12月18日、直木賞と芥川賞の候補作品が発表されました。
日本の文学賞として有名な直木賞や芥川賞を受賞した作品の中には、介護や認知症をテーマにした作品もあり、今回の直木賞候補作「汚れた手をそこで拭かない」でも、認知症の女性とその夫が登場します。
直木賞・芥川賞とは?
直木賞も芥川賞も、日本を代表する文学賞です。
直木三五郎賞(通称「直木賞」)は、「大衆文学」と呼ばれる物語が面白く読みやすい作品が対象、芥川龍之介賞(通称「芥川賞」)は、「純文学」と呼ばれる芸術的で心理描写や展開が芸術的な作品が対象とされています。
文学は社会的な問題や現代を生きる人の内面を描いたものも多く、現代社会で大きな問題となっている「介護」や「老い」が取り上げられている作品も少なくありません。
近年の直木賞・芥川賞受賞作品にも、介護問題がテーマの作品や高齢者の生きざまが描かれた作品があります。
・2020年上半期 直木賞「少年と犬」(馳星周):介護問題を背景に抱える主人公が登場
・2017年下半期 芥川賞「おらおらでひとりいぐも」(若竹千佐子):老いとともに生きる女性が主人公
・2015年上半期 芥川賞「スクラップ・アンド・ビルド」(羽田圭介):認知症と介護問題がテーマ
高齢者介護をテーマにした本
高齢者介護をテーマにした本の中には、家族の目線で実際に介護体験を描いたもののほか、介護施設の日常を描いたもの、認知症当事者によって執筆されたものなどがあります。
気になったものはぜひ手に取ってみてください。
家族目線で「介護」が描かれた作品
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『わたしのお婆ちゃん 認知症の祖母との暮らし』(ニコ・ニコルソン)
認知症の祖母を身近に見てきた著者が描く、実話コミックエッセイ。
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『健康以下、介護未満 親のトリセツ』(カータン)
人気ブロガーが、実の両親の介護の本音を描いたコミックエッセイ。
介護施設の日常が描かれた作品
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『マンガ 介護する人・される人のきもちがわかる本』(北川 なつ)
介護での「見えない気持ち」を、元・介護職のマンガ家が代弁!
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『看取り犬・文福の奇跡』(若山 三千彦)
特別養護老人ホームでの人と動物との絆を描いた心癒される15の物語です。
認知症当事者による作品
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『ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言』(長谷川 和夫、猪熊 律子)
認知症専門医で『長谷川式スケール』考案者の医師・長谷川和夫先生の手記。