毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「面接の定番『最後に質問はありますか?』に対するベスト回答」という話題について紹介します。
「最後に質問は?」で、採用担当者が「これは酷い」と思った回答
受験と就職は、どちらも人生における大きなターニングポイントだが、受験ではペーパーテストが重要なのに対し、就職は面接が大変重要。
ペーパーのテストのように、はっきりと正解がないのが面接の難しいところだ。
ネット全盛の今では、過去の応募者がどんなことを聞かれたかや、どのように答えて合格したのかを調べることも可能だ。その中でも、「最後に質問はありますか?」という定番の質問に対する正解はあるのだろうか。
都内の介護事業所で採用担当をしているシュウコさんは、こう語る。
「私が働いている会社では、採用者のクオリティを保つために、また応募者に不公平が生じないようするために面接がマニュアル化されているんです。
質問項目や回答はもちろん、目線、仕草、口調、服装など、回答以外のチェックポイントが細かく決められています。
その質問項目の最後には必ず、『最後に何か質問はありますか?』と尋ねるように指定されています。
これまで面接をした人数は数え切れませんが、中にはスゴい質問をしてきた人もいました。
『ぶっちゃけ、オレって介護に向いてますかね?』と言った若い男の子。私の手取り額を聞いてきた女性、『職場で出会いはありますか?』と聞いてきた女の子……。
『質問はありますか?』と言って『ないです』『ありません』と答える人は毎年何人もいます。別にそれだけで落とすということはありませんが、何か聞いた方が印象は良いでしょうね」
シュウコさんが上で例として挙げた『ぶっちゃけ…』の男の子は、それでも採用され、今年4年目の期待の星として元気に働いているのだとか。
一方では、シュウコさんが自分で使いたくなるような上手な質問をした人もいたそうだ。
介護事業所の採用担当もマネしたくなった「良い回答」
シュウコさんはこう続ける。
「その応募者は、元教師の50代の女性でした。
経歴や受け答えだけですでに心の中で採用を決めていたのですが、規定に沿って『最後に質問は?』と尋ねると、『もし採用して頂くとしても、働くまでは何週間か時間があると思います。その間に学んでおいた方が良いことや、読んでおくと良い本はありますか?』という質問が返ってきたのです。
やる気と向上心が感じられますし、私が聞いた中では間違いなくベストです」
その女性は入社してからも堅実な働きぶりを発揮し、今ではなくてはならない大事な戦力になっているのだそう。
人の成功例を丸々頂くのも考えものではあるが、「最後に質問は?」への回答に悩んでいる人は、参考にしてみてはいかが?