毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「ささいな癖がトラブルに?!」という話題について紹介します。
癖が原因で利用者さん同士がトラブルに!
「無くて七癖」という言葉が存在する通り、どんな人にも必ず癖はあるもの。
自分の癖は自分ではなかなか気付きにくいものだが、その癖が他人にとって耐え難いものである場合、事態は少々厄介だ。
都内のある介護付き有料老人ホームでは、利用者さんの“ある癖”がトラブルのもとになったという。
施設で働くヤマサキさんがいう。
利用者さんの喧嘩の原因は『クシャミ』
「施設内では時々、利用者さん同士でトラブルが起きますが、先日は80代の男性Aさんと90代の男性Bさんの口喧嘩が起こってしまいました。
話を聞くと、Aさんは普段から非常におとなしく、口数も少ないタイプですが、『クシャミをする音』が非常に大きく、Bさんは以前からそれが気に障っていたそうです。
その日、至近距離で大きなクシャミをされたBさんはついに堪忍袋の緒が切れ、大爆発。
しかし、Aさんは、『クシャミなんだからしょうがない』と、謝る気もない様子。
結局『クシャミをする時は手を添えましょう』と仲裁して、何とかトラブルを収めました」
クシャミや咳、笑い方などは人によって特徴があるもの。本人に悪気がないから仕方ないが、一度気になり始めると、理屈の問題ではなく、嫌になる気持ちも理解できなくもない。
仕事中に気になる!介護スタッフの困った癖とは…?
一方で、ヤマサキさんの施設では、明らかに改めたほうがよい癖の持ち主がいたという。
その“困った癖”を持っていた新人スタッフのクラタさんについて、ヤマサキさんはこう語る。
「クラタさんは施設内きっての爽やか系イケメンで、オシャレで清潔感にあふれる期待の新人でした。
ですが、仕事で接しているうちに、ある癖に気付いてしまい、それ以降、その癖が気になって仕方なくなってしまいました。
そこで念の為に同僚に尋ねると、皆もその癖に気付いており、『あー、私も気になってた』『あれ、何だろうね?』という会話が交わされました」
目上の人や年配者でも、返事は必ず「うん」
「皆が気になっていたその癖というのは、相手が誰でも、会話の返事が『ハイ』でなく『うん』になるというものです。
例えば、仕事で先輩に『○○やっておいて』と言われれば、多くの人は『ハイ、わかりました』と答えますよね。
ですが、クラタさんは『うん、わかりました』と返事をするのです。
敬語は普通に使えているので、『うん』と答えるのは癖になっているようでした。
本当に些細なことですが、遥かに年上の入居者さんに対しても同じように答えていたので、恐る恐る指摘したところ、案の定、自分ではその癖にまったく気付いていませんでした」
確かに目上の人に「うん」と返事をすれば、相手の気分を害してしまう可能性は大いにある。
ただ、癖を直すのはなかなか難しく、しばしば「また『うん』が出たよ!」と指摘されているのだそう。
「相手にいかに気分良く過ごしてもらえるか」を追求するのが介護の仕事だけに、「癖だから」とあきらめるのではなく、スタッフ同士でチェックし合うのがいいかもしれない。