毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「介護職のストレス解消法」という話題について紹介します。
ストレスと上手に付き合うコツを発見!
どんな仕事にも大なり小なりストレスはつきまとう。なかでも介護の仕事は、体力的にも精神的にもハードなだけに、ストレスを感じることも多いはず。介護職・訪問ヘルパーを長く続けている人たちは、どのようにストレスを解消しているのだろう?
都内の施設に勤める40代の女性・Hさんはこう語る。
「私の場合は“運動”です。休みの日には近所の公園でジョギングをしたり、川沿いの土手をサイクリングしたり、ジムに通ってストレッチや水泳をしたりして、とにかく体を動かしています。で、終わった後はビールですね(笑)」
もともとは運動など全く好きではなかったというHさん。しかし仕事がハードなため、体力づくりでジョギングを始めたそう。すると、その楽しさに目覚め、今ではあちらこちらで開催されている市民マラソン大会などに何度も出場しているという。
一方、Hさんと同じ施設に勤める30代の男性・Oさんは、ストレスとの付き合い方についてこう語る。
「仕事についたばかりの頃は、イヤなことがあったり、利用者から何か不愉快なことを言われたりすると、『自分が未熟だから』と受け止めていました。そして、ノートに書いて反省材料にしたり。しかしそれがダメだった(笑)。
自分でも気がつかないうちにどんどんストレスがたまっていたようで…。仕事中にも集中力を欠いたり、すぐにイライラしたり、ついにはうつ気味になって気分が落ち込んだり。同僚からも『大丈夫?』と心配されました。それ以降は、イヤなことがあったらどんどんと同僚や家族などにグチを言うようになりました」
「グチを言うのがストレス解消法」というと、あまり前向きな方法ではないようにも思う人もいるだろう。しかし、Oさんは、「(グチを)言うだけでスゴく楽になった」とのこと。
職員のストレス解消のために、会社が補助金!?
HさんとOさんは勤める施設では、こんなこともあったそうだ。
「大学を出たてで就職してきた女の子がいたんですけど、勤めて1年半ぐらい経ったある日、突然辞めてしまったんです。いつもニコニコと愛想良く仕事をしていたんですが、彼女の中では猛烈なストレスを感じていたみたいなんですね。
我々の施設でも、大学を出てそのまま就職してくる子は珍しく、大変期待していたので『せめて辞める理由だけでも教えて!』と尋ねたところ、彼女は『理想と現実との間に大きなギャップがあった』というような内容のことを言ったんですね。我々も『これではいかん』と」
そんな“ストレスで退職事件”があって以降、その事業者は職員をフォロー。休憩時間にお茶やケーキを用意したり、飲み会に補助金を出したり…。定期的にヘルパーのグチや不満を聞く機会を設けているのだそう。
ストレスを何に感じるかやその程度は、千差万別。ヘルパーの中には、「ストレス解消法ですか? ストレスを感じたことがないから分からない(笑)」(関西地方の40代の女性ヘルパー)という羨ましい人もいる。
それでもやはり「ストレスを感じている」ということをきちんと自覚し、明らかにすることは、自分にとっても周りにとっても大事なことのようだ。
公開日:2015/9/14
最終更新日:2019/4/4