毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「介護業界は何歳まで働ける?」という話題について紹介します。
働けるうちはいつまでも仕事をしたい!
内閣府が2013年に行った「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」で、「あなたは、何歳ごろまで仕事をしたいですか?」という質問をしたところ、29.5%の人が「働けるうちはいつまでも」と回答。およそ3人に2人の人が、70歳以上まで働きたいと考えていることが分かった。
介護の仕事は精神的にも体力的にもなかなかハードだが、何歳まで働くことができるのだろう?
介護業界で10年以上働くHさんによると、彼女が勤める都内の介護事業所の登録ヘルパーの最年長は74歳だという。Hさんによれば、
「60代のヘルパーはいくらでもいます。ちゃんと計算したわけじゃないですけど、登録ヘルパーの平均年齢は60歳以上じゃないかな」
とのこと。これは、20代、30代の若手スタッフが少ないことも影響しているそうだが、60代のスタッフが最前線で働いているという。
利用者に人気の高齢のヘルパー
一方、都内の有料老人ホームで働いているAさんの職場にも、70代のスタッフが数人いるという。そのうちの1人は、定年により65歳で形式上は退職したものの、経験やスキルを買われ、“臨時職員”のような形で勤務を継続。また別の70代の女性職員は、夜勤などもバリバリこなしているという。
HさんやAさんに話を聞くと、60代や70代のスタッフは利用者と年齢が近いこともあって、非常に評判が良いそうだ。年齢が近ければ話も合い、昔見た映画やテレビ番組、同年代の俳優や女優、懐メロなどの話で盛り上がっている姿がしばしば見られるのだとか。また、子どもや孫の年齢も似ているので、同じ話題が共有でき、利用者にとっては嬉しいようだ。
高齢のヘルパーが多数存在する背景には、介護業界の人手不足と、「高齢者が働ける場所が限られている」という現実がある。しかしHさんは、「年齢はまったく関係ない。やる気や能力さえあれば70代でも働いて欲しい」と語っている。実際、身近にも50代での転職組で正社員採用された人もいたのだとか。また、「若い頃に一旦介護業界で働き、長年主婦をしていたものの、子どもの手がかからなくなったので働きたい」というようなケースも多い。
介護は、「一生働ける仕事」で間違いないようだ。
*「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」結果(概要)<内閣府>
公開日:2015/9/28
最終更新日:2019/4/5
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