どうしてもヒヤリハットの場面にかかわってしまうことがある。
何となく自信がないままになっていることはないだろうか。
本書『よくある場面から学ぶリスク予防』では、中でも新人の頃に出会いがちなヒヤリハットの場面を取り上げ、それぞれの対応方法をわかりやすく解説している。
とても具体的なので、実践につなげやすいのが特長。
たとえば、次のような場面について学ぶことができる。
・転倒した利用者は、すぐに起こしたほうがよい?!
・配膳とは、ただ食事を配ること?!
・介助中にほかの利用者に呼ばれたら、その場を離れる?!
・着替えをしているつもりがけがに?!
・掲示物は画びょうで留める?!
こうした場面が全部で36例。
内容ごとに、
「利用者への言動や対応」「介護場面」「薬や感染などにかかわる対応」「環境整備」の4つのパートに整理されている。
「介護場面」では、さらに
「移動・移乗」「食事関係」「排泄介助」「入浴介助」「姿勢」に分けて構成されているので、気になる場面から読むとよいだろう。
1つの場面は、それぞれ4ページで解説を展開。
「考えてみよう!」のページでヒヤリハットの場面の状況を把握し、「確認しよう!」のページで問題点を整理して確認。「どうしたらいいの?」で正しい対応方法を学ぶ流れになっている。
「配膳とは、ただ食事を配ること?!」を例に見てみると、認知症のある利用者Iさんへの配膳の際のヒヤリハットの場面を取り上げている。配膳を済ませてその場を離れたところ、Iさんがラップを口に入れてしまうという設定だ。
最初の「考えてみよう!」のページでは、シリーズキャラクターの「つぼみちゃん」と「はなこ先輩」が、それぞれ新人介護職とベテランの教育係としての立場で話をする。新人でも自然に自分で考えて気づく流れに導いていく。
つぼみちゃん:Iさんに配膳して声かけもしたから問題ないと思っていたけど……
はなこ先輩:食べ物に対する認識が低下していることも把握しているのなら、ラップなど食べ物以外の物も意識する必要があるんじゃないかな?
そして、次の「確認しよう!」のページでは、どこがどうダメなのかを箇条書きで説明。配膳だけで離れてしまうと、やけどや異食、さらには誤嚥(ごえん)や窒息にもつながる危険があることを学ぶ。
最後のステップ「どうしたらいいの?」では、するべきことを2つのポイント「献立の内容など食事にかかわることを伝える」「口に含んでしまいそうな物がないかを確認する」に整理。
さらには、必要以上に物を片付けてしまうことのないように、食事を楽しむ雰囲気を損なわないように、との言葉も添えられている。
本書で取り上げる内容は、複数の介護事業所から「介護職が押さえておきたいテーマ」「職員研修で必ず取り上げるテーマ」として共通して上がってきたものなのだそうだ。
新人の自習用としてはもちろん、新人研修や事業所内研修にぜひ活用してみて欲しい1冊だ。
著者プロフィール(引用)
神吉 大輔(かんき・だいすけ)さん
社会福祉法人奉優会「特別養護老人ホーム下馬の家」事業所責任者、兼「特別養護老人ホーム等々力の家」管理統括責任者。1981年東京都生まれ。介護福祉士・介護支援専門員。2006年に社会福祉法人奉優会に入職。介護職、生活相談員などを経て、現在は、法人内で事故予防、不適切ケアや身体拘束防止などの研修にたずさわる。
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