毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「介護職は喫煙してもOK?」という話題を紹介します。
喫煙所は情報交換と社交の場に?
JT(日本たばこ産業株式会社)の調査によると、2016年の喫煙率は、男性が29.7%、女性が9.7%。
1965年には男性が82.3%、女性が15.7%だったのに比べると、喫煙率は著しく下がっている。
最近では、禁煙や分煙の動きが進み、愛煙家の肩身はどんどんと狭くなっているが、介護業界とタバコの関係はどうなっているのか?
都内の介護施設に勤める女性ベテランスタッフのKさんはこう語る。
「私は介護業界以外で働いたことがないのですが、その中でもタバコを吸うスタッフはかなり多かったと思います。
女性スタッフでも吸う人は多いですね。
いまの施設では多分、半分近くの人が吸ってるんじゃないでしょうか。
過去には職員の喫煙が問題になったこともあるんですが、いまの施設長がヘビースモーカーなので、何となくウヤムヤになってしまいましたね。
良いことなのか分からないんですけど、喫煙場所がスタッフ間の情報交換の場になってるんですよ。
最近ではスマホをいじってる子も多いですけど。
タバコを吸いながらちょっとした不満を聞き出したりとか、スタッフの入れ替わりもあるので、そこでお互いの面識ができたりもします」
それでも利用者の家族などの目があるため、Kさんの施設では、何年か前に喫煙所を人目につかない場所に移したのだそう。
「タバコを吸う場所を決める」「タバコを吸った後は手洗いをする」といったルールをきちんと守らせることで、今のところトラブルを避けているそうだが、自身も愛煙家だというKさんは、「もうスタッフが勤務中にタバコを吸うのは控えるべきないのかもしれない」と語る。
介護職はタバコを吸うべきでない?
「いま我々がお世話をしている利用者は、自分がタバコを吸っていたり、夫がタバコを吸っていたりという年代の方が多いので、タバコに対して非常に寛容です。
けれども今後はどんどん、『タバコが嫌い』という人が増えてくるはずです。
これだけ嫌煙の動きが高まっていますし、我々も“人”を相手にしている以上、少なくとも勤務時間中はタバコを吸うべきではないのかもしれません」
世の流れが嫌煙に向かっているとはいえ、タバコを吸うのは嗜好の問題。
ルールを守っていれば問題はないはずだ。
しかし現実的には、利用者がイヤだと言えば、それに従わねばならないこともある。
ただし、採用も担当しているKさんはこのようにも言う。
「ルールを守れば良いだけのこと。
『タバコを吸うから』という理由で採用されなかったり、クビになったりすることは絶対にないので、その点は安心して欲しい」
Kさんの言葉からすると、ルールさえ守りさえすれば、わざわざタバコを止める必要は特になさそうだ。